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昭和59年1月9日付け新聞で、核ミサイルを積載した通常型潜水艦(グレイバック及びクラウラー)が、昭和34年から昭和39年にかけて横須賀に寄港していたとする記述が、米海軍軍艦事典にあることが報道された。この情報を得て市は、同日外務省に事実関係を早急に明確にするよう申し入れを行うとともに、市長は、「(1)事実関係を政府において明らかにすること。(2)非核三原則の厳正な遵守を43万人市民の安全を守る立場から、政府に対し強く求めていく。この姿勢はなんら変わるものではない。」旨のコメントを発表した。 その後、1月26日に米国政府から日本政府に対し、事実関係の調査結果として、「(1)グレイバック及びクラウラーがレギラスU型ミサイルを積載していたとする記述は事実ではない。(2)米海軍軍艦事典の改訂を検討中である。」との通知があった。
同年2月2日付け新聞は、米国85会計年度軍事情勢報告によれば、核弾頭装備可能な海上発射巡航ミサイル(艦対地トマホーク=TLAM−N)を今年中に攻撃型潜水艦および一部水上艦艇に配備するとの方針を明らかにし、また、戦艦ニュージャージーが「トマホーク長距離巡航ミサイルを最初に配備する艦艇」であることが報道された。 なお5日付けの新聞は、核トマホークの実戦配備は今年6月からと伝えた。 これらの報道等により、反核、反トマホークの気運が高まり、市民団体等から市議会に対し、核巡航ミサイルトマホークを搭載した米軍艦船の横須賀寄港反対を求める請願が出された。 このことから、市議会は、5月10日、「非核三原則に関する意見書」を全会一致で可決した。 また、6月5日、「反トマホーク市民運動」による54,587人分の署名が提出された。 しかし、このような世論の高まりの中、6月13日、外務省より明日、原子力潜水艦タニーが横須賀に寄港する旨の通知があった。 同艦は、核付き巡航ミサイルトマホーク搭載予定のスタージョン級に属することから、14日、市長は、外務大臣に対し、「核付き巡航ミサイルトマホークが配備されているか否かについて、米国政府に確認されたか、又、確認される意向があるか」及び、「核付き巡航ミサイルトマホーク配備艦船の寄港についての日本政府の基本姿勢について」申し入れを行った。 これに対し、外務省は「配備されているか否かについては確認していない。また、確認する考えがない。日本政府としては、非核三原則を堅持していく姿勢に変わりはない」との見解を示した。 これにつづき、20日、市長並びに市議会議長及び副議長が、外務大臣に面会し、去る5月10日市議会で可決された「非核三原則の堅持に関する意見書」並びに14日、タニー寄港に伴う申し入れをふまえ「非核三原則の厳正な遵守」を要請した。 市長から「核の持ち込ませずについては、船に積んでの入出港、領海の通航、領空の飛行についても持ち込ませずに触れ、事前協議の対象になると理解しているが政府としてはそれにくるいはないか」との質問に対し、外務大臣は「……それになんらくるいはない」との答弁があり、さらに市長が「トマホークには核・非核両用あるが、ひとつひとつ確かめる意志があるか」との質問を行ったのに対し外務大臣は「……事前協議の対象になっており、アメリカもそれを守るということであるから、あえてその必要はないし、確かめるつもりはない」との答弁があった。 なおタニーは、6月14日横須賀に入港し、6月21日出港した。 6月28日付け新聞は、米国総務省は、27日、米海軍の海上発射付き巡航ミサイルトマホークが数日前、米海軍に複数の艦船に配備された旨の発表を報道した。 7月5日、神奈川県議会において「神奈川県非核県宣言」が可決された。 7月9日付け新聞は、米国下院歳出委員会軍事小委員会の記録として、国防総省の核付きトマホークの艦船配備計画を伝え、また、16日付け新聞では、空母ミッドウェイに、7月10日核爆雷搭載可能の「対潜ヘリコプターシーキング」6機から成る「ヘリコプター対潜戦闘部隊12」が新設されたことを伝えた。 このような核持ち込みの不安が増大する中、9月5日、旧軍港市市長会議で「非核三原則の厳正な遵守」と「核兵器の廃絶について」の共同声明が採択された。 また、市議会においても、10日「核兵器廃絶に関する決議書」を全会一致で可決した。 9月18日、外務省より、原子力潜水艦「インディアナポリス」が19日横須賀に寄港するとの通知をうけ、同艦が核付き巡航ミサイルトマホーク配備予定と伝えられるロサンゼルス級に属することから、外務大臣に対し、「核付き巡航ミサイルトマホークが配備されているか否かを米国政府に確認したか、また確認する意向があるかについて」照会をすると共に「非核三原則の厳正な遵守」を強く求めた。 これに対し、外務省は、「確認していないし、あらためて確認する意向はない、いかなる核兵器の持ち込みも事前協議の対象であり、事前協議がなかったことは、配備されていないものと確信している。 核兵器の持ち込みについては、日米安全保障条約の中で事前協議のきちっとした枠組があり、日米の強い信頼関係がある以上あらためて確認することはない。」との回答があった。 以後、12月3日寄港の「サンフランシスコ」以降ロサンゼルス級原子力潜水艦寄港の都度同主旨の要請を行っている。 |