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更新日:2017年2月17日

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平成29年(2017年)2月15日施政方針

平成29年(2017年)2月15日(水曜日)平成29年 第1回 市議会定例会本会議

市長施政方針

(基本的な姿勢) 

  本日ここに、平成29年度(2017年度)予算案および関連諸議案を提案するにあたり、市政に対する基本的な考え方を述べさせていただきます。


  早いもので、今回の予算は私にとりまして市長2期目の最後の編成となりました。この間、多くの皆さまから時に厳しく、時に温かいご指導、ご意見をいただきながら、市長としての職務に精励してまいりました。
  横須賀市は、まさに本日、市制施行110周年の節目を迎えました。東京湾の一漁村に過ぎなかった横須賀が、横須賀製鉄所の創設を契機として国の近代化を支え、戦前は軍港都市、戦後は平和産業港湾都市として発展してきました。この発展の礎を築かれた数多くの先人、先達、先輩のご尽力やご労苦があればこそ、110年の時を重ねた今日においても、本市は全国に名を知られる都市になっているのだと思います。
  顧みるに「人」こそが市政の要であり、「人づくり」こそまちづくりの基本であると改めて感じています。これからも地域のために取り組んでいる方を支援し、熱意ややる気に応えられるように努めてまいります。そして、どうすれば市民の役に立つことができるのか、といった原点に立ち返り、職員の先頭に立って市政運営にあたってまいります。
  市議会の皆さまには、さまざまな場面でご指導をいただいてまいりましたが、引き続き市政運営を担う両輪としてご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

(横須賀市の現状) 

  日本の総人口は平成20年(2008年)をピークに減少局面に入ったといわれています。国全体で人口が減少している中、東京への人口流入が続き、東京一極集中の様相が強くなってきています。国もこうした現状に強い危機感を持ち、少子化対策に力点を置いて取り組んでいますが、少子高齢化が進んだ現在の人口構造を考えると、今後、亡くなる方の数が生まれる子どもの数を上回る「自然減」が進むことは避けられないと思います。
  本市はこうした全国の傾向の中でもとりわけ高齢化率が高く、自然減による人口の減少も進んでいます。つまり本市は他の自治体よりも早く、人口減少でのまちづくりはどうあるべきか、という問題に直面しているといえます。この問題に真正面から取り組み、果断に挑戦して先進事例を積み重ねていきたいと考えています。
  自然減が避けられない状況下では、行政も変わっていかなければなりません。行政組織も、公共施設も、今後はダウンサイジングが求められてきます。また、いかに長く健康に暮らしていけるか、介護状態になることを予防できるか、そして人生の終末をどのように迎えるのかなど、命の尊厳に向き合った施策の必要性も感じています。
  一方で「社会減」については本市の取り組み次第で解消することができると思っています。本市には、「首都圏に位置する立地の良さ」、「海と緑に囲まれた豊かな自然環境」、「国際色豊かなまちの雰囲気」など、すでに持っている強みがあります。私は、これらの強みを生かしながら「選ばれるまち横須賀」の実現に向けてさらに努力してまいります。
  特に人口移動の多い結婚・子育て世代に向けた施策は重要です。これまで進めてきました、学校教育における学力向上、英語教育の充実、中学校完全給食の早期実施、待機児童ゼロを目指した取り組みなどをさらに充実させてまいりたいと考えています。
  また、社会減を解消していくためには、市内における安定した雇用の確保も重要です。企業誘致については、市長就任以来1年1社という目標を掲げて取り組んでいますが、これまでの8年間で11社、12件の誘致が決まり、市内での雇用拡大につながっています。また、粘り強く再稼働をお願いしてきた東京電力横須賀火力発電所では、石炭火力発電所が稼働する予定となっています。
  定住促進という観点では、良質な住宅を供給していくことも重要です。再開発の支援や立地適正化計画などの都市計画の手法と合わせて、空き家物件の紹介などについて不動産業界の皆さまとも連携してまいります。
  そして、このような本市が持つ魅力や、暮らしやすい環境について、多くの方に知っていただく努力が必要です。横須賀市の都市イメージがより向上するよう、都市イメージ創造発信アクションプランに基づき、市内外へ積極的に情報発信してまいります。
  これらの取り組みには、成果が表れるまでに時間がかかるものもありますので、実施計画、そして横須賀市まち・ひと・しごと創生総合戦略に位置づけられた事業を着実に推進し、まちづくりのビジョンとして掲げた「選ばれるまち横須賀」を実現していくため、腰を据えて取り組んでまいります。
  「必ずや横須賀市の社会減をゼロとする」という意気込みを職員と共有しながら、市役所が一丸となって邁進してまいります。

 

(都市間連携) 

  さまざまな施策を実施していくためには、関係する他都市との連携を強化していくことも必要です。三浦半島4市1町による三浦半島サミットは、すでに7回を数え、未病や観光など具体的な連携も進み始めています。また、旧軍港市の3市とは、これまでの関係に加え日本遺産の活用という新たな共同事業も進んでいます。今後も課題を共有する他の市町や神奈川県との連携を深め、相互に協力して取り組めるよう努めてまいります。
  国と地方との関係という点では、国が行うべき仕事と地方が担うべき役割をしっかりと整理し、地域の実情に応じて独自の事業を実施できるよう、地方への財源を保障していくべきだと考えています。今、国と地方との関係は、国の厳しい財政状況を反映して、ともすると地方へのしわ寄せが行われる状況も散見されます。現在私は旧軍港市振興協議会会長、全国基地協議会副会長、そして神奈川県市長会副会長の職にあり、5月からは中核市市長会会長にも就任する予定です。こうした組織を代表するという職責もしっかりと果たし、国に対して地方の意見を伝えていきたいと考えています。

 

(新たな行政計画の策定)

  平成29年度は、実施計画、行政改革プラン、財政基本計画の最終年度であり、平成30年度以降の新たな計画を策定する年度となります。
  実施計画を策定するにあたっては、私が横須賀の将来像として掲げている「水と緑に親しめる横須賀」、「命を大切にする横須賀」、「人づくりのまち横須賀」の実現を引き続き目指してまいりますが、継続性をよく意識しながら、重点化していく取り組みを見極めたいと考えています。また、事務事業等の総点検により事業の効果を検証し、優先順位を判断した上で、限られた財源をより効率的に配分していくことや、行政内部の徹底したスリム化も必要です。本市の極めて厳しい財政状況を踏まえれば、市民サービスに影響を及ぼす事業も聖域とせずに取り組まなければならない場面も出てくると思います。
  市民の皆さまにはご負担をおかけすることもあるかもしれませんが、説明責任を果たした上で、将来の横須賀のための計画を策定してまいります。

 

(平成29年度予算編成)

  平成29年度(2017年度)予算は、本市を取り巻く諸課題に対応するため、第2次実施計画および横須賀市まち・ひと・しごと創生総合戦略に沿って計上いたしました。
  これらの結果、平成29年度の一般会計、特別会計、企業会計を合わせた予算総額は3,155億6千万円、このうち一般会計の予算総額は1,456億9千万円となり、対前年度で8億2千万円の減となっています。
  予算総額が減少した主な要因は、臨時福祉給付金の減などによる補助費等の減15億円、システム改修が終了したことなどによる物件費の減12億円などです。
  一般会計の財源不足を補てんするための財政調整基金等からの取り崩しは、前年度よりも2億円多い62億円となっています。なお、臨時的な収入である土地の売却収入を除いた実質的な取り崩しは69億円となり、前年度と比較して3億円の収支悪化となっています。
  これは歳入面では法人市民税などの大幅な減収、歳出面では子育て分野を中心とした社会保障費の増や、臨時財政対策債償還費の増などが影響しています。
  この結果、平成29年度末における財政調整基金等の残高見込みは現時点では53億円となりますが、今後、例年並みの実質収支等があれば、財政基本計画に掲げた90億円以上という目標を達成できるものと考えています。そのほかの計画目標についてもいずれも達成した上で予算を編成しました。
  ただ財政基本計画における推計と比べると、収支バランスは悪化しているのが実情です。本市の財政は、予断を許さない厳しい状況であると認識していますので、引き続き強い決意をもって財政健全化に取り組み、効率的な財政運営を行ってまいります。

  

(観光立市について)

  観光を産業の柱とすることを目指して、平成26年12月、市議会からの提案をもって「横須賀市観光立市推進条例」が制定されました。そして平成28年に、市議会の皆さまのご意見もいただきながら、観光施策を総合的かつ計画的に進めるため「観光立市推進基本計画」を策定したところです。
  条例が求めるように、観光立市を実現していくためには、市内における消費額を増大させた上で、市内の事業者の方々に「横須賀は観光で十分事業が成り立つ」と思っていただくことが必要だと考えています。
  平成29年度では、こうした考えを実行に移すため、「観光立市推進アクションプラン」に基づき、「観光立市推進基本計画」の目標である、「2025年度までの観光客数1,000万人、観光客消費額636億円」の達成に向けて取り組みを進めてまいります。
  そのための方策の一つとして、本市の近代遺産は観光における大きな柱となるものです。旧軍港四市の連携による日本遺産の取り組みなどを交えながら、市外からの観光客を呼び込むための施策を展開いたします。
  あわせて、スポーツや各種学会の誘致による観光分野での活用も進めていかなければならないと考えています。
  また、中央エリアに2カ所あった観光案内所を横須賀中央駅前「プライム」の2階に集約するとともに、新たにJR横須賀駅にデジタルサイネージを設置し、観光客の案内態勢を整えた上で、さまざまなイベントへの誘客を推進してまいります。

 

(英語が学べるまち 横須賀)

  多くの外国人が住み、生きた英語に接する機会が身近にある横須賀は、国際社会を担う人材の育成や「子どもに英語を学ばせたい」といった保護者のニーズに応えるには、絶好の環境であると考えています。
  これまでも本市では、「英語が学べるまち 横須賀」として、「親しむ機会の充実」、「学ぶ機会の充実」、「実践する機会の充実」の3つの視点によりさまざまな取り組みを進めてきました。平成29年度においては、新しい取り組みを交えながら、さらに強化してまいります。
  まず、「親しむ機会の充実」という視点においては、子どもが親しむきっかけづくりとして、市内の英語関係事業者が実施するイベント情報の発信を充実するとともに、体感型のイベントを引き続き開催いたします。また、新たに親子や子どもを対象とした英語に触れる講座をコミュニティセンターで開催します。
  「学ぶ機会の充実」としては、従来の国際コミュニケーション能力の育成に関する取り組みに加え、新たに中学校3年生を対象として実用英語技能検定3級の検定料を助成します。また、グローバル人材の育成を図る教育機関の設立に向けた調整を引き続き行ってまいります。
  「実践する機会の充実」については、「横須賀イングリッシュキャンプ」や「横須賀ホームビジット」を継続するとともに、新たに、市内の機関、団体等に所属する外国人が日本人家庭を日帰りで訪問し交流する事業を、関係機関の協力を得ながら実施します。

 

(スポーツの振興について)

  平成29年度は、スポーツに関する取り組みも強化してまいります。
  まず、学校体育以外のスポーツに関する事務を教育委員会から市長部局に移管し、さらなるスポーツの振興を図るとともに、スポーツの持つ社会性や魅力を最大限に活用したまちづくりを推進してまいります。
  ことし5月には、新たに、民間企業、スポーツ団体などと連携を図り、国内で24年ぶりとなるウインドサーフィンワールドカップを津久井浜で開催します。これをきっかけとし、マリンスポーツ人口や集客の増、定住促進ならびに地域の活性化などに取り組んでまいります。
  現在、進めているナショナルトレーニングセンター(NTC)拡充施設の誘致や、BMXならびにスケートボードなどを対象としたアクティブスポーツ施設の誘致に向けた調査・研究につきましては、今後も継続して取り組んでまいります。さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、事前キャンプの誘致にも積極的に取り組んでまいります。
  また、横浜DeNAベイスターズのファーム本拠地球場である横須賀スタジアムの隣接地に総合練習場を整備し、本拠地機能を強化することにより横須賀のスポーツの振興および地域活性化を図ります。
  スポーツ選手の育成・強化としては、横須賀から2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に出場する選手を育成するため、横須賀市体育協会の選手強化事業への助成を拡充するとともに、新たに国の強化選手などの指定を受けた市内のトップアスリートへの支援を行います。

 

(横須賀市まち・ひと・しごと創生総合戦略)

  平成27年度に策定した横須賀市まち・ひと・しごと創生総合戦略は5年間の計画期間の3年目を迎えます。第2次実施計画に掲げる3つの重点施策の関連分野の施策をさらに充実させ、総合戦略の基本目標の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

 

・市内経済の活性化を図り、雇用を創出する

  基本目標の第1は、市内経済の活性化と雇用の創出です。
  本市では、県内他都市に比べて人口の減少規模が大きく、また、市内事業所数、従業者数は減少傾向にあります。こうした状況の中、市内経済の活力を維持し、安定した雇用を創出していくための施策を展開してまいります。

  まず、創業の促進については、ICT企業を中心としたスタートアップを支援する「ヨコスカバレー構想」において、民間の方々を中心とした実現委員会が、さまざまな企画を進めているところですので、引き続きその活動を支援してまいります。また、YRPを中心としたICT事業者の市内進出に助成を行い、技術や人材の集積を図ります。
  景況リポート10月号の特別調査では、44%の企業で雇用人員が不足していて、かつ人員の不足により受注を諦める場面もあるとの声が少なからずありました。地域経済を活性化させていくためには市内中小企業を持続的に発展させることが重要で、こうした人材不足を解消する必要があります。そこで新たに「市内中小企業の求人情報発信サイトの開発」と、「定年退職自衛官を対象とした市内企業合同就職説明会」を実施し、市内外から人材の発掘を図ります。
  工業振興については、意欲のある事業者の設備投資や技術開発を積極的に支援してまいります。また、市内の主要な工業製品である電気自動車(EV)の普及促進については、引き続きマンションや事業所を中心に支援してまいります。
  商業の活性化対策としては、商店街を訪れる外国人客とのコミュニケーションを円滑に行うため、NTTドコモがYRPで開発した最先端の翻訳システムを活用して平成28年3月から9月にかけて本市と共同で実証実験を行いました。平成29年度は、実証実験で使用したアプリケーション等の商店街への導入を支援し、外国の方でも安心して買い物ができる環境を整備してまいります。
  久里浜港事業用地については、新たに誘致した2つの事業者がそれぞれ1月にオープン、2月中に操業開始の予定であり、現在進めている久里浜港への定期航路誘致についても、まずは定期航路化に向けたトライアル寄港を行うなど、久里浜港を中心とした地域の活性化を進めてまいります。

 

・定住を促す魅力的な都市環境をつくる

  基本目標の第2は、定住を促す魅力的な都市環境づくりです。
  教育環境や住環境などの充実を図ることで、都市の魅力を高めていくための取り組みを進めるとともに、中長期の視点で、住むまちとしての都市イメージ向上を図るための効果的なプロモーションを展開してまいります。

  まず、教育環境の充実については、学力向上の取り組みの強化として、子どもたちの基礎的、基本的学習の定着状況を把握する学習状況調査の実施範囲を拡大します。継続的な調査を行うことで、子どもたち自身の学習状況の理解を深めるとともに、教員の指導の改善に役立てることを目指します。
  また、経験年数の少ない小学校教員の指導力向上を図るため、新たに小学校低学年授業アドバイザーを配置します。
  学力向上の施策の中心となるサポートティーチャーは、引き続き市立全小中学校に配置し、授業中や放課後に、子どもたちの学習指導、学習支援を行います。
  学校以外での学習支援としては、「土曜寺子屋教室」を拡充し、市内13カ所で開催します。
  中学校完全給食については、実施方式を決定したのち、実施に向けた基本計画を策定してまいります。
  住環境の充実については、都市基盤や生活環境が整った戸建て住宅団地を対象とした「子育てファミリー等応援住宅バンク」の対象地域、助成対象年齢を拡大するとともに、空き家を解体して新築する際に利用できる解体助成をメニューに加え、住宅ストックの活用と子育て世代の定住促進に努めます。
  また、不動産事業者等関係団体と連携し、空き家有効活用の相談体制を充実するとともに、戸建て住宅団地で開催する「住まい活用促進フェア」では、地域の町内会等とも連携し空き家所有者への働き掛けを行い、出張相談会を実施します。
  定住に向けたプロモーションについては、住むまち横須賀の魅力を紹介する「横須賀体感モニターツアー」を年間を通じて開催するとともに、新たな取り組みとして、本市での暮らしを体感できる移住体験を実施します。また、本市に通勤可能なエリアに住む結婚・子育て世代に対し、交通機関などを活用して情報発信を行うとともに、具体的に住む家を探している人たちに対しては、民間の不動産情報サイトへのバナー広告などにより情報発信を図ってまいります。

 

・若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる

  基本目標の第3は、若い世代の結婚・出産・子育て環境の充実です。
  結婚を希望する若い世代へのきっかけの場の提供や出産・子育て環境の充実、子育て世代が働きやすい環境づくりに関する取り組みを進めます。

  妊産婦に対する支援については、新たに産婦健康診査について助成するとともに、従来の妊婦健康診査を拡充します。
  特別養子縁組の推進については、引き続き他都市や民間事業者と連携し、赤ちゃんが最もふさわしい環境で育つことができるよう取り組むとともに、市民を対象に講座を開催し普及啓発を図ります。
  子どもを育てやすい環境づくりについては、保育所の定員拡充・小規模保育事業などにより、引き続き待機児童のゼロに向けて取り組むとともに、子育て支援の総合的な提供を掲げる認定こども園への移行を推進するため、施設整備に対する助成を行います。
  また、保育現場等での慢性的な人員不足を解消するため、保育士等の処遇改善をこれまで以上に充実させます。
  放課後児童クラブについては、社会福祉法人が設置する放課後児童クラブの整備に助成を行うとともに、小学校3校の教室を放課後児童クラブ用に改修します。
  放課後全児童対策については、全児童を対象とする新たな放課後子ども教室の試行事業を小学校1校において実施します。

 

・人口減少社会に対応したまちづくりを進める

  基本目標の第4は、人口減少に対応したまちづくりです。
  空き家の増加が見込まれる中、今後も良好な住環境を維持していくため都市機能を集約するとともに、人口減少社会を見据えたまちづくりを進めます。

  空き家対策については、先ほど、住環境の充実で述べた取り組みに加え、谷戸地域に対する、活性化・生活防衛・低密度化の視点に基づいた支援を継続します。
  空き家バンクについては、「海が見える」、「庭が広い」、「高台にあり静かに暮らせる」など、特徴のある物件を集めて紹介する「新空き家バンク」を創設することで多様なニーズとのマッチングを図ります。
  都市のコンパクト化の推進については、拠点ネットワーク型の都市づくりに向け、その具現化を見据えた「立地適正化計画」の策定に取り組んでまいります。

  続いて、健康、医療、福祉対策の強化です。
  市民が住み慣れたまちで安心して暮らせるために、適切な医療・介護体制の整備や、終末期の課題や不安の解消、病気に対する予防や健康管理意識の向上を促す取り組みを進めます。

  生涯現役プロジェクトの推進では、誰もがいつまでも健康で生きがいを持ちながら活躍できる「生涯現役社会」の実現を目指します。
  ラジオ体操については、より幅広い世代に広げるため、健民運動会等の地域行事や観光イベントを活用したラジオ体操ワンポイントレッスンを開催します。
  また、三浦半島地域は、今後もますます高齢化が見込まれることから、神奈川県や三浦半島の3市1町と連携を強化して健康づくりを推進してまいります。
  医療と介護の連携推進については、横須賀市医師会をはじめ、関係職種の皆さまのご協力により、平成26年の在宅死亡率が20万人以上の都市で全国トップになるなど成果が表れてきましたが、これに満足することなく、市民を支える専門職間の連携を深める取り組みを進めてまいります。
  また、最期まで自分らしい人生を送るために、人生の最終段階の医療について考え、その意思を表明するツールとして横須賀版リビング・ウィルを作成するなど、市民啓発にも力を注いでまいります。
  認知症施策の充実については、認知症になっても本人の意思が尊重され、住み慣れたまちで生活し続けることができる社会の実現に向けて、認知症サポート医、認知症地域支援推進員、地域包括支援センター等で構成する「認知症初期集中支援チーム」による支援を行い、認知症の早期相談・早期対応を推進していきます。
  看護師の確保対策については、離職防止研修や、合同就職・進学説明会などを継続して実施するとともに、新たに設立された男性看護師会とも連携して取り組んでまいります。
  エンディングプラン・サポート事業については、ひとり暮らしの方々の葬儀・納骨などの課題の解決にとどめることなく、ペットなどのご相談も含め、より広い範囲の終活課題の相談をお受けできるように充実を図ってまいります。

  以上の4つの基本目標に基づき、同時に、財政基本計画との整合に留意しつつ、施策を推進してまいります。

 

(施設配置適正化計画について)

  本市における公共施設の約6割が、既に建築後30年以上経過しています。このため、平成27年1月に施設配置適正化計画により、施設の適正な配置に関する将来構想をお示しし、現在、今後の方向性を施設分野別実施計画として策定しているところです。平成29年度においてもこれを継続し、学校など未策定となっている施設について、引き続き計画の策定を進めてまいります。
  なお、施設分野別実施計画の策定にあたっては、これまで地域の皆さまや利用者の皆さまへの説明や意見交換を重ねながら進めてきたところです。「施設の廃止に反対する」というご意見や、「人口減少などから廃止はやむを得ない」などの様々なご意見をいただいていますので、これからも関係する皆さまの声に耳を傾けてまいります。
  この際、3つの施設に関する方針を申し上げたいと思います。
  まず、万代会館については、会館の設立経緯や寄贈者のご意思などを踏まえ、廃止ではなく、活用の方向に転換を図ることとし、地域の方々などと今後の活用方法について検討を進めます。なお、これに伴い、会館とあわせて寄贈していただいたソニー株を売却し、売却益を活用して万代基金に積み立て、今後の万代会館の経費に充ててまいります。
  2つ目は、市民活動サポートセンターです。「ベイスクエアよこすか一番館3階への移転」としていましたが、1階にあることによる利便性を考慮し、移転せず存続することといたします。今後も、市民活動の拠点として、より一層の活用を図ってまいります。
  3つ目は、天神島ビジターセンターです。廃止の方針を改め、自然環境を生かした幅広い利活用を図れるよう、今後検討してまいります。

 

 (基地について) 

  次に基地についてです。
  1月20日に米国で、ドナルド・トランプ氏が第45代大統領に就任しましたが、日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しているといわれている中で、日米安保体制を基調とする日米同盟は、日本のみならず、日本周辺地域さらには、世界全体の安定と繁栄のための「公共財」としての役割を果たしていると考えています。
  自衛隊と米軍は、平素からさまざまな面で協力の強化に努めていまして、その緊密な連携は、日米安保体制の実効性を高めることにもつながっていると考えています。ここ横須賀においても、海上自衛隊と米海軍がその役割を担っています。
  そうした中、本市に所在する自衛隊や米海軍基地が、地元の理解を得ながら安定的に運用されることが重要であり、そのための環境づくりは、地元市長としての大きな役割の一つであると考えています。
  原子力艦の原子力災害対策については、政府に対し平成25年4月から3度にわたる要請を行い、昨年7月に原子力災害対策マニュアルが改定されたことから、3月中に地域防災計画の改定作業を完了させ、新年度からは新たな計画に基づく対応をしていくことになります。
  私は、これまでも、市民の生命・財産を守る立場の市長として、政府に対し要請を重ねてきましたが、これからも、市民生活の安全・安心の確保は当然として、適時適切な情報提供と財政的措置を、強く政府に求めてまいります。

 

 (基本計画重点プログラム)

  これまで申し上げました項目以外の主な重点施策について、新規・拡充事業を中心に、基本計画の重点プログラムに沿って具体的にご説明申し上げます。

  1つ目は、「新しい芽を育むプログラム」です。

  社会的養護が必要な子どもたちの自立に向けて、多様な支援を行う自立援助ホームを開設します。
  大きな社会問題となっているいじめ・不登校対策については、引き続きスクールソーシャルワーカーおよび教育相談による対応などにより、未然防止、早期発見、早期対応に向けてきめ細かい支援に取り組みます。
  また、児童生徒指導上の諸問題により緊急対応の必要が生じた学校に対して、早期解決に向けた支援を行うなど、学校運営をサポートする学校支援員を増員し、学校の円滑な運営を図るとともに、各小中学校の状況把握および教員の指導力向上のための支援を推進します。

  2つ目は、「命を守るプログラム」です。

  障害者の意思疎通支援については、「共生社会実現のための障害者の情報取得及びコミュニケーションに関する条例」に基づき、環境づくりを推進しているところです。
  平成29年度は、児童の難聴について、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度難聴児に対し、新たに補聴器購入費を一部助成してまいります。
  また、障害者雇用の面では、障害者を雇用する企業などに支給する奨励金を拡充するとともに、特例子会社の設立に要する費用を引き続き助成していくことで、働く場所の確保を目指してまいります。
  高齢者向けの緊急通報システムについては、現行のシステムで課題となっていた緊急通報にかかる民生委員と消防局の負担軽減を図るとともに、人感センサー等による高齢者の見守り機能を追加し、より充実したシステムといたします。
  国民健康保険については、特定健康診査結果やレセプトデータの解析結果を活用し、効果的・効率的な保健事業を実施するデータヘルス計画を推進するとともに、平成30年度からの次期計画の策定を行います。
  骨髄移植ドナー登録の推進については、ドナーおよびドナーが勤務する事業所に対して、休業補償等に関する費用助成を新たに開始します。
  市民病院については、平成28年10月に開設した地域包括ケア病棟により、在宅療養を支える新たな取り組みをさらに充実してまいります。
  うわまち病院については、建て替えについて、担うべき医療機能や、市民病院との機能分担とあわせて引き続き検討してまいります。
  インフラの整備については、災害時の復旧活動に支障をきたさないようトンネルの計画的な修繕を行うとともに、緊急輸送道路や重要な路線に架かる橋りょうをはじめ、水道管・下水道管の耐震化を継続して進めてまいります。
  耐震化が必要な市営住宅については、本公郷改良アパートにおいて、民間のノウハウを活用したPFIによる建替えに向け、実施方針を策定するとともに、森崎アパートの耐震診断を引き続き行います。
  消防の広域化については、本市が三浦市の消防事務を受託し、ことし4月から両市域を一元的に管轄する広域消防として運用を開始します。これにより迅速な現場到着や災害対応力の強化など、さらなる消防体制の充実を図ってまいります。 

  3つ目は、「環境を守るプログラム」です。 

  横須賀エコツアーについては、現在の3つのフィールドでの実施に加え、新たに長井・荒崎地区でのエコツアー開始に向けた支援を行ってまいります。
  みどりの基本計画については、効果的・効率的な都市の「みどり」の保全と創出を目的とした各種制度の運用および施策の推進を図ります。また、「みどり」の保全と緑化の推進に関する各種制度を具体的に位置付けた、「みどりの基本条例」についても、引き続き、適正な運用を行ってまいります。
  里山的環境保全・活用については、野比および長坂のモデル地区での活動や、「かがみ田谷戸」における里山的環境再生の取り組みを継続し、市民が身近な自然と触れ合える機会を増やします。
  身近な自然環境の調査については、これまで市民活動団体の協力を得て実施してきました活動成果を、自然を守り触れ合う活動に役立てるため、ガイドブックとしてまとめます。 

  4つ目は、「にぎわいを生むプログラム」です。

  中心市街地活性化については、「ザ・タワー横須賀中央」の完成を契機に、中央エリア内での再開発や建て替え等の機運が高まっています。現在、市街地再開発の事業化に向けた検討を行っている4つの再開発協議会や、その他の建て替え事業等について、引き続き「横須賀中央エリア再生促進アクションプラン」に基づく支援制度を活用し、推進してまいります。
  また、中央エリア内の商店街が一体で行う集客イベント等を強力に支援することで、将来にわたる継続的なにぎわいの創出を図ります。
  地産地消の推進については、横須賀野菜の認知度向上とブランド化、そして販路拡大に向けたPR事業を、JAよこすか葉山や日本野菜ソムリエ協会などさまざまな団体と連携して進めてまいります。
  勤労者の支援としては、勤労者向けの自治体提携ローンのメニューを拡充するとともに、利用限度額の増額と最長借入期間の延長を行い、さらなる勤労者の生活支援を実施していきます。 
  横須賀パーキングエリア周辺におけるスマートインターチェンジ整備については、横浜横須賀道路との接続位置を変更する代替ルート案も含めた整備について、関係機関と調整を進めてまいります。

  5つ目は、「地域力を育むプログラム」です。

  自治の推進に向けた取り組みについては、引き続き自治基本条例の制定に向けた検討を行ってまいります。
  市民公益活動の支援については、市民や企業からの寄附金を積み立てたNPO支援基金を活用して、「市民公益活動ポイント制度」を引き続き実施いたします。
  地域運営協議会については、引き続き市全域での設立を目指してまいります。また、各協議会がより一層活発に活動していただけるよう、基本的な交付金の増額に加え、新たな交付金を設け、これまで以上に積極的な支援を図っていきます。
  地域力を育むためには、地域の皆さまに多大なるご協力をいただいている民生委員や消防団員の確保対策を進めていく必要があります。
  民生委員の確保対策については、平成29年度に民生委員制度創設100周年を迎えることから、記念事業を通じてその役割の周知を行うとともに、市役所職員に対する学習会を開催し、民生委員の必要性の理解と担い手の確保に努めてまいります。また、定年制度のあり方についても、現職の民生委員のご意見を伺いながら検討を進めてまいります。
  消防団員の確保対策については、本年度から実施している横須賀市消防団応援の店登録制度や女性消防隊による周知・啓発を引き続き進めるとともに、入退団の年齢要件の見直しやさまざまな消防団活動など、さらなる団員確保に向けた幅広い検討を行ってまいります。

  その他、特徴的な事業としては、まず、入札制度改革として、新たなインセンティブ発注を行います。市民の安全・安心を守る立場から、さらなる災害対応の強化を図るため、日頃から自主的に防災への備えやパトロールなどの予防活動を行っている「防災協定締結事業者」や技術力の高い「工事成績点優良事業者」を、災害・防災への高度な対応力を保有する「防災対応・優良事業者」として新たな発注枠を設け、入札を行います。
  また、極めて厳しい財政状況の中で、効果的・効率的に公共施設の整備や更新を進めていくには、民間の技術やノウハウを活用していくことが重要であると考えています。PPPやPFIなど多様な公民連携手法の導入について検討し、経費の縮減や付加価値の高いサービスの提供につながるよう取り組みを進めてまいります。
  市民の満足度を最大化していくためには、市役所で働く職員の満足度を最大化していくことも必要であり、そのためには、職員が働きやすい環境を整えていくことが重要です。
  まず、職場外から市役所内部の業務システムを安全に利用できる仕組みを整備し、育児休業中の職員への復帰支援等の一部を試行します。また、この仕組みを利用して、勤務場所にとらわれない、柔軟な働き方を可能とするテレワークを推進するための検討を行ってまいります。
  職員に対する研修については、グループワークやケーススタディーをより充実させたものとし、自ら学ぶ環境を整えることで、職員の能力やモチベーションを高め、職場の一層の活性化を図ってまいります。

 

(平成28年度補正予算案の概要)

  平成28年度一般会計補正予算は、法人市民税などが大きく減少し、当初予算で見込んでいた歳入を確保することが困難となったため、減少した財源を補てんするための減収補てん債を計上することといたしました。また、土地開発基金については、当初の役割を終えたと判断し、基金を廃止するとともに財産を一般会計に引き継ぎます。歳出面では、国の補正予算を活用するため、学校営繕工事を前倒し計上するとともに、繰越明許費を設定いたしました。
  このほか、年度末における各費目の最終整理、工事費等の減額に伴う継続費年割額の変更、年度内に完了することが困難な事業に対する繰越明許費の設定、横須賀ごみ処理施設への特別高圧鉄塔建設負担金に対する債務負担行為の設定などを行っています。
  特別会計および企業会計については、年度末における最終整理が主な内容となります。

 

 

  以上で市政に対する基本的な考え方と平成29年度予算案および平成28年度補正予算案の概要の説明を終わります。
  なお、同時に、関連する条例等の議案を提出していますので、後日、各常任委員会において説明いたします。
  よろしくご審議のうえ、ご議決いただくようお願い申し上げます。

 

お問い合わせ

総務部秘書課
横須賀市小川町11番地 本館1号館3階 <郵便物:「〒238-8550 秘書課」で届きます>
電話番号:046-822-8118
ファクス:046-824-2610

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