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更新日:2018年2月20日

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平成30年(2018年)2月16日施政方針

平成30年(2018年)2月16日(金曜日)平成30年 3月定例議会本会議

施政方針

  平成30 年度(2018 年度)予算案および関連諸議案を提案するにあたり、市政に対する基本的な考え方を述べさせていただきます。


(平成29 年度の総括)
 市長に就任してから本日までの間、本当にあっという間でした。就任からこれまでの間に、公約を中心としたさまざまな取り組みに着手できたことは非常に喜ばしいことです。
 これまでを簡単に振り返りますと、私の横須賀復活、誰も一人にさせないまちの実現に向けた取り組みは、退職金の廃止からスタートしました。
 市長退職金の廃止は、選挙公約として掲げたものですが、これは横須賀復活への私の決意を表すものでした。この思いに副市長も賛同し、公約を上回る形で退職金の廃止を実現することができました。
 また、子育て世代への支援として、平成30 年4月から中学校3年生までの医療費を無償化することとし、現在、事前の準備を着々と進めています。
 中学校完全給食の実施に向けては、早期に給食を実施するための最適な方法として、実施方式をセンター方式と決定したほか、その建設場所も決定したところです。
 長年の悲願であった国道357 号については、延伸に向けて具体的な動きが始まってまいりました。
 浦賀奉行所の跡地は住友重機械工業からの寄附を受け、活用に向けた検討がスタートしています。
また、横浜F・マリノスの練習拠点については、私自身が直接マリノス本社を訪れトップセールスを行うなど、先頭に立って誘致活動を進めてまいりました。その結果、去る1月、JR久里浜駅周辺に練習拠点を整備する方向で、マリノスと本格的な協議を始めていく運びとなりました。

 このように、公約の実現を中心としてさまざまな取り組みを進めてきました。日々、全力で駆け抜けてきたと感じています。

 なお、これまでの間、引き続き市民の皆様、県や国などの関係団体の皆様との意見交換を重ねてまいりました。その際に、多くの方々から「横須賀が変わり始めた」と言っていただけることも多く、率直にうれしく感じています。
 横須賀復活、誰も一人にさせないまちの実現に向けて上々のスタートを切ることができたと考えています。
 しかし、これに満足しているわけにはまいりません。平成30 年度からは、本格的に横須賀復活に向けた取り組みを始める必要があります。これは議会の皆様のご協力なしでは決して成し遂げることは出来ません。議会の皆様におかれましては、これまで以上にご協力を賜りたく、この場をお借りしてお願いを申し上げます。


(スピード感の重視)
 さて、私の平成30 年度にあたっての基本的な姿勢は、「スピード感の重視」です。
 今年の年頭のあいさつで、職員に対して、スピード感を重視するように求めました。市の職員はまじめで優秀な人材がそろっていると思います。しかし、それが故に失敗を恐れ、新しいことに対して踏み出せずにいることもあるように感じています。失敗したら、それを反省しやり直せばいいのです。当然、物事はうまくいくことが望ましいですが、失敗は成功の母です。
 今、困っている人、不都合を感じている人、助けを必要としている人に対して、数年後にようやく事業が開始されるのでは遅すぎるのです。内部調整などは速やかに進め、できる限り早期に事業が実施できるように市役所のあり方を変革していきたいと考えています。さまざまな行政課題に対し、スピード感を持った上で、より機動的かつ効率的に取り組むため、去る12 月定例議会においては、組織改正議案を提出し、ご議決いただきましたし、新年度においては、新たな取り組みを推進するためにも職員を増員するところです。


(平成30 年度からの新たな組織について)
 今回の組織改正での大きな目玉は、「文化スポーツ観光部」の創設です。
 わたしたちのまち「横須賀」は、都心からわずか1時間の距離にあり、かつ豊かな自然環境を有しています。これに日本遺産をはじめとする我が国の近代化を築いてきた文化、さらにはスポーツ、そして音楽を融合させ、横須賀にしかないストーリー性に富んだ集客策を展開し、経済活性化を図るのです。これを実現するために、文化とスポーツを「観光」という軸で結びつけた新たな組織により、取り組みを進めてまいります。
 また、公共施設のファシリティマネジメントにおいても、技術職を配置した専任の課を新たに「FM推進課」として設置します。今後の人口減少社会に向けて、公共施設がどうあるべきか、しっかりと考える必要があるということについてはこれまでも申し上げてきたところですが、その検討にあたっては、単に施設面積の縮減
だけにとらわれてはいけないと思っています。将来の公共施設のあるべき姿としては、例えば、地域コミュニティの再生に寄与することや、まちのにぎわいを創出することなど、さまざまな役割を担うことが必要だと考えます。こうした考えに基づき、さまざまな組織で別々に行っていた公共施設のファシリティマネジメントを、一元化した組織により幅広く検討を進めてまいります。


(横須賀再興プランに掲げた特徴的な事業)
 しかし、いくら機動的な組織を創っても、進むべき方向性が定まっていなくては、組織の能力が十分に発揮できません。そのため、今後、横須賀市が進むべき方向性を定めた「横須賀再興プラン」を策定しました。なお、このプランは本市の基本構想および基本計画に基づく第3次実施計画の性格も併せ持つものです。
 横須賀再興プランの詳細は、後ほど、お話しいたしますので、ここでは特徴的な事業を4つご紹介したいと思います。
 まず、1点目は、公設の放課後児童クラブの設置です。現在、放課後児童クラブが設置されていない小学校区に、ニーズ調査を踏まえ新たに公設のクラブを設置することとし、平成30 年度では小学校1校の教室を放課後児童クラブ用に改修します。
 2点目は、幼稚園・保育園費用の段階的無償化です。これまで国が行ってきた無償化への取り組みに加え、平成30 年度は横須賀市独自に無償化を拡充し、年収約360 万円未満相当世帯について無償化を実施します。
 3点目は、「(仮称)中央こども園」の整備です。これまで、整備事業が中断していましたが、早期の開園を目指して整備事業を再開するとともに、病児・病後児保育施設も併せて整備していく予定です。
 4点目は、軍港資料館の整備です。ルートミュージアム型軍港資料館の中核拠点として、これまで、14 年間放置されてきたティボディエ邸の部材を活用してヴェルニー公園内に整備します。平成30年度は、ルートミュージアム構築のための調査や、建設にかかる測量・地盤調査、建築や展示の設計などを始め、開館に向けた準備を
進めます。
 これらは一例ですが、私としては意欲的なプランが策定できたと考えています。
 一方、横須賀復活に向け、こうした新たな取り組みを行っていくためには、その裏付けとなる財源が必要です。就任以来申し上げているとおり、必要な財源については、国等から新たに獲得できるようさまざまな調整を行ってまいりました。
 まずは懸案でありました中学校完全給食の給食センター建設事業費と「(仮称)中央こども園」の整備事業費については、防衛省の補助金の獲得を目指し、平成30 年度はその前段の構想・計画等の策定を行います。
 軍港資料館等の整備についても、新たな国庫補助を見込むことができるようになりました。今後も国等との交渉を重ね、より多くの財源を獲得できるように努めてまいります。
 また、事業の見直しによっても財源を捻出します。特別会計国民健康保険費への法定外繰り出しの全廃など、今後4年間で約28 億円の見直しを行い、この財源を新たな市民サービスに活用してまいります。
 これ以外には、市債を有効活用するとともに、財政調整基金も後年度の財政運営に支障のない範囲で活用してまいります。
 今後も将来の予測を踏まえつつ、できる限りスピード感を持った財政運営を行ってまいります。


(基地について)
 次に基地についてです。
 本市に所在する米海軍横須賀基地には、米空母打撃群が前方展開され、日米同盟の象徴的な存在となっています。
 また、陸海空全ての自衛隊、防衛大学校も所在するここ横須賀は、日本、ひいては、アジア太平洋地域全体の安全保障を支えていると、私は認識しています。本市に所在する自衛隊や米海軍基地が、安全にそして安定的に運用されることが重要であると考えています。
 昨年11 月には市内に所在する陸海空全ての自衛隊の皆様と、「大規模災害時等に従事する隊員の家族支援に関する協定」を締結しました。この協定は、現地に派遣された隊員の皆様が、後顧の憂いなく活動に専念できることを目的とするものですが、「誰も一人にさせないまち」への一歩でもあります。
 また、在日米海軍司令官との情報交換会に、海上自衛隊横須賀地方総監にも参加していただき、三者での情報共有によるより良い関係の構築に尽力してまいりました。
 今後も自衛隊、そして米海軍関係者の方々と率直な意見交換を重ねながら、更なる関係構築に取り組んでまいります。
 一方で、米海軍基地や自衛隊施設が中心市街地や港湾の要所を占め、まちづくりに少なからず影響があることも事実です。
 市民生活の安全・安心の確保については当然として、国に対しては、財政措置や地域振興策も含め、言うべきことは言い、求めるべきものはしっかりと求めてまいります。


(平成30 年度予算編成)
 平成30 年度(2018 年度)は、第3次実施計画となる「横須賀再興プラン」のスタートの年であり、これと併せて新たな「財政基本計画」や「行政改革プラン」もスタートします。このため、平成30年度(2018 年度)予算はこれらの計画に沿った形で計上しています。
 平成30 年度の一般会計、特別会計、企業会計を合わせた予算総額は3,173 億円、うち一般会計予算の総額は、1,554 億円となりました。
 一般会計の財源不足を補てんする財政調整基金からの取り崩しは42 億円となり、平成29 年度と比較して20 億円の減少となりました。これは特別会計国民健康保険費にこれまで多額の法定外繰出しを行ってまいりましたが、近年の会計運営が好転したことで増大した繰越金の一部を一般会計に繰り戻すことが主な要因です。
 この繰り戻しと臨時的な土地売却収入を除いた実質的な取り崩し額は69 億円となり、平成29 年度とほぼ同じ額となっています。


(横須賀再興プラン)
 では改めて「横須賀再興プラン」について、述べていきたいと思います。
プランでは「海洋都市」、「音楽・スポーツ・エンターテイメント都市」、「個性ある地域コミュニティのある都市」を目指すまちづくりの3つの方向性(復活3構想)とし、「誰も一人にさせないまち」の実現に向けて、「経済・産業の再興」、「地域で支えあう福祉のまちの再興」、「子育て・教育環境の再興(整備・充実)」、「歴史
や文化を生かしたにぎわいの再興」の4つの柱により取り組みを進めてまいります。

・経済・産業の再興
 ここからは、再興プランに位置付けた4つの柱ごとに平成30 年度予算で実施する主な事業について、説明します。1つ目の柱は経済・産業の再興です。

 まず最初に申し上げたいのは、地元の中小企業の復活なくしては、横須賀経済の復活はありえないということです。1月に公表された「横須賀市景況リポート」においては、業種を問わず、人手不足の声が継続して寄せられています。人手不足を解消することは、市内中小企業を復活させ、持続的に発展させるために必要なことで
す。そこで従来の学生向けだけでなく、社会人求職者を対象とした市内企業就職説明会を開催し、市内外から人材の獲得を図ります。また、今後必要性が高まってくる外国人労働力を活用していくための仕組みも検討していきます。
 事業承継に対する支援については、近年、後継者がいないことにより、企業の体質は良いのに廃業せざるを得ない事業所の増加が全国的に問題視されています。昨年度に引き続き、横須賀商工会議所や金融機関と連携した早期取り組みの啓発活動を行っていくと同時に、新たな後押しとして、事業承継やM&Aにかかる資産査定、税理士等へのコンサルティング料、M&A仲介委託料などの費用の一部を助成する制度を創設します。
 市内中小企業の抱えるさまざまな経営に関する相談を、幅広い窓口で受け、より良いアドバイスができるように、地元金融機関や横須賀商工会議所と連携したアドバイザーのネットワークを構築します。
 また、ネットワークで対応した成功事例などを紹介する事例集を発行し、経営者の方々に、気軽に相談できることをPRしていきます。
 一方で、商業の活性化対策や中心市街地の活性化も、本市経済の復活にとって重要な取り組みです。
 商業の活性化対策としては、引き続き、商店街活動の強化を進めるほか、地域の特性や消費者ニーズに対応した主体的に行う事業に対して、積極的に支援してまいります。
 また、文化・スポーツ・観光による集客を消費につなげる取り組みを行ってまいります。
 中心市街地の活性化は、これまでの中央エリアに加えて、再開発や企業進出など活性化の新たな芽が生まれている追浜地域、久里浜地域において、この契機を商業振興につなげるため、再開発や建て替え等を後押しし、にぎわいの創出を図ります。

 次に、企業誘致や工業振興については、引き続き企業誘致活動を進めるとともに、市内の工場の設備投資や技術開発を積極的に支援してまいります。また、市内の主要な工業製品である電気自動車(EV)についても、普及促進に努めてまいります。
 市内にはJAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)を始めとする世界に誇る技術を有する研究機関が立地していますので、こうした機関とも連携し、海洋関連産業の集積・創出に向けて取り組んでいきます。
 港湾に関する取り組みとしては、まず、横須賀港港湾計画について、背後圏の企業動向の把握や港湾としての役割・機能配置の基礎調査を行うなど、平成33 年度(2021 年度)末の改訂に向けた検討を進めてまいります。
 ポートセールスについては、その対象を久里浜港だけではなく横須賀港全体に広げます。また、企業誘致と一体的に行うことが効果的であると考え、その業務を経済部に移管し、新たに実施する貨物需要調査の結果も踏まえながら、横須賀港を中心とした地域の活性化に向けて取り組んでまいります。

・地域で支えあう福祉のまちの再興
 2つ目の柱は地域で支えあう福祉のまちの再興です。
 ここでは、福祉・健康に関する施策や地域コミュニティの再興に関する施策などを位置づけています。なお、事務事業等の総点検において、福祉分野の見直しばかりがクローズアップされていますが、単なる削減だけではなく、必要な取り組みをきちんと実施していくことは、当然のことです。
 福祉に関する施策としては、まず、地域福祉計画の策定です。高齢者、児童、障害者などの分野ごとの「縦割り」ではなく、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、市民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域とともに創っていく「地域共生社会」の実現を目指し、福祉分野の各個別計画の共通事項を定める地域福祉計画を策定します。
 具体的な取り組みとして、まず、障害者雇用の面では、就労支援・職場定着支援の充実を図るとともに、一定の要件を満たす重度肢体不自由者が、自らの費用負担により職場でヘルパー介助を受ける場合に費用の助成を行います。また、特例子会社の誘致を目指し、設立に要する費用の助成を引き続き行うことで、障害者の雇用の場を確保してまいります。
 障害者の地域生活の面では、いわゆる「親亡き後」でも地域で安心して暮らせるよう、グループホームの設置を拡充してまいります。
 高齢者に関する取り組みとしては、健康づくりや介護予防について、住み慣れたまちでいつまでも元気で支え合い、生きがいを持ちながら暮らせることを目指して、コミュニティセンターと連携した生涯現役講座や、認知症予防講座、うつ予防教室、入門的な介護予防教室などを開催します。また、介護予防サポーターのほか、心身の機能低下予防のためのサポーターを養成することにより、地域住民が町内会館等の身近な場所で、自ら介護予防に取り組む活動を活発にし、地域における支え合い活動を支援していきます。
 住民による支え合い活動の支援については、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも暮らしていけるよう、住民同士で支え合う地域づくりの整備を積極的に進めていきます。
 今後も75 歳以上人口の増加が予測され、認知症高齢者も増えていくと考えられます。そこで、早期相談、早期対応が図れるように認知症初期集中支援チームを、現在の1チームから平成30 年度に
は3チームに増やします。さらに、認知症になっても住み慣れた地域での生活を継続できるよう、地域における支援体制づくりを推進していきます。
 また、認知症への理解不足や、介護の人材不足による高齢者虐待は今後も増加すると思われます。このため、高齢者虐待防止に関する啓発を行うとともに、関係機関と連携しながら、虐待を早期に発見し、高齢者および介護者への支援を今後も行っていきます。
 介護人材の定着促進については、重労働といわれる介護職員の負担を軽減することが求められます。それには、介護ロボットの活用が有効であるため、その導入に向けた取り組みをすすめ、定着促進を図ってまいります。
 エンディングプラン・サポート事業については、新たにひとり暮らし高齢者全てを対象にした「ひとり暮らし高齢市民連絡先等登録伝達事業」を始めます。
 私たちが健康で暮らせるためには、健康管理意識の向上や行動変容を促すための取り組みも忘れてはなりません。
 誰もがいつまでも健康で生きがいを持ちながら活躍できる社会の実現を目指し、ラジオ体操やウオーキングの普及を引き続き進めてまいります。
 県内でも高齢化率が高い三浦半島地域において、神奈川県や三浦半島4市1町の連携強化、更には横須賀商工会議所とも連携し、健康づくりを推進してまいります。
 また、口腔の健康は全身の健康に繋がるとの考えの下、乳幼児期から高齢期までのライフステージに応じた口腔ケアを推進します。医療と介護の連携推進については、人生の最期まで住み慣れた地
域で暮らせるよう、安心して在宅療養を選択できる体制づくりに向け、医療関係者と介護関係者の連携強化や人材育成を推進するとともに、在宅療養についての啓発事業を行います。
 精神障害者への対応については、医療の確保や日常生活上の支援を行い、社会復帰およびその後の自立と社会経済活動への参加を促進します。
 自殺対策としては、対策計画を策定するなどの取り組みを行い、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指してまいります。

 地域全体で暮らしを支えられるように、小学校などを地域の拠点とした世代間共生によるまちづくりや、谷戸地域を生かした横須賀らしい楽しいコミュニティなど、新しいコミュニティのあり方を検討していきます。
 まず、世代間共生によるまちづくりについてです。子どもから高齢者まで、さまざまな世代の交流を促進し、地域の結びつきの強化を図るには、地域のコミュニティ拠点を学校施設に整備することが有効と考えています。平成30 年度は、試行を行うための場所選びや活動内容の調整を行います。
 谷戸に関する取り組みについては、谷戸地域を拠点に創作活動を行う芸術家などを誘致し、空き家等を活用して地域との交流機会を創出する取り組みなどを行います。横須賀らしい地形である谷戸を活用した新しいコミュニティのあり方を検討するモデル事業を試行することで、個性ある地域コミュニティの再生を目指します。
 空き家解体助成については、これまで老朽危険家屋に限定して実施していましたが、対象範囲を拡大した助成メニューを新設します。旧耐震基準の空き家の解体を促すことで、空き家数の減少、跡地の利活用促進、良好な住宅環境の維持と住宅ストックの適正化を図ります。
 谷戸の高台など交通の不便な地域においては、コミュニティバスを導入するため、地域の方と共に実情に合ったコミュニティバスのあり方を検討します。

・子育て・教育環境の再興(整備・充実)
 3つ目の柱は子育て・教育環境の再興(整備・充実)です。
 市民の出産・子育ての希望をかなえ、出生数を増やしていくためには、安心して子どもを産み、育てやすい環境が必要です。併せて教育力の向上に向けて総合的な取り組みを進め、子育ておよび教育環境をより良く整備・充実させてまいります。
 妊娠・出産期における取り組みとしては、これまで同様にこんにちは赤ちゃん事業やハッピーマイプラン事業、特定不妊治療助成事業などにより切れ目のない包括的な支援を行うことで、出産・育児不安等を解消し、安心して子どもを産み育てやすい体制を整えます。
 病児・病後児保育については、「(仮称)中央こども園」での整備のほか、さらに施設を増やすための具体的な検討を進めるとともに、訪問型事業に関する調査・研究を行います。
 また、製造業や情報通信業などの企業が設置する企業内保育所について、その設置費用の一部を助成する制度を新たに創設します。
 地域の子育て支援としては、子育て世代の交流の場であった「親子サロン」4か所のうち3か所を、子育てアドバイザーが常駐する地域子育て支援拠点の「愛らんど」として拡充します。
 放課後全児童対策については、試行事業として実施している荻野小学校の放課後子ども教室を継続するとともに、現行のわいわいスクールを順次、新たな全児童対策事業として充実させていきます。
 教育に関する取り組みとしては、まず、児童生徒の体力や運動能力、運動習慣などに関する実態を把握し、体育・健康に関する指導が学校の教育活動全体を通じて適切に行われるよう推進し、児童生徒が生涯にわたって健康的な生活を送ることができるように進めます。

 また、さまざまな課題を抱え、支援や配慮を必要とする児童生徒は、年々増加する傾向にあります。それぞれの教育的ニーズに応じた必要な支援や適切な指導が受けられるように、学習活動の支援、安全面の確保など学校生活のサポートとして介助員の配置を行うとともに、障害のある児童・生徒が、障害のない児童・生徒と共に学ぶ仕組みであるインクルーシブ教育システムの構築を推進し、支援教育の充実を図ります。
 生活困窮世帯の子どもに対する学習支援につきましては、支援を通して困窮世帯の子どもたちを全日制高等学校合格につなげ、将来的な自立に向けた援助を行い、貧困からの離脱、貧困の連鎖防止を図ってまいります。
 いじめ、不登校は、依然として大きな社会問題として取り上げられています。引き続き、スクールカウンセラーの配置や、スクールソーシャルワーカーの派遣による対応などとともに、教育相談体制を充実させ、未然防止や早期対応によるきめ細かい支援を推進します。

・歴史や文化を生かしたにぎわいの再興
 4つ目の柱は歴史や文化を生かしたにぎわいの再興です。
 観光立市推進条例に基づき、観光を本市の基幹産業として成長させていきます。多くの人口を抱える都心に近い地理的な優位性を生かし、本市の歴史・文化遺産を活用しながら、横須賀らしいエンターテイメント、スポーツによるまちづくりを進めていきます。
 まず、歴史・文化の面では浦賀を抜きに語ることはできません。平成32 年(2020 年)に開設から300 周年を迎える浦賀奉行所は、歴史の中で重要な役割を果たしてきました。浦賀奉行所の功績や、浦賀に残る貴重な歴史遺産について広く周知し、記念事業へ向けた機運を高めていきます。また、イベントでのPRブースの設置、奉行所ゆかりの地である下田や函館などとの連携、さらには奉行所跡地の活用についても検討していきます。
 スポーツの面では、横浜F・マリノスの練習場を誘致する方向性が決定しました。マリノス練習場の誘致は、久里浜地区の交流拠点として集客に繋がり、地域経済の活性化が期待できます。さらにはトップアスリートと触れ合う機会を充実させることができ、子どもたちに夢や希望が与えられます。北にベイスターズ、南にマリノスの拠点ができれば、スポーツを軸とした新しい街の姿が見え、横須賀の復活に繋がります。
 また、昨年に引き続き5月にウインドサーフィンワールドカップを津久井浜で開催します。これを皮切りに、マリンスポーツ人口や集客の増、定住促進ならびに地域の活性化などに取り組んでまいります。
 現在、進めているナショナルトレーニングセンター(NTC)拡充施設の誘致活動を進めるとともに、BMX・スケートボードなどを対象としたアクティブスポーツ施設の誘致について調査・研究を進めます。
 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた事前キャンプの誘致につきましては、今後も継続して取り組んでまいります。
 エンターテイメントの面では、まず、音楽の力でまちを活性化させることを目的として、横須賀芸術文化財団や音楽企業と連携して、「メジャーデビューオーディション」イベントを行います。ストリートライブの場の創設については、街中をステージとした演奏の場所を創出するため、横須賀中央地区で実証実験を行います。
 その他、アニメ、漫画、ゲームなどのサブカルチャーを活用して本市の新しい魅力を引き出し、来訪につながる幅広い横須賀ファンの醸成に努めます。


(基本計画重点プログラム推進のための事業)
 続きまして、基本計画重点プログラム推進のための事業をいくつかご説明いたします。
 まず、学校給食費の公会計化です。これまで給食費の徴収・管理事務は学校が行い、食材の発注・支払い事務を公益財団法人横須賀市学校給食会が行っていましたが、平成30 年度からはこれらを市で行うこととし、教職員の負担軽減や会計の透明化を図ります。
 国民健康保険などの医療費適正化に向けた取り組みについては、薬剤医療費の削減に繋がる医薬品回収バッグの作成・啓発に対する新たな補助や、ジェネリック医薬品の普及を図るための取り組みを進めます。
 ごみの減量化、資源化の推進につきましては、横須賀ごみ処理施設の稼働に向けて、新たな処理方式に対応したごみ減量啓発用DVDを作製します。また、食品ロスの現状把握と削減に向けた取り組みを行います。
 図書サービスの充実については、中央図書館における公衆無線LANの整備を行うとともに、4月から横浜市立図書館と連携した相互利用を開始することにより、市民の教養向上のニーズに応えてまいります。
 ファシリティマネジメントの推進については、組織のところでも申し上げました通り、新たに「FM推進課」を立ち上げて一元的な推進を図りますが、平成30 年度は「FM戦略プラン」の策定と併せて、施設情報を一元管理し計画的に長寿命化に取り組むための施設保全システムを導入します。


(平成29 年度補正予算案の概要)
 平成29 年度の補正予算につきましては、歳入面では、法人市民税、地方交付税などが当初見込みを上回ったため、増額計上いたします。なお、当初予算では発行を抑制していました臨時財政対策債については、発行抑制せず国が示す限度額まで借り入れを行います。
 歳出面では国の財源を獲得するため、横須賀ごみ処理施設建設事業費の一部を前倒し計上するとともに、学校営繕工事費等についても前倒し計上を行います。また、本市へ多額の寄附をいただきましたので、寄附者の意向に沿って基金への積み立てなどを行います。
 このような寄附をいただけることは、誰も一人にさせないまち、協調と連帯が図られたまちづくりを進める私にとって、大変ありがたいことです。今回、寄附をいただいた方には心から御礼を申し上げます。また、これからも多くの方に同様のお心をもっていただくためにも、誰も一人にさせないまちに向かって進んでいることが実感
いただけるよう、市政運営に取り組んでまいります。
 なお、そのほかの補正は、年度末における整理が主な内容です。特別会計および企業会計については、年度末における最終整理が主な内容となります。


(施政方針の結びに当たって)
 以上、市政に対する基本的な考え方を述べてまいりましたが、その結びにあたり、私の日ごろからの思いなどについて3点述べたいと思います。
 一つ目は、市長の本来の役割です。
 今回、横須賀再興プランを策定し、それに基づき平成30 年度予算案を提出いたしました。再興プランも予算案も、私が先頭に立ち、市役所全体が一丸となって精一杯取り組んだ内容であると考えています。
 しかしながら、時代は刻々と変化するものです。予算には限りがある中、そのときどきで最大の効果を生み出していくためには、各部局が進むベクトルの向きを時機に呼応する形で定めていく必要があり、いかに敏感に、時代、ニーズの変化を感じ取れるかが重要となってきます。
 そのような機微を感じるために、私は、積極的に各地に出向き、多くの方々とお会いし、思いを通わせ合うべきと思います。このようなことを積み重ねることこそ、本来の市長の役割と考えます。
 二つ目は、これまで述べてまいりました事業のほか、ワクワクする仕掛けづくりも心がけていきたいということです。
 昨年秋、ベイスターズのファン感謝デーが追浜の横須賀スタジアムで開催されました。当日は、追浜がベイスターズ一色に染まり、さながら、街全体がボールパークの様相で、行き交う方々も地域の方々も、皆、楽しげでした。
 また、先日の成人式は、ロック調にアレンジした横須賀市歌を、生演奏をバックに私が歌うという演出からスタートしました。手前味噌かもしれませんが、参加していた新成人たちには、楽しんでいただけたのではないかと思っています。
 これからも、このように、なんとなくワクワクするなぁと思っていただける、仕掛けづくりをしていきたいと考えています。
 三つ目は、私たち政治・行政に携わる者の使命です。
 ひとは、生まれ、育ち、齢を重ね、終焉を迎えるという人生をおよそ80 年かけてたどります。
 一方、世界の人口はおよそ76 億人、アジアにはその半数以上の人口があり、我が国は1億2千万人といわれています。このように大変に多くの人々が暮らす中、横須賀に住み、同じ時を過ごしていることは、奇跡に近いこと、まさしく僥倖であると思っています。
 市民のみなさんが、この僥倖を喜び、人生のどの場面にあっても、横須賀で暮らしてきて良かったと思っていただけるまちづくりを進めること、すなわち、誰も一人にさせないまちを実現することが、私たち政治・行政に携わる者の使命であると考えています。
 我が横須賀は、その復活、誰も一人にさせないまちの実現に向け、歩み始めたばかりです。どうか皆様、輝かしい将来を見据え、手を携えて、共に歩みを進めていただけますようお願い申し上げ、私の施政方針を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

お問い合わせ

市長室秘書課
横須賀市小川町11番地 本館1号館3階 <郵便物:「〒238-8550 秘書課」で届きます>
電話番号:046-822-8118
ファクス:046-824-2610

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