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更新日:2020年3月2日

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令和2年(2020年)2月17日施政方針

令和2年(2020年)2月17日(月曜日)令和2年 3月定例議会本会議

施政方針

(はじめに)

 本日、令和2年度(2020 年度)予算案および関連諸議案を提案いたしますが、まずは、市政運営への思い、横須賀への思いを述べさせていただきます。
 私は、今年一年を表す漢字として、「イ(にんべん)」に漢数字の「二(に)」と書く、「仁(じん)」という一文字を掲げました。漢字の成り立ちは諸説ありますが、座布団に座る人の姿や、人が二人で相親しむ様子とされています。このことから「仁」は、「親しさ、相手を思いやる気持ち」などの意味で使われ、論語などにも登場します。
 私にとって「仁」とは、自分と他人とを区別することなく一体として捉えること。これを感じ取り理解することで、他人の痛みを我が事のように感じ、助け合うことができると考えます。
 いつの世も人間はひとりでは生きていけません。それなのに、現代社会においては個人主義が台頭し、自分だけが良ければ、という風潮が、まん延しているように思えてなりません。
 振り返れば、昨年は台風が相次いで襲来し、甚大な被害をもたらしました。市内では、農家、工場などが被災したほか、公園や保育園などの施設が傷みました。お隣の千葉県において、かつてない大規模な被害が発生したことは記憶に新しいところです。
 こうした中、横須賀では各地域での助け合い、支え合いが広がりました。被災した千葉県には、多くのボランティアの方が支援に向かってくれたと聞いています。横須賀は本当に地域の絆が強い。助け合いの精神があり、そして人情が非常に厚い。横須賀がどこにでも誇れるもので、これほど強い意識をもった都市は他にないと確信しています。
 ここ横須賀に根付いた「仁」の精神、自他区別のない思いやりや慈しみの心、これを体現した市政運営を行い、誰も一人にさせないまちの実現に向けまい進してまいりたい、そう決心したところです。
 市議会議員の皆さまにおかれましても、ぜひ、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

(令和2年度予算の提出にあたって)

 私は常々、時代はものすごいスピードで変わっていると申し上げてきました。今まで当たり前だったことが当たり前ではなくなりつつあります。時代の大きな変革をさらに強く感じています。
 自然環境に目を向ければ、雪不足を越えて雪の全くないスキー場、多くの台風が上陸する、集中豪雨で川が氾濫する、新型ウィルスが猛威を振るうなど、これまでの想定を超える事象が起きています。地球規模で環境が変わっていることを痛感します。
 暮らしに目を向ければ、ICT技術の進展やAIによって、例えばドローンで荷物が運ばれる、自動運転によるバスが 街中を走るなど、生活が大きく変わりつつあります。まさに今までの価値観が覆され、新たな常識が生まれています。
 変わっていくということは、前例踏襲が染みついた行政が最も苦手とする分野であることは言うまでもありません。
 これまで積極的に職員の意識改革を訴え、市民の皆さまから職員がだいぶ明るくなってきたとのお声をいただきます。しかし、いまだに現在の市役所は、失敗を恐れるあまり、人任せの面が拭えません。 常に変化する世の中に対応するためには、この意識を根本的に職員自ら打破しなければ、横須賀そのものが存続できない時代になるとまで私は考えているのです。常にこの新たな時代の変化を感じ取り、適切に対応していけるよう、私の責任としてかじ取りをしていきたいと思います。
 時代の変革期の只中に今あるということを強く意識し、「変革」と「創造」を念頭に置いて、令和2年度予算を編成したところです。

(横須賀らしいコミュニティ)

 地勢的にも谷戸が多い横須賀には、長い間、地域の人々は助け合いながら暮らしてきたという、風土があります。
 市の施策を進めていく上で、町内会・自治会、民生委員など、地域の皆さまの協力は欠かせません。
 町内会・自治会は、住民への市政情報の伝達、登下校時の子どもの見守り、一人暮らしのお年寄りのサポート、クリーンよこすか活動など、さまざまな役割を担っていただいています。なかには、市役所には頼らないという気概を持たれ、自立的に活動されている団体もあります。地域の暮らしはまさにこうした方々によって支えられています。しかしこのような地域の在り方も、曲がり角にきています。担い手の高齢化や会員の減少が原因で、人員的にも、経済的にも厳しく、活動がままならない、そんな地域があるのも事実です。行政としては、地域のために頑張っている方が、安心して活動できるよう、できる限りの支援をしてまいりたいと考えています。
 そのためまず、次年度は町内会・自治会活動への助成を拡充するとともに、より柔軟に活用いただけるよう制度を見直しいたします。同様に、住民の相談に応じるなど、地域のために常にご尽力いただいている民生委員の方に対する活動費についても拡充いたします。
 特色ある地域づくりも進めてまいります。
 田浦地域では、市営温泉谷戸住宅跡地をリノベーションし、「アーティスト村」の創出に取り組んでいます。
 現地を創作拠点として、陶芸教室などの地域交流がさかんに行われました。新たに現代美術家の方をお迎えする予定であり、令和2 年度も、さらに芸術家の方をお迎えできるよう、施設の整備を進め、地域との交流も深めていきます。自然に囲まれた温かみのある谷戸地域の魅力を感じていただきたいと思います。
 小学校を拠点としたスクールコミュニティの活動も進んでいます。
 汐入小学校では、放課後に昔遊びなどの活動を通して、子どもから高齢者まで、さまざまな世代の交流が始まっています。交流によって顔の見える関係が構築されれば、子どもの見守りなど安全にもつながりますし、高齢者にとっては活力にもなります。
 次年度は新たに、小学校2校で活動を開始できるよう検討を進めます。それぞれの地域特性を生かした取り組みによって、地域の結びつきがより強くなることを期待しています。
 令和2年度は、現在の市長室危機管理課などの防災関連のセクションを市民部に移管します。行政センターは地域住民に一番近い存在であり、コミュニティ活動において、行政センターとの連携は欠かせません。昨年の台風接近の際には、コミュニティセンターを避難所として活用いたしました。
 平常時から地域との情報連携を深めておき、災害発生時には速やかに、一体となって支援や復旧にあたる、そのような仕組みをぜひ構築したいと思います。

(福祉施策の充実)

 横須賀では、今後も高齢化が進み、75歳以上の高齢者は、当面増え続けることが予測されます。また、社会の変化が激しく、新たな格差が生じる中、人々が抱える悩みや困りごとが複雑化、多様化していると感じています。社会的孤立、育児と介護のダブルケア、8050(はちまるごうまる)問題など、従来の社会保障制度では十分に対応できない事案も増えています。今後もこのような傾向は続き、さらに困難な問題が発生するかもしれません。
 こうした将来を見据えた中で、市役所の取り組みを強化するとともに、地域、医療機関、福祉団体などの関係者にご協力いただきながら、福祉施策をさらに充実させてまいります。
 令和2年度予算における一般会計の社会保障関連経費は、536 億円。前年度比8.8 億円増の予算を編成いたしました。
 主な施策を申し上げれば、まずは、市民の皆さまの困りごとにしっかりと対応できる体制づくりを進めます。複雑化、多様化している課題に対し、解決策が簡単には見つからないものも多くあります。だからこそ困っている方々と同じ目線で、共に悩むというところから始めていきたいと思います。
 令和2年度は新たに、福祉総合相談窓口を消防局庁舎1 階の旧あんしんかんに開設します。さまざまな困りごとを抱える方の相談を、窓口担当が一括して受け付け、関係課と協力しながら解決に努めます。旧あんしんかんはバリアフリー構造ですから、車いすの方やお年寄りの方にも気軽にご利用いただきたいと思っています。
 これに加え、成年後見制度の相談ができる「よこすか成年後見センター」を新たに設置するとともに、「終活支援センター」も設置し、まさに総合的な相談窓口を整備いたします。
 昨年、地域住民の抱える困りごとに対応する窓口として、田浦行政センターに地域生活相談担当を設置しました。田浦地域においては、相談件数も増えているところです。令和2年度は、新たなモデル地区として、浦賀行政センターに設置します。さまざまな相談に対して一緒になって課題解決に取り組み、地域における支え合いの基盤づくりを支援してまいります。
 障害のある方とその家族が身近な地域で相談を行えるよう、この1月に西地区に障害者相談サポートセンターを設置しました。令和2年度は、相談支援事業所などに対する助言、研修の実施などを担う、基幹相談支援センターを総合福祉会館に新設します。これにより、さらなる相談支援体制の充実を図ります。
 ひきこもりに対する支援も充実させてまいります。先にふれた8050(はちまるごうまる)問題などの困難な事案となる前に、臨床心理士等の支援員を配置し、本人宅への訪問を行い、信頼関係を構築することにより、社会参加ができるよう支援します。
 お年寄りを狙った「オレオレ詐欺」をはじめとする特殊詐欺の被害が後を絶ちません。神奈川県内では、平成30年に過去最悪の被害額となり約60億円を記録しました。市内でも令和元年は、平成30年を上回る被害が発生しています。対策としては、犯人からの電話に出ないことが有効と言われますが、電話が鳴ればつい出てしまうのが実態でしょう。こうした状況から、犯人との接触を未然に回避するため、特殊詐欺防止機能付電話機の購入に対して、神奈川県と協調して助成します。
 皆さん、高齢者スポーツの祭典「ねんりんピック」をご存知でしょうか。高齢者の健康維持、社会参加などの意識の高揚を図ることを目的に毎年開催されています。この大会が、令和3年(2021 年)に神奈川県で開催されます。
 県内各市でさまざまな競技が行われ、横須賀市では卓球交流大会と総合閉会式が開催されます。令和2年度は、リハーサル大会を開催するなど、準備を行います。ねんりんピックを皆さまとともに、オリンピックに負けないくらいに盛り上げてまいりたいと思います。
 昨年、障害者の雇用推進と就労支援のため、市役所内に障害者ワークステーションを設置しました。職員の仕事ぶりは大変好評で、市役所内のニーズも高いことから、次年度は、職員を3名から6名に増やします。就労を希望する人が市役所で経験を積み、一般就労につながるような仕組みを構築していきたいと思います。

(子育ての充実)

 子育てに対する支援の輪は広がっている、私はそう感じています。親だけではなく地域全体で子どもを育て、成長を見守ることによって、関わった人が皆、幸せを感じてくれる。先に述べましたスクールコミュニティの取り組みもそのような環境づくりのひとつです。
 それでもなお、経済的な理由などで不安を抱えている家庭があります。行政として、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を充実させていくことが必要です。
 妊娠や不妊等の悩みを持つ方に対しては、不妊・不育専門相談センターでの相談会に加えて、LINE相談をモデル的にスタートさせます。また、引き続き特定不妊治療や不育症治療などへの助成を行います。
 出産後の母子に対しては、従来の施設型の産後ケアに加え、令和2年度から訪問型の産後ケアを開始します。これまで施設に出向くことが難しかった家庭にもご利用いただくことで、出産直後のお母さんの心身のケアや育児サポートを広げてまいります。
 人手不足や子育て家庭の経済的理由などから、少子化の時代にあっても保育ニーズが増え続けていくことが予想されます。こうした状況も踏まえて、待機児童ゼロに向けた取り組みを充実させていく必要があります。令和2年度は、民間保育園や幼稚園の施設整備、幼稚園での2歳児の預かりなどを進めてまいります。
 教育・保育の現場は、多様化するニーズに対応するため、ますます多忙となってきています。
 保育士が安心して働き続けることができるよう、国の制度に上乗せした処遇改善を実施するとともに、より働きやすい環境づくりを進めるため、保育補助者の雇用に対する助成や職場のICT化を支援します。
 横須賀では、子育て支援の拠点として「愛らんど」を市内6カ所に設置し、多くの方に利用されています。次年度は、これまで専門のアドバイザーを配置していなかった「愛らんど田浦」にも新たにアドバイザーを配置し、相談体制を充実させます。
 ひとり親家庭の経済的自立も喫緊の課題です。ひとり親家庭、特に母子のひとり親家庭の多くは貧困に喘いでいると言われています。そのため、養育費の確保を支援する取り組みを新たに実施します。まず、離婚等によって養育費を受けとることになった場合に、公正証書等の作成にかかる費用を助成します。
 証書を作成することで、養育費確保の実効性が高まります。また、養育費の受け取りに関して保証会社と契約する経費を助成します。安定的な養育費確保によって、経済的な自立につながるよう支援してまいります。

(子どもたちの学び)

 私の子ども時代を振り返ると、勉強よりも運動、家の中より自然の中、そんな生活でした。当時の体験、親以外の大人との関わりなどは、私にとって貴重な経験となりました。昔も今もまちのあらゆるところが学びの場であり、子どもに関わるすべての人々が、先生になると考えています。しかし、その基本となるものは、学校での教育です。
 横須賀の子どもには、さまざまな体験をし、色々なことにチャレンジしてもらいたいと思います。そんな機会を少しでも多く提供し、また誰もができるよう支援をしていきたいと思います。
 国に先駆けて行っている教育・保育無償化の実施にあたり、以前からお伝えしているとおり、家庭の経済状況の如何によって教育を受ける機会に差が生じてしまうようなことは、我が横須賀においては、あってほしくないと考えています。
 そのため、生活困窮世帯の中学校3年生を対象とした学習支援について、実施会場を拡充し、引き続き、貧困からの離脱、貧困の連鎖の防止を図ります。
 高校生の教育の機会均等を図るため、現行の奨学金制度を抜本的に見直し、教材等の購入や入学準備のための経費を助成する制度を新たに創設します。
 いじめ・不登校に関しては、未然防止、早期発見、早期対応を行うため、スクールソーシャルワーカーの体制を強化して、よりきめ細かな支援を行います。
 学力向上や学習環境の充実について、必修となる外国語教育やプログラミング教育への対応、こども読書活動など、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 子どもがスポーツを楽しめる環境づくりも進めてまいります。
 スポーツに接する機会を広げるため、最新の測定機器を使い、その子に合ったスポーツを見つける「スポーツ能力測定会」を開催します。また、スポーツ整形の医師や横須賀市で活動するプロスポーツチームなどの協力を得て、少年期におけるスポーツ障害予防対策を実施します。野球とサッカーの2競技を対象に、検診や予防トレーニングの講習などを行います。
 スポーツ リズムトレーニングを小学校の体育の授業で行い、子どもたちのリズム感を養うことで、運動時の怪我の防止や運動能力の向上につなげます。昨年、大変好評でしたので、実施校を増やします。
 海についても、学びの場を広げていきます。
 「横須賀の海は素晴らしい」と、私が人にお会いするとよく言われます。海産物を始めとした資源、東京湾、相模湾それぞれが特性を持つ景観、日本の近代化の先駆けとなった歴史、重要港湾や世界最先端の研究機関が立地するなど、私たちの目の前に広がる海は、多くの魅力を持っています。しかし、それが地元の方々には、あまり伝わっていないのではないかと、常々、感じています。海のもつ魅力や可能性を多くの人に伝えたい、特に子どもたちには、ぜひ知ってもらいたいと考えています。 
 新たに海洋人材の育成に向け、興味のある子どもたちを対象としたクラブを設立するなど、海洋教育に取り組んでまいります。
 今後も子どもの学びを支援していきたいと思います。

(観光立市推進に向けて)

 目まぐるしく変化し、かつ混沌とする世界経済に対応するためには、市内産業構造の多様化を図っていくことが重要です。少子高齢化と人口減少が続く日本で、今後、定住人口の増加を図っていくことは、現実的には極めて困難と言わざるを得ません。特に半島に位置する横須賀市は、常に情報を発信し、注目を集めていかなければ、ヒトの流れも、モノの流れも、カネの流れも、先細りになってしまいます。
 このような状況において、横須賀市が進むべき道は、観光業を成長させ、新たな主要産業に押し上げていくことであると考えています。
 横須賀は、ペリー来航の地や軍港都市として知名度も高く、近代歴史の源として史跡なども所在し、その多くが日本遺産に認定されています。
 こうした資源に加えて、これまで、ポケモンGO、ワンピース、センスアイランドなど、民間企業とコラボレーションした新たな仕掛けを行いました。企業の持つノウハウ、人材、資金を活用することで、行政だけで実施するよりも、コストを軽減することはもちろん、大きな規模で広く情報を発信し、市内外の注目を集めてまいりました。
 こうした取り組みが期待感となって、横須賀の新しい動きに関心をもった市内外の企業が横須賀に投資・進出してくれました。よこすかポートマーケットのリニューアル、旧三笠駐車場用地へのホテル進出、北九州とのフェリー航路、旧ショッパーズプラザの大規模改修、その他、企業との協定の締結など、多くの企業が横須賀に注目をし始めてくれていることを実感しています。もっと横須賀に興味を持ってもらい、投資をしてもらえるよう、さらにさまざまな仕掛けを行っていきたいと思います。
 改めて、横須賀の観光事業の現状をみてみると、観光客数、宿泊客数、ツアー数は、ここ数年は増加傾向にあります。
 しかし、課題もあります。横須賀を訪れる観光客の男女比は圧倒的に男性の割合が高い状況にあること、また日帰り客の割合が高い、単価の高いお土産や飲食が少ないなどがあげられます。
 今後は、新たな客層へのアプローチ手法、コンテンツの開発に取り組む必要があると考えています。
 そのコンテンツが音楽、スポーツ、エンターテイメントです。これらによって、横須賀の新たな魅力を発信し、歴史だけではない、新たな観光客層の獲得を目指します。
 なぜ、音楽、スポーツ、エンターテイメントなのか。これらは、男性、女性、ファミリー、外国人など、心に響き、誰にも届く、親しみを感じられるコンテンツです。
 また、それぞれに横須賀との深い関連があります。音楽であれば、ジャズ、マーチング、ロック発祥の地として。スポーツでは、横浜DeNAベイスターズ、横浜F・マリノス、ウインドサーフィンやBMX、エンターテイメントは、アニメ、ゲームなどこれまでのコラボレーションの実績など、つながりやストーリーがあります。
 そして、これらのコンテンツに横須賀の強みである近代歴史・日本遺産、海・自然を融合させて、相乗効果によって発信力を高め、差別化を図る。さらに、「楽しそう」、「面白そう」、「ワクワクする」イメージを発信することでこれまで横須賀に興味を持っていなかった新たな観光客を増加させ、再来訪の好循環をつくる。こうした取り組みを粘り強く続けて、観光産業の成長、基幹産業化を実現したい、そのように考えています。
 今年はオリンピックイヤーです。先のラクビーワールドカップは、日本代表の大活躍により大変盛り上がりましたが、それ以上の熱狂と興奮が待ち受けているはずです。横須賀ゆかりの選手たちをはじめ、我が国の代表選手たちが活躍する姿が見られると大変楽しみにしています。
 うみかぜ公園では、BMX フリースタイルジャパンカップが開催されます。日本人のメダル候補選手も出場する予定ですので、多くの市民にオリンピックさながらの迫力をお届けしたいと思います。
 6月には、よこすか海岸通りで聖火リレーが行われます。
 またイスラエル柔道チームが、ここ横須賀で事前合宿を行うこととなっていますので、活躍に期待をしているところです。
 夏に向けて雰囲気を盛り上げていきたいと思います。
 横須賀市では多くの市民の皆さまにオリンピックの感動を直接体験していただくために、組織委員会から県内で行わる競技のチケットをできる限り調達して、市民向け抽選販売を行います。また、子どもたちにも、トップレベルのアスリートが活躍する各競技を、ぜひ生で観戦してもらいたい、そう思い、東京2020( にーぜろにーぜろ) オリンピック・パラリンピックを観戦できる機会をつくります。
 オリンピック・パラリンピックが閉幕すると、その熱狂冷めやらぬうちに、浦賀奉行所開設300 周年イベントを迎えます。ペリー来航より百年以上も前に、浦賀の地が我が国にとって要所になるとして奉行所が開設されました。その後、明治、大正、昭和、平成、令和と時代は移ってきましたが、いつの時代にあっても、横須賀は我が国の繁栄、発展の要所としての役割を果たし続けてきました。
 今回の300 周年を機に、横須賀の歴史、名所、グルメなどをさらに広くアピールし、多くの耳目を集めたいと思っているところです。
 見どころはたくさんあります。浦賀ゆかりの日本丸が里帰りします。新しく整備した浦賀遊歩道から眺める日本丸。近代歴史遺産に映るプロジェクションマッピングなど、想像するだけでもワクワクしてきます。
 ぜひ浦賀の歴史や文化を感じていただきたいと思います。
 これまで神奈川県と誘致を進めてきました「全国みどりの愛護のつどい」が令和3年(2021 年)に中央公園で開催することが決定しました。全国から集まっていただく、関係者の皆さまに、横須賀の魅力を感じていただき、心に残る素晴らしい大会となるよう、準備を進めてまいりたいと思います。

(経済振興)

 横須賀に立地する企業の大多数を占めるのは、中小企業です。
 中小企業の活性化なくして、横須賀市経済の復活はありえない、繰り返し申し上げてきているところです。
 企業活動もすべての源は人です。どれだけICTを使い、業務の省力化、効率化を図ったとしても、重要な意思決定、機械の操作には人の関わりが必要となり、企業活動の根本は人であるということは言うまでもありません。しかし、全国的にどの業種も人手不足に悩み、新卒の就職活動は売り手市場の状態が続いています。
 市内においても、人手不足を感じる企業が多く、持続的な経済発展のために、人材の確保は喫緊の課題となっています。
 国においても外国人労働者の受け入れに力を入れているところですが、昨年、私もネパールに渡り、ネパール人労働者の受け入れについて、バラトプル市と相互協力に関する覚書を締結してきました。
 令和2年度は、より具体的な方法などについて、さらに協議を進めるとともに、受け入れ企業には助成制度を創設します。あわせて横須賀市に来ていただくネパールの方々には、安心してここ横須賀で生活が送れるよう相談体制を整えてまいります。
 また市内企業の持つ貴重な技術・ノウハウなどの経営資源を次世代につなぐため事業承継の支援についても、引き続き取り組んでまいります。
 横須賀をフィールドとした新たな技術開発も進められています。ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジの実証の1 つとして、京急電鉄、NTT ドコモと連携し、逸見地区を中心にオンデマンド型の「AI 運行バス」の実証実験が、今まさに行われているところです。
 本実証実験を今後、検証し、谷戸が多く、人口減少や高齢化といった課題を抱える横須賀の特徴を逆手にとり、全国に先駆けた持続可能な新たなビジネスモデルの検討を進めてまいります。
 また、最先端の情報通信研究が行われているYRPの強みを生かし、姉妹都市のブレスト市が位置するブルターニュ地域で展開されているサイバー・クラスターの調査、研究を進めてまいります。

(都市基盤の整備)

 長年の悲願であった国道357号の延伸を契機として、北の玄関口、追浜のまちづくりは大きく動いています。昨年は、横浜DeNAベイスターズの総合練習場がオープンし、より市民に身近なプロ野球球団として、地域一丸となって盛り上げようとする機運が高まりました。駅前の再開発は順調に調整が進み、間もなく都市計画手続きを始める予定です。さらに、追浜駅前交差点の改良も始まり、駅周辺の交通機能強化に向けた国や関係機関による検討会も発足しました。
 また、久里浜地域の再整備に向けても、関係機関との有意義な調整を重ねています。久里浜地域は横浜F・マリノス練習場の整備、警察署の移転、新市立病院の建設などのプロジェクトが進行しています。さらにかねてよりの懸案である引き込み線の問題などの解決に向けての調整も必要です。
 令和2年度では、こうしたまちづくりを強力に進めていくため、新たにまちづくり政策担当部長を配置し、市全体のまちづくりを進めていきたいと考えています。
 拠点の整備とともに、物流の整備も半島に位置する横須賀市にとっては生命線ともいうべき重要な課題です。
 陸路では国道357号の延伸やスマートインターチェンジの整備を進め、圏央道の一部である高速横浜環状南線(みなみせん)などの新たなネットワークとの結合の実現を目指してまいります。
 また、海に面した横須賀市にとっては航路創設も重要な課題です。北九州とのフェリーについては、関係の皆さまと十分に協議を行い、円滑に就航できるように進めてまいります。

(毎日の暮らしやすさを向上させるための取り組み)

 民間サービスでは当然実現できていることも、市が行うとさまざまに絡む制度の複雑さといった弊害から、前に進まず、結果として市民の暮らしやすさから、遠く離れたところに来てしまいました。
 私が市長に就任して以来、繰り返し述べてきていることですが、時代がものすごいスピードで変化しているなかで、時代に、そして市民に取り残された市役所となってしまわないよう、常に時代に合わせたサービスを導入し、展開していかなければなりません。
 この4月から市県民税などがコンビニで納付できるようになります。また6月からは、市役所への一部の手続きで電子申請が可能となります。
 国が進めるマイナンバーカードの普及に合わせ、交付窓口を充実させ、市としてもカード交付の円滑化に、努めてまいります。
 カードの交付を受けることで、コンビニで住民票の写しなどを受け取ることができるようになるほか、9月からのマイナポイントの利用、令和3年から予定されている健康保険証としての利用も可能となりますので、市民の需要にしっかりと応えてまいります。
 また市の組織の1 つとして新たにデジタル・ガバメント推進室を設置します。ICT を活用し、行政サービスのデジタル化をより一層進め、利用者中心の行政サービスの実現を、これまで以上に力強く進めてまいります。同時に、行政事務の効率化を図り、機械でできる作業はRPA などに置き換え、不安を抱えたり、負担を強いられたりしている市民の相談にのり、共に考える市役所を目指してまいります。
 これまで市役所は、市民の方が窓口に来て初めてサービスを提供することがほとんどでした。「まずは、市役所に来てください」というスタンスです。
 しかし、これからはわざわざ来庁しなくても、オンラインで手続きが完結するなど、市役所がより利用してもらいやすい存在に変わらなければなりません。市民の皆さまの暮らしやすさにつながるサービス提供を行ってまいります。

(基地について)

 次に基地についてです。
 横須賀には、陸海空の自衛隊、防衛大学校、そして米海軍基地が所在しています。まずは、このまちが、日本ひいてはアジア太平洋地域全体の安全保障にとって、どれだけ重要なまちであるかという私の認識について、述べさせていただきます。
 昨年、訪米した際に、アメリカ国防総省いわゆるペンタゴンやワシントン海軍工廠を訪問し、米海軍幹部の方々や米国で活躍する海上自衛隊の皆さまとさまざまな意見交換をさせていただきました。
 特に、横須賀の市長としてアメリカ国防総省ペンタゴンを訪問するという意味は非常に大きく、横須賀の置かれている立場が、米国にとっても大変重要であるということを強く認識したところです。
 さらには、「日本に配属された米海軍の兵士たちは、日本を第2の故郷ではなく、第1の故郷と思っている」との話も伺い、自分たちが同胞だという強い思いを持っていることや、彼らが横須賀に対して愛着を感じているということに大変感銘を受けました。
 日米の絆を改めて感じるとともに、米海軍と自衛隊が所在するまちの首長としての責務を強く再認識いたしました。
 先日、横須賀から海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が出港しましたが、これまでも地域に暮らす自衛隊員の方々が、国家レベルの派遣活動や大規模災害時の被災地支援などで活躍されています。
 地元市長として、隊員の方々のサポートはもとより、その活動を見守るご家族の方々も支援することは当然のことであり、そのための環境づくりを継続してまいります。
 今後も引き続き、横須賀市に所在する防衛施設が、市民の理解を得ながら、安全かつ安定的に運用されることが重要であり、そのためにも、自衛隊や米海軍との間で、きめ細かな調整を続けてまいります。
 一方で、米海軍基地や自衛隊施設が中心市街地や港湾の要所を占め、まちづくりに少なからず影響があることも事実です。
 市民生活の安全・安心の確保については当然として、国に対しては、財政措置や地域振興策も含め、今後もしっかりと求めてまいります。

(災害への備え)

 近年、我が国においては、大きな自然災害が毎年のように発生しています。少し振り返ってみただけでも、記憶に新しい昨年の台風15号、19号以外にも、8 月の九州北部での豪雨災害、おととし6 月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の北海道地震など、大きな被害をおよぼした災害がいくつも起こっています。
 将来の想定として、首都直下地震が起こる確率は、今後30年間で約70%とも言われています。
 昨今の風水害の激甚化の状況を鑑みると、ここ横須賀が、いつ大規模な災害に見舞われてもおかしくないということは、今や当たり前のこととして考えておかなければなりません。当然のことながら、港湾設備などの強化といったハード対策にも、引き続き取り組み、市民生活の安定を図ってまいります。
 これまで全国で発生した災害では、市民生活の基盤となる住宅の損壊などに対する国の再建支援制度が、十分に機能していないという課題があると考えています。
 こうしたなか、県によって国の支援を補完するような制度が検討されているようですが、市としても独自の支援策の検討を始める段階にきているのではないかとも思うのです。どのような制度が、被災された市民の生活再建に必要なのか、財源のありようも含めて、広く、かつ速やかに検討してまいります。

(令和2年度予算編成)

 以上、令和2年度予算の特徴的な事業、横須賀への思いなどを述べてまいりました。再興プランに掲げる将来への投資を着実に進め、また、地域コミュニティや福祉施策を中心に、社会状況の変化などを踏まえた、スピード感のある施策展開を目指した予算案になったと思います。
 令和2年度の一般会計、特別会計、企業会計を合わせた予算総額は3,178 億円、うち一般会計予算の総額は、1,578 億円となりました。一般会計の財源不足を補てんする財政調整基金からの取り崩しは、52 億円となり、令和元年度と比較して4億円減少しています。

(補正の概要)

 令和元年度の補正予算につきましては、歳入面では、地方交付税の算定結果を踏まえ、減収補てん債を追加計上することといたしました。また、台風被害に対する国の補正予算措置を踏まえて、特別交付税を増額計上いたしました。
 歳出面では、国が提唱する「GIGA(ギガ)スクール構想」の趣旨を踏まえ、中学校・ろう学校のLAN整備を行うための経費等を計上します。また、台風被害に予算を先取りして対応した経費の復元、その他、年度末における整理を行います。

(結び)

 先にも述べましたとおり、世界は猛スピードで変動しています。
 変わらぬ地域の絆、助け合いの精神、これこそがまさに「仁」の心であり、ここ横須賀に根付いていると信じているわけですが、「仁」の心があればこそ、社会のシステム、ルール、考え方、これらの変化を大胆に受け入れられるのではないかと思います。
 また、変化を先取りし、自ら考え、変化を続けることこそが、都市の発展と市民の幸せにつながると確信しています。
 変わることで生じる未知の結果に対して、恐れを抱くのは、当然ですが、世の中が変化するなかにおいて、その変化にあわせ、変わり続けることこそが、真理であるとも思うのです。
 翻って、市長に就任して3年目を迎えましたが、いまだに変わらない市役所の前例踏襲主義を何とか打破したい、と強く思います。職員の意識改革を続けることによって変化に柔軟に対応していきたい。あわせて行政の持つさまざまな情報をオープンにし、官民の垣根を越えて連携し、時代に対応していきたいと考えています。
 将来、令和2 年度を振り返った時、この年が「第二の開国」が始まった年、横須賀が大きく変わった年だと言われる、そんな一年にしたいと考えています。
 市民の皆さま、市議会議員の皆さまとともに、新たな横須賀の歴史を刻んでいきたいと思いますので、これまで以上のご理解とご協力をお願い申し上げて、私の施政方針を終わります。

お問い合わせ

市長室秘書課
横須賀市小川町11番地 本館1号館3階 <郵便物:「〒238-8550 秘書課」で届きます>
電話番号:046-822-8118
ファクス:046-824-2610

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