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更新日:2018年12月28日

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広報よこすか1月号 2面 新春インタビュー(全文)

2018年世界フィールドアーチェリー選手権 リカーブ部門優勝
アーチェリー選手 大貫 渉さん

横須賀市出身・在住。株式会社サガミに所属し、くりはま花の国アーチェリー場を拠点に、東京オリンピックを目指して活動中です。大貫渉選手1

ーアーチェリーを始めて何年くらいになりますか?

くりはま花の国アーチェリー場で小学校5年生、11歳の時に始めました。今は24歳なので約13年になります。スポーツ選手なので、やるからには上を目指したいと思い、続けてきましたが、正直今回の世界大会での金メダルは、自分も周りの人もとても驚いています。狙って結果が出せるものではないので、運とやってきた練習、周りの多くの人の応援や励ましなどいろいろなことが重なった結果かと思います。

ーアーチェリーは今日初めて見ましたが、矢が刺さる場所で点数が決まるのですよね。

普段はオリンピック種目であるターゲット(70メートルの距離から的を狙うもの)をメインで練習していますが、真ん中から10点、9点…と1点ずつ変わり、全部で72本打って、最高点が720点になります。先日日本記録が更新されましたが、それが692点、世界記録は700点です。692点ということは、72本のうち28本だけが真ん中の10点から外れて、他は真ん中に入っている計算です。僕のベストは680点なので、72本のうち40本ぐらいが中心から外れて大体9点のところにあたるということになります。10点のエリアはCDと同じくらいの大きさで、外れても人の顔ぐらいの範囲には当たります。精度は想像しているよりあると思います。

ー打っている場所からは刺さっている場所が正確に見えませんでしたが、的の近くに行ってみるとほとんど真ん中に刺さっていて驚きました。70メートル先から的の真ん中は見えているのでしょうか。

大貫渉選手2 はっきり10点のエリアが見えているわけではなく、黄色があって、赤があって、なんとなくその真ん中を狙って打っています。競技中、どこに当たったかは当たりを見る双眼鏡のようなもので確認しますが、実際は大体どこに行っているか打っているときの感覚でわかります。ちょっと外れたな、とか、今のは真ん中にいったな、というのは打って離した瞬間にわかります。矢は近い距離であればまっすぐ進みますが、70メートルだと、最大で5メートルぐらいの高さを放物線を描いて飛んでいきます。打つ時は照準器を合わせる位置をあらかじめ練習の時に決めておいて、繰り返し同じように打つだけです。機械が打つのが一番いいということになりますが、そこに近づきたいと思っています。

―試合では72本、ずっと打ち続けるのですか。

6本打って取りに行っての繰り返しで、36本で1セットになります。そのあと休憩が入って、残りの36本打ちます。6本打った時に、10点が3本、9点が3本くらい入れば、上出来かな、という感じです。

―普段はどんな練習・トレーニングをやっているのですか?

基本的には打つ練習が一番多いです。大体1日3時間ぐらい、本数でいうと250~300本ぐらい打ちます。弓を放した時にいかに体がぶれないか、ということが重要なので、トレーニングは体幹トレーニングがメインです。アーチェリーは道具を扱うスポーツで、自分に安定性が必要になりますが、僕は生まれつき体が大きく、元から比較的体がしっかりしているので他の人よりは恵まれているのかな、と思います。

―株式会社サガミに勤務なさっていますが、普段平日も練習しているということですか。大貫渉選手3

平日も大体3時半ぐらいにはここに来て、6時半から7時くらいまで練習します。今は営業を担当していて、仕事が長引いてしまうときもあるので、日によっては8時ぐらいまで練習するときもあります。会社は合宿や試合などで出勤できないことも多く、11月は昨日(19日)初めて出社しました。重要な試合の前は、アーチェリーに集中したほうが良い成績が出ますし、海外に行けば2週間ぐらい時間がとられてしまうので、そういった面では会社は理解してくれています。試合の後に会社に戻ると「おかえり」と言ってくれて、特に金メダルを取った時なんかは、さすがに今までとは全然違うような感じでした。

―今は2020年のオリンピックに向けてバリバリ練習しているのでしょうか。

東京オリンピックに出場する選手が確定するのは、2020年の4月になります。今から考えるとあと1年半しかありません。1次選考会が2019年の10月に始まって、そこで16人に絞られますが、そこまでもう1年ないところまできています。今から詰めていかないといけないですし、ただあまり意識し過ぎても、プレッシャーばかり感じていいパフォーマンスができないので、ほどよく狙いながら、ほどよく楽しんでという風に、意識はしながら、あまり表には出さないようにしています。休む時は休む、でも練習するときは練習する、と切り替えながらうまくやっていっています。

―こちらのアーチェリー場では他の方も多く練習されているのですか。

平日はあまり来ないのと、これから寒い時期になると18メートルの距離から小さい的を撃つインドアという種目がメインになるので、今は多くないです。試合は体育館などで行われ、練習もどこでもできるので屋内で練習する人が多いです。

―大貫さんも屋内の競技もやっているのですか。

はい。そもそもフィールドアーチェリーをやっている選手もとても珍しく、ナショナルチームの中でフィールドアーチェリーをやっているのは僕ともう1人ぐらいしかいません。フィールドアーチェリーは山の中でいろんな角度で打つため打ち方が変わりやすいんです。角度が変わって体のバランスや打つ感覚が変わってしまうというのを恐れて、やらない人が多いです。

―大貫選手はなぜフィールドアーチェリーをやっているんですか。

単純に、自然の中での競技は楽しいです。ここまで来たらやめるにもやめられないというのもありますが、単純に好きなんです。ずっと70メートルを打っているよりは、フィールドアーチェリーでいろんな景色、いろんな場所でやっている方が僕は楽しいです。

―山の中を歩きながらやるということですが、距離も長いのですか。

日本では敷地が狭いのでそれほどでもないですが、海外だと結構歩きます。ゴルフに近いようなイメージで、基本的に会場は特設です。ゴルフ場を一つ使うような規模のものもありますし、山を使う場合は急な階段や坂道を登ったりします。大体、朝9時ぐらいから山に入り、3時ぐらいに戻ってきます。どのくらい歩いているか気にしたことはありませんが、打って歩いて、打って歩いての繰り返しで相当歩いていると思います。24個の的に3本ずつ打って全部で72本、それを2日間繰り返し、合計で144本になります。

―大会などでは全く初めての環境で競技をするということですか?

そうです。逆に言えばみんながそうなので平等です。みんなが新しい場所で、「どんなところでやるんだろう」という感じです。今回の世界大会のメダルがかかった会場にはスキーのジャンプ台が使われましたが、ジャンプ台の下から、坂に設置された的を撃ったので、すごく急でした。会場をみんなが見て、なんだこれは、という感じでざわざわしたりして、そういうところはやはり面白いです。的への距離は書いてあって、基本的に5メートル間隔です。決勝は4つの的しか撃たないので、距離も4つです。1つの的に3本ずつ。的の大きさも4種類あって、1種類ずつです。

大貫渉選手4―あまり緊張はしませんか?

いえ、ものすごく緊張します。メダルがかかっていた大会も、よく「全然緊張してなかったね」と言われましたが、手が震えるくらい緊張していました。先日の日本国内での選考会も、はじめのほうは不安や緊張で手が震えるほどでした。緊張するのは全員同じなので、いかに緊張を早く受け入れるかが大事だと思います。アーチェリーは1試合で72本、6本ずつ打っていくと言いましたが、12本か18本ぐらい打ち終わる頃にはいつものペースに戻さないと間に合わなくなってしまいます。最初は緊張していいって言い聞かせながらやっています。

―全然アーチェリーを知らない人でも、アーチェリーに興味を持ってやってみたいな、と思う人がいればいいですよね。

そうですね。くりはま花の国のアーチェリー場では、弓を持っていない初心者の方は1時間460円でできますので。

―大貫選手も練習していることもあるということですよね。

はい。土日は試合などでいないことも多いですが、平日は基本的に練習しています。

―次に地元横須賀についてお聞きします。海外など行くことも多いと思いますが、帰ってきたときに感じる横須賀の良さはありますか。

海外に限らずいろんな場所に遠征で行きますが、ほどよく田舎の横須賀はすごく過ごしやすいと思います。国内でもにぎやかな街に行くこともありますが、単純に生まれ育ったからということも大きいですが、のんびりした過ごしやすいところだな、と思っています。

―帰ってきたらいつも食べるものやお気に入りの場所などはありますか。

子どものころからあまり外食はしなかったので、海外から帰ってきたら家で納豆ご飯を食べるのが楽しみです。しいて言えば、ラーメンが結構好きなので、この近くでは、京急久里浜駅のところにあるラーメン屋さんに行ったりします。

―お休みの日の気分転換などはどうしていますか。

土日も基本的にアーチェリーをやっているので、オフはほとんどありません。先日重要な試合があったので、その後の週末は少し休みましたが、そんな時は食べたりするのが楽しみです。大学生ぐらいからほとんど休みなくアーチェリーの生活をしているので、オフがないのにも慣れてしまいました。基本的に土日も午前か午後かどちらか半日は練習で、1日練習しないことは滅多にないですね。

―練習は毎日続けた方がいいですか。

激しいスポーツではないので、1日思いきり練習して1日休み、というよりは、毎日少しずつ少しずつ続ける方が、アーチェリーはいいのではないかと思います。激しいスポーツだと2日練習して1日休まないと体が疲れ切ってしまうと聞いたこともありますが、アーチェリーはそんなことはないので、毎日2~3時間やるのが当たり前という感じです。今日は試合が終わってオフを満喫した後なので4日ぶりでしたが、4日休むとかなり休んだなという風に感じます。普通にここに練習にきている方は1、2週間に1回とか、1カ月ぶりとかいう人もいたりしますが、そのくらいの頻度でも楽しむことはできます。それもアーチェリーのいいところです。

―最後に「横須賀は止まらない」にかけて、2019年、大貫選手の「止まらない」を教えてください。

大貫渉選手52019年はターゲット(70メートル)の世界選手権があります。今回フィールドアーチェリーの世界選手権でメダルを取りましたが、次はターゲットの世界選手権でメダルを取りたいと思っています。オリンピックの選考では、世界選手権でメダルを取ると残り5人の枠で行う最終選考まで進むことができるので、世界選手権は非常に大切になってきます。世界選手権は2019年7月にオランダで行われますが、それに出場するのが今一番の目標です。世界選手権でメダルを取った日本人は1人か2人しかいません。世界選手権はインドア・フィールド・ターゲットの3つありますが、その全てで優勝したのは海外選手で1人しかいません。それにも挑戦したいと思います。世界選手権は全て2年に1回の開催で、2018年はフィールド、2019年7月にターゲット、2020年2月にインドアの大会があります。世界選手権の選考会は2月にアメリカで行われますが、それに勝ち残って8人に絞られて、その後3月末に4人に、4月のワールドカップでそこから3人に絞って、やっと世界選手権に出られます。まずはその3人に選ばれて世界選手権に出場し、そこでメダルを取ってオリンピックの最終選考まで一気に行きたいです。世界選手権は2年に1回しかありませんのでメダルの価値がワールドカップとは違います。ワールドカップにも毎年出てはいますが、目立った成績は残せていないので、まだまだ実力は足りてないです。

―でもまだまだお若いですよね。

そうですね、でも日本では大学を卒業するとやめてしまう人が非常に多いです。僕はまだ24歳ですが、今年ナショナルチームに選ばれた16人のうち、社会人は4、5人しかいません。決して若いほうではなくなってしまいました。いつまで続けるかというのは考えていませんが、東京オリンピックの年は26歳、その次でも30歳です。先日日本記録を更新した選手は34歳で、34歳で日本記録が打てるってことは僕もまだまだ可能性があると思います。今回の金メダルのことは一旦終わりにして、また次の金メダルを取りに行きたいと常に思っています。

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横須賀市小川町11番地 本館1号館4階<郵便物:「〒238-8550 広報課」で届きます>

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