○横須賀市船舶の放置防止に関する条例

平成22年3月31日

条例第17号

横須賀市船舶の放置防止に関する条例をここに公布する。

横須賀市船舶の放置防止に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、船舶の放置を防止することにより、公共の水面等の利用の適正化を図り、もって良好な生活環境の保持に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 船舶 人又は貨物を積載し、自航又はえい航により、水面を移動するために用いられる物をいう。

(2) 放置 船舶が正当な権原に基づき置くことを認められた場所以外の公共の水面等において、当該船舶の運転をする者がその船舶を離れて、直ちに移動できない状態にあることをいう。

(3) 公共の水面等 次に掲げる区域をいう。

 港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第3項に規定する港湾区域、同条第4項に規定する臨港地区、同条第6項の規定により認定された港湾施設の所在する区域及び同法第37条第1項に規定する港湾隣接地域

 海岸法(昭和31年法律第101号)第2条第2項に規定する一般公共海岸区域及び同法第3条第1項に規定する海岸保全区域

 漁港漁場整備法(昭和25年法律第137号)第6条第1項から第4項までの規定により指定された漁港の区域

 河川法(昭和39年法律第167号)第6条第1項に規定する河川区域

(4) 所有者等 船舶の所有権、占有権又は使用権を有する者をいう。

(5) 係留保管 船舶を、水面においては常時係留し、陸上の土地においては船台等に常時定置することをいう。

(6) 係留保管施設等 係留保管の用に供するために水面若しくは陸上の土地に正当な権原を有する者が設置した施設又は所有者等が係留保管をする正当な権原を有する水面若しくは陸上の土地をいう。

(市の責務)

第3条 市は、船舶の放置を防止するため、関係団体等と連携して、所有者等が適正な係留保管を行うよう指導するものとする。

(放置禁止)

第4条 何人も、船舶を放置し、又は放置させてはならない。

(重点適正化区域の指定)

第5条 市長は、公共の水面等のうち、係留保管の適正化を特に図る必要がある区域を、重点適正化区域として指定することができる。

2 市長は、前項の規定により重点適正化区域を指定したときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

3 市長は、必要があると認めるときは、重点適正化区域を変更し、又はその指定を解除することができる。

4 第2項の規定は、前項の規定による重点適正化区域の変更及び指定の解除について準用する。

(指導等)

第6条 市長は、重点適正化区域内に放置されている船舶の所有者等に対し、当該船舶を係留保管施設等に移動するよう指導することができる。

2 市長は、前項の規定による指導に従わない所有者等に対し、当該船舶を係留保管施設等に移動するよう勧告することができる。

3 所有者等を確認することができないため前項の規定による勧告を行うことができない場合は、市長は、規則に定める事項を公告するものとする。

(立入調査)

第7条 市長は、前条第1項の規定による指導又は同条第2項の規定による勧告を行うため必要があると認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、放置されている船舶に立ち入らせ、所有者等を確認するため必要な調査をさせることができる。

2 前項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(船舶の移動)

第8条 市長は、所有者等が第6条第2項の規定による勧告に従わない場合及び同条第3項の規定による公告を行った日から一定期間を経過した場合並びに緊急の必要があると認める場合は、その職員に、当該船舶を移動させることができる。

2 前項の規定により船舶の移動を行わせようとする場合においては、市長は、あらかじめ所有者等に対し、当該移動に係る意見を述べる機会を与えなければならない。

(証明書の携帯等)

第9条 第7条第1項の規定により立入調査を行う職員及び前条第1項の規定により船舶の移動を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(移動した船舶に対する措置)

第10条 市長は、第8条第1項の規定により船舶を移動させたときは、当該船舶を市長が定めた適正な場所に保管しなければならない。

2 市長は、前項の規定により船舶を保管したときは、規則で定めるところにより、所有者等に通知し、及び告示し、並びに所有者等に当該船舶を返還するための必要な措置を講じなければならない。

3 市長は、第1項の規定により保管した期間が6月を経過した船舶のうち所有者等を確認することができないものについては、所有権を市が取得したうえで、売却等の処分を行うことができる。

4 市長は、前項の規定により船舶の所有権を市が取得したときは、その旨を告示するものとする。

5 市長は、第1項の規定により保管した期間が6月を経過した船舶のうち所有者等に返還することができず、かつ、規則で定めるところにより評価した当該船舶の価額が著しく低いものについては廃棄することができる。

6 市長は、第3項及び前項の規定により、廃棄、売却等の処分を行おうとするときは、あらかじめ、次条第1項に規定する委員会の意見を聴かなければならない。

7 前項の規定により、委員会の意見を聴こうとする場合においては、市長は、あらかじめ廃棄しようとする船舶の所有者等に対し、当該廃棄に係る意見を述べる機会を与えなければならない。

(放置船舶処理委員会)

第11条 放置船舶の適正な処理に関し、市長の諮問に応ずるため、本市に地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定による附属機関として、横須賀市放置船舶処理委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、委員3人以内をもって組織する。

3 前項に定めるもののほか、委員会の運営について必要な事項は、規則で定める。

(移動等の費用の負担)

第12条 第8条第1項の規定による船舶の移動、第10条第1項の規定による船舶の保管及び同条第5項の規定による船舶の廃棄に要した費用は、規則で定めるところにより、当該船舶の所有者等の負担とする。

(その他の事項)

第13条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。

この条例は、平成22年4月1日から施行する。

横須賀市船舶の放置防止に関する条例

平成22年3月31日 条例第17号

(平成22年4月1日施行)