○横須賀市準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例
平成24年12月19日
条例第88号
横須賀市準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例をここに公布する。
横須賀市準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 堤防(第3条―第15条)
第3章 床止め(第16条―第19条)
第4章 樋門(第20条―第25条)
第5章 橋(第26条―第32条)
第6章 雑則(第33条―第35条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第100条第1項において準用する法第13条第2項の規定に基づき、準用河川管理施設又は許可工作物のうち、堤防その他の主要なものの構造について準用河川の管理上必要とされる一般的技術的基準を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例における用語の定義は、法及び河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号)の例による。
(1) 準用河川管理施設 準用河川における法第3条第2項に規定する河川管理施設をいう。
(2) 準用河川区域 準用河川における河川区域をいう。
(3) 許可工作物 法第100条第1項において準用する法第26条第1項の許可を受けて設置される工作物をいう。
第2章 堤防
(適用の範囲)
第3条 この章の規定は、流水が準用河川外に流出することを防止するために設ける堤防について適用する。
(構造の原則)
第4条 堤防は、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとする。
(材質及び構造)
第5条 堤防は、盛土により築造するものとする。ただし、土地利用の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものとし、又はコンクリート構造若しくはこれに準ずる構造の胸壁を有するものとすることができる。
(高さ)
第6条 堤防の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上とするものとする。ただし、堤防に隣接する堤内の土地の地盤高(以下「堤内地盤高」という。)が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。
2 津波区間の堤防の高さは、前項の規定によるほか、計画津波水位に河口付近の海岸堤防の高さ及び漂流物の影響を考慮して必要と認められる値を加えた値を下回らないものとするものとする。
3 胸壁を有する堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高水位以上とするものとする。
(平29条例45・一部改正)
(天端幅)
第7条 堤防の天端幅は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、3メートル以上とするものとする。
(盛土による堤防の法勾配等)
第8条 盛土による堤防(胸壁の部分及び護岸で保護される部分を除く。次項において同じ。)の法勾配は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、50パーセント以下とするものとする。
2 盛土による堤防の法面は、芝等によって覆うものとする。
(護岸)
第9条 流水の作用から堤防を保護するため必要がある場合においては、堤防の表法面に護岸を設けるものとする。
(水制)
第10条 流水の作用から堤防を保護するため、流水の方向を規制し、又は水勢を緩和する必要がある場合においては、適当な箇所に水制を設けるものとする。
(管理用通路)
第11条 堤防には、次に掲げるところにより準用河川の管理のための通路(以下「管理用通路」という。)を設けるものとする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合、堤防の全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものである場合又は堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満の区間である場合においては、この限りでない。
(1) 幅員は、3メートル以上で堤防の天端幅以下の適切な値とすること。
(2) 建築限界は、市長が別に定めるところによること。
(津波又は波浪の影響を著しく受ける堤防に講ずべき措置)
第12条 津波区間、2以上の河川又は準用河川の合流する箇所の堤防その他の堤防で津波又は波浪の影響を著しく受けるものには、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 表法面に護岸又は護岸及び波返工を設けること。
(2) 前面に消波工を設けること。
(1) 天端及び裏法面をコンクリートその他これに類するもので覆うこと。
(2) 裏法尻に沿って排水路を設けること。
(平29条例45・一部改正)
第3章 床止め
(構造の原則)
第16条 床止めは、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 床止めは、付近の河岸及び準用河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
(護床工)
第17条 床止めを設ける場合において、これに接続する河床の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工を設けるものとする。
(護岸)
第18条 床止めを設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、次に掲げるところにより、護岸を設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(1) 床止めに接する河岸又は堤防の護岸は、上流側は床止めの上流端から10メートルの地点又は護床工の上流端から5メートルの地点のうちいずれか上流側の地点から、下流側は水叩きの下流端から15メートルの地点又は護床工の下流端から5メートルの地点のうちいずれか下流側の地点までの区間以上の区間に設けること。
(2) 前号に掲げるもののほか、河岸又は堤防の護岸は、湾曲部であることその他準用河川の状況等により特に必要と認められる区間に設けること。
(3) 河岸(低水路の河岸を除く。以下この号において同じ。)又は堤防の護岸の高さは、計画高水位以上とすること。ただし、床止めの設置に伴い流水が著しく変化することとなる区間にあっては、河岸又は堤防の高さとすること。
(4) 低水路の河岸の護岸の高さは、低水路の河岸の高さとすること。
(魚道)
第19条 床止めを設ける場合において、魚類の遡上等を妨げないようにするため必要があるときは、次に掲げるところにより、魚道を設けるものとする。
(1) 床止めの直上流部及び直下流部における通常予想される水位変動に対して魚類の遡上等に支障のないものとすること。
(2) 床止めに接続する河床の状況、魚道の流量、魚道において対象とする魚種等を適切に考慮したものとすること。
第4章 樋門
(構造の原則)
第20条 樋門は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 樋門は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び準用河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに樋門に接続する河床の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(構造)
第21条 樋門(ゲート及び管理施設を除く。)は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
2 樋門は、堆積土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。
(断面形)
第22条 準用河川を横断して設ける樋門の流水を流下させる部分の断面形は、計画高水流量を勘案して定めるものとする。
2 前項の規定は、準用河川以外の水路が準用河川に合流する箇所において当該水路を横断して設ける樋門について準用する。
(ゲート等の構造)
第23条 樋門のゲートは、確実に開閉し、かつ、必要な水密性を有する構造とするものとする。
2 樋門のゲートは、鋼構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 樋門のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
(管理施設等)
第24条 樋門には、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。
2 樋門を設ける場合において、当該樋門を操作する者の安全を確保するため必要があるときは、自動的に、又は遠隔操作により可動部のゲートの開閉を行うことができるものとするものとする。
(平29条例45・一部改正)
第5章 橋
(準用河川区域内に設ける橋台の構造の原則)
第26条 準用河川区域内に設ける橋台は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 準用河川区域内に設ける橋台は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び準用河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに橋台に接続する河床の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(橋台)
第27条 堤防に設ける橋台は、堤防の表法肩より表側の部分に設けてはならない。
2 堤防に設ける橋台の表側の面は、堤防の法線に平行して設けるものとする。ただし、堤防の構造に著しい支障を及ぼさないために必要な措置を講ずるときは、この限りでない。
3 堤防に設ける橋台の底面は、堤防の地盤に定着させるものとする。
(橋脚)
第28条 河道内に橋脚は設けないものとする。ただし、橋の構造上やむを得ないと認められる場合は、この限りでない。
(桁下高等)
第29条 橋の桁下高は、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上で、当該地点における準用河川の両岸の堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防(津波区間にあっては、津波が生じないとした場合に定めるべき計画横断形に係る堤防。以下この項において同じ。)の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとするものとする。
2 背水区間に設ける橋の桁下高は、治水上の支障がないと認められるときは、前項の規定にかかわらず、次に掲げる高さのうちいずれか高い方の高さ以上とすることができる。
(1) 当該準用河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に、0.6メートルを加えた高さ
(2) 計画高水位
3 地盤沈下のおそれがある地域に設ける橋の桁下高は、前2項の規定によるほか、予測される地盤沈下及び準用河川の状況を勘案して必要と認められる高さを下回らないものとする。
4 橋面(路面、地覆その他流水又は波浪が橋を通じて準用河川外に流出することを防止するための措置を講じた部分をいう。)の高さは、背水区間において、橋が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。
(平29条例45・一部改正)
2 前項の規定による場合のほか、橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるときは、河岸又は堤防をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。
(管理用通路の構造の保全)
第31条 橋(取付部を含む。次項において同じ。)は、管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。
2 前項の場合において、管理用通路の構造に支障を及ぼさない橋の構造は、管理用通路(管理用通路を設けることが計画されている場合は、当該計画されている管理用通路)の構造を考慮して適切な構造の取付通路その他必要な施設を設けた構造とする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合は、この限りでない。
第6章 雑則
(適用除外)
第33条 この条例の規定は、次に掲げる準用河川管理施設又は許可工作物(以下「準用河川管理施設等」という。)については、適用しない。
(1) 治水上の機能を早急に向上させる必要がある小区間の準用河川における応急措置によって設けられる準用河川管理施設等
(2) 臨時に設けられる準用河川管理施設等
(3) 工事を施行するために仮に設けられる準用河川管理施設等
(計画高水流量等の決定又は変更があった場合の適用の特例)
第34条 準用河川管理施設等が、これに係る工事の着手(許可工作物にあっては、法第26条の許可。以下この条において同じ。)があった後における計画高水流量、計画横断形、計画高水位又は計画津波水位(以下この条において「計画高水流量等」という。)の決定又は変更によってこの条例の規定に適合しないこととなった場合においては、当該準用河川管理施設等については、当該計画高水流量等の決定又は変更がなかったものとみなして当該規定を適用する。ただし、工事の着手が当該計画高水流量等の決定又は変更の後である改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。)に係る準用河川管理施設等については、この限りでない。
(平29条例45・一部改正)
(小河川の特例)
第35条 計画高水流量が1秒間につき100立方メートル未満の小河川に設ける準用河川管理施設等については、市長が別に定めるところにより、この条例の規定によらないものとすることができる。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成29年12月18日条例第45号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 この条例の施行の際現に存する堤防又は現に工事中の堤防(既に河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第26条第1項の許可を受け、工事に着手するに至らないものを含む。)については、この条例による改正後の横須賀市準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例(以下「新条例」という。)第12条の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。次項において同じ。)に係る堤防であって、その工事の着手(法第26条第1項の許可を受けて改築される堤防にあっては、同項の許可)がこの条例の施行の後であるものについては、この限りでない。
3 この条例の施行の際現に存する樋門又は現に工事中の樋門(既に法第26条第1項の許可を受け、工事に着手するに至らないものを含む。)が新条例第24条第2項の規定に適合しない場合においては、当該樋門については、当該規定は、適用しない。ただし、改築に係る樋門であって、その工事の着手(法第26条第1項の許可を受けて改築される樋門にあっては、同項の許可)がこの条例の施行の後であるものについては、この限りでない。