○墓地等の経営の許可等に関する条例

平成27年3月30日

条例第24号

墓地等の経営の許可等に関する条例をここに公布する。

墓地等の経営の許可等に関する条例

墓地等の経営の許可等に関する条例(平成14年横須賀市条例第55号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この条例は、墓地、納骨堂又は火葬場(墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。以下「法」という。)に規定するものをいう。以下「墓地等」という。)の経営の許可の手続に関し法令に定めがあるもののほか、必要な事項を定めることにより、墓地等の経営の適正を図るとともに、市民生活における墓地等と周辺環境との調和を図り、もって公衆衛生の向上と公共の福祉に寄与することを目的とする。

(用語)

第2条 この条例における用語の意義は、法の例による。

(墓地等の経営者)

第3条 墓地又は納骨堂を経営しようとする者は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。ただし、市長が特別な理由があり、かつ、公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。

(1) 地方公共団体

(2) 宗教法人法(昭和26年法律第126号)第4条第2項に規定する宗教法人(以下単に「宗教法人」という。)のうち、主たる事務所又は従たる事務所を市内に有し、かつ、当該事務所を拠点として同法に基づく登記をした日から起算して第11条第1項に規定する協議書を提出する日までに5年以上宗教活動を行っているもの

(3) 墓地又は納骨堂の経営を目的として設立された公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条第3号に規定する公益法人(以下単に「公益法人」という。)のうち、主たる事務所又は従たる事務所を市内に有するもの

2 火葬場を経営しようとする者は、地方公共団体でなければならない。

(経営者の要件)

第4条 墓地又は納骨堂を経営しようとする者は、墓地又は納骨堂を経営するために必要な経理的基礎がある者でなければならない。

(宗教法人が経営する墓地及び納骨堂)

第5条 宗教法人が経営する墓地又は納骨堂は、檀信徒のために経営するものでなければならない。

(墓地等の敷地)

第6条 墓地等の敷地は、自己所有地(所有権以外の権利が存しないものに限る。)でなければならない。ただし、市長が特に理由があると認める場合は、この限りでない。

2 墓地の敷地は、飲用水に支障を及ぼさない土地でなければならない。

(墓地の施設の基準)

第7条 墓地の施設の基準は、次のとおりとする。ただし、市長が土地の形状その他特別な理由があると認める場合は、この限りでない。

(1) 墓地の周囲は、墓地の敷地内にその境界線から5メートル以上の緑地帯が設けられ、かつ、外部から墓石等が見通せない高さの障壁又は生垣が設けられていること。ただし、規則で定める場合は、この限りでない。

(2) 墓地の敷地内には、管理事務所、給排水設備、便所、ごみ箱等を設けること。

(3) 墓地内の通路の有効幅員は、1メートル以上であること。

(4) 墓所(墳墓を設ける1区画のことをいう。以下同じ。)の総面積は、墓地の面積の3分の1以下の面積であること。

(5) 宗教法人が経営する墓地の面積は、当該墓地において宗教活動を行う者が適正な管理をすることができると市長が認める規模であること。

(6) 公益法人が経営する墓地(以下「事業型墓地」という。)の面積は、1ヘクタール以上であること。

(7) 墓地内の緑地面積は、当該墓地の面積の30パーセント以上の面積であること。

(8) 駐車場は、墓所の区画総数の4パーセント以上の駐車台数を有すること。

(納骨堂の施設の基準)

第8条 納骨堂の施設の基準は、次のとおりとする。ただし、市長が土地の形状その他特別な理由があると認める場合は、この限りでない。

(1) 納骨堂の敷地の周囲は、隣接する土地から内部が見通せない高さの障壁又は生垣が設けられていること。

(2) 納骨堂は、耐火構造(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第7号に規定する耐火構造をいう。)であること。

(3) 納骨堂の出入口は、施錠できる構造であること。

(4) 納骨堂の敷地内には、管理事務所、駐車場、給排水設備、便所及びごみ箱を設けること。

(5) 駐車場は、納骨区画総数の1パーセント以上の駐車台数を有すること。

(火葬場の施設の基準)

第9条 火葬場の施設の基準は、次のとおりとする。ただし、市長が土地の形状その他特別な理由があると認める場合は、この限りでない。

(1) 火葬場の敷地の周囲は、隣接する土地から内部が見通せない高さの障壁又は生垣が設けられていること。

(2) 火葬場の敷地内には、管理事務所、待合所及び便所を設けること。

(焼骨以外の埋蔵の禁止)

第10条 墓地又は納骨堂の経営者は、焼骨のほかは埋蔵又は収蔵させてはならない。ただし、市長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めて許可した場合は、この限りでない。

(申請前の協議)

第11条 法第10条第1項の規定による墓地等の経営の許可(以下「経営の許可」という。)を受けようとする者は、あらかじめ規則で定める事項を記載した墓地等設置協議書を市長に提出しなければならない。

2 前項の協議書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 申請地の登記事項証明書

(2) 墓地等の設計図

(3) 墓地等の付近の略図

(4) 申請の理由を記載した書類

(5) 次条第1項の規定による標識の設置及び第13条第1項の規定による説明会の開催等の計画を記載した書類

(6) 申請地及び隣接地の公図の写し

(7) 経営の許可を受けようとする者が、公益法人である場合は、登記簿謄本又は履歴事項全部証明書及び定款の写し

(8) 経営の許可を受けようとする者が、宗教法人である場合は、登記簿謄本又は履歴事項全部証明書及び神奈川県知事の認証印のある宗教法人の規則の写し

3 市長は、第1項の規定による協議があった場合は、経営の許可を受けようとする者に対し、必要な助言及び指導を行うことができるものとする。

(標識の設置)

第12条 前条第1項の規定により墓地等設置協議書を提出した者(以下「協議者」という。)は、当該墓地等の計画の周知を図るため、第21条の工事完了届を提出する日までの間、計画の概要を記載した標識を当該墓地等を計画している敷地の外部から見やすい場所に設置しなければならない。

2 前項の標識の設置は、第15条の規定による墓地等経営許可申請書の堤出の日の90日以前に行わなければならない。

3 協議者は、第1項の規定により標識を設置したときは、速やかに標識設置報告書を市長に提出しなければならない。

4 前項の報告書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 標識を設置した場所を明示した図面

(2) 標識の設置の状況が分かる写真

5 協議者は、標識が風雨等により破損し、若しくは倒壊し、又は標識の記載事項に変更が生じた場合は、速やかに標識を修復し、又は記載事項を変更しなければならない。

(説明会の開催等)

第13条 協議者は、当該墓地等の区域に隣接する土地の所有者及び当該墓地等の区域から100メートル(火葬場にあっては300メートル)を超えない距離に建物がある場合は、その所有者又は管理者(以下「近隣住民等」という。)に対し、説明会等の方法により当該墓地等の計画の概要を説明しなければならない。

2 前項の説明会等は、第15条の規定による墓地等経営許可申請書の提出の日の60日以前に行わなければならない。

3 協議者は、第1項の説明会等を行ったときは、速やかに説明会開催等状況報告書を市長に提出しなければならない。

4 前項の報告書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 説明会等の内容を記載した書類

(2) 説明会等に出席した者の住所及び氏名

(3) 説明会等で配布した資料

(協議者の責務)

第14条 協議者は、当該墓地等の計画について、近隣住民等から次の各号に掲げる内容について協議の申出があった場合は、これに誠実に応じるよう努めなければならない。

(1) 公衆衛生その他公共の福祉の観点から考慮すべきこと。

(2) 当該墓地等の構造設備と周辺環境との調和に関すること。

(3) 当該墓地等の工事の方法等に関すること。

2 協議者は、前項の協議を行ったときは、速やかに協議状況報告書に近隣住民等と協議した内容を記載した書類を添付して、市長に提出しなければならない。

(経営許可の申請等)

第15条 経営の許可を受けようとする者は、墓地等経営許可申請書を市長に提出しなければならない。

2 経営の許可を受けようとする者が公益法人又は宗教法人である場合にあっては、前項の申請書に次に掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 資金計画書

(2) 経営計画の収支見込書

(3) 申請時までの直近5年間(公益法人の設立時から5年に満たない者にあっては、設立時から申請書を提出する日の属する事業年度の前年度まで)の財務状況が確認できる書類

(4) 申請することを議決したときの議事録の写し

(5) 経営の許可を受けようとする者が宗教法人で、かつ、当該宗教法人の規則に基づく包括団体の承認が必要である場合は、承認書の写し

(6) 墓地等使用契約約款その他これに相当するもの

(7) 近隣住民等から出された意見及びその対応を記載したもの

(8) その他市長が必要と認める書類

3 第1項の申請書の提出に当たっては、第12条第1項に規定する標識の設置日から90日を超えるとともに第13条第1項に規定する説明会等の開催日から60日を超えていなければならない。

4 経営の許可を受けようとする者が当該墓地又は納骨堂の設置等に要する費用の一部を借り入れる場合は、銀行法(昭和56年法律第59号)第2条第1項に規定する銀行その他規則で定める金融機関から借り入れなければならない。

(変更申請前の協議)

第16条 第11条の規定は、法第10条第2項の規定による墓地の区域の変更又は納骨堂若しくは火葬場の施設の変更の許可(以下「変更の許可」という。)を受けようとする者(墓地等の縮小の変更の許可を受けようとする者にあっては、第11条第2項第5号を除く。)について準用する。

(変更申請)

第17条 変更の許可を受けようとする者は、墓地区域等変更許可申請書を市長に提出しなければならない。

2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 資金計画書(変更の許可(墓地等の縮小の変更の許可を除く。)を受けようとする者が、公益法人又は宗教法人である場合に限る。)

(2) 経営計画の収支見込書(変更の許可(墓地等の縮小の変更の許可を除く。)を受けようとする者が、公益法人又は宗教法人である場合に限る。)

(3) 申請することを議決したときの議事録の写し(変更の許可を受けようとする者が、公益法人又は宗教法人である場合に限る。)

(4) 変更の許可を受けようとする者が宗教法人で、かつ、当該宗教法人の規則に基づく包括団体の承認が必要である場合は、承認書の写し

(5) 改葬の内容を明らかにした書類又は埋葬及び埋蔵のない事実を証明する書類(墓地等の縮小の変更の許可を受けようとする者に限る。)

(6) その他市長が必要と認める書類

(廃止申請)

第18条 法第10条第2項の規定による墓地等の廃止の許可(以下「廃止の許可」という。)を受けようとする者は、墓地等廃止許可申請書を市長に提出しなければならない。

2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 申請地の登記事項証明書

(2) 墓地等の付近の略図

(3) 申請地及び隣接地の公図の写し

(4) 廃止の許可を受けようとする者が法人である場合は、申請することを議決したときの議事録の写し

(5) 廃止の許可を受けようとする者が法人である場合は、登記簿謄本又は履歴事項全部証明書及び定款又は寄附行為(宗教法人にあっては、神奈川県知事の認証印のある宗教法人の規則)の写し

(6) 廃止の許可を受けようとする者が宗教法人で、かつ、当該宗教法人の規則に基づく包括団体の承認が必要な場合は、承認書の写し

(7) 改葬の内容を明らかにした書類又は埋葬及び埋蔵のない事実を証明する書類

(8) その他市長が必要と認める書類

(経営許可の基準)

第19条 経営の許可及び変更の許可をするときの審査の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 第3条から第9条までの規定に適合していること。

(2) 第12条第3項に規定する標識設置報告書を提出していること。

(3) 第13条第3項に規定する説明会開催等状況報告書を提出していること。

(工事着手届)

第20条 経営の許可を受けた者又は変更の許可を受けた者(以下「墓地等の経営者」という。)は、当該工事に着手しようとするときは、工事着手届を市長に提出しなければならない。

(工事完了届)

第21条 墓地等の経営者は、当該工事が完了したときは、速やかに工事完了届を市長に提出しなければならない。

(工事完了検査済証)

第22条 市長は、前条の工事完了届の提出を受けたときは、検査を行い、第7条から第9条までに規定する基準に適合していると認めた場合は、工事完了検査済証を交付するものとする。

2 墓地等の経営者は、前項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該検査に係る墓地等を使用してはならない。

(地位の承継)

第23条 個人の経営する墓地について祭を承継した者は、墓地等の経営者の地位を承継することができる。

2 前項の規定により経営者の地位を承継した者は、速やかに、その事実を証する書面を添えて、市長に届け出なければならない。

(都市計画事業等による墓地等の新設等の届出)

第24条 法第11条の規定により墓地又は火葬場の新設、変更又は廃止の許可があったものとみなされたときは、当該墓地又は火葬場の経営者は、墓地又は火葬場の概要が分かる書類を添付して、その旨を速やかに市長に届け出なければならない。

(申請事項変更届)

第25条 墓地等の経営者は、第15条第1項に規定する申請書の記載事項を変更(変更の許可に係る事項の変更を除く。)したときは、申請事項変更届を速やかに市長に届け出なければならない。

(経営者の責務)

第26条 墓地等の経営者は、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 墓地等の区域等の清潔を保持すること。

(2) 墓石等が倒壊し、又は倒壊するおそれがあるときは、速やかに安全措置を講じ、又は墓石等の所有者に同措置を講ずるよう求めること。

(3) 老朽化し、又は破損した墓地等の修繕等を行うこと。

2 墓地等の経営者は、市が実施する都市景観の形成に関する施策に協力するよう努めなければならない。

3 事業型墓地及び公益法人が経営する納骨堂(以下「事業型納骨堂」という。)の使用に係る契約の内容は、使用者にとって権利義務関係が明確になっており、使用者の利益の保護を十分に図るもので、規則で定める事項を含むものとしなければならない。

4 事業型墓地又は事業型納骨堂の経営者は、規則に定める書類の写しを、当該年度終了後4月以内に市長に提出しなければならない。

5 墓地等の経営者は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第2条第2号に規定する移動等円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

6 事業型墓地又は事業型納骨堂の経営者は、当該事業型墓地又は事業型納骨堂を可能な限り市民の使用に供するよう配慮するものとする。

(立入調査)

第27条 市長は、必要があると認めるときは、その職員に墓地又は納骨堂に立ち入り、当該施設、帳簿、書類その他の必要な物件を調査させること(以下「立入調査」という。)について、墓地又は納骨堂の経営者又は管理者に対し、協力を求めることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(その他の事項)

第28条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。

この条例は、平成27年7月1日から施行する。

墓地等の経営の許可等に関する条例

平成27年3月30日 条例第24号

(平成27年7月1日施行)