近代の歴史が息づくまち 横須賀
幕末からの歴史において重要な地の一つとなった横須賀。
横須賀に数ある歴史的資産の一部を紹介し、それにまつわる催しを案内します。
江戸時代から、江戸の海上防衛の拠点とされ、浦賀奉行所を中心として海防陣屋が置かれていました。1853年(嘉永6年)、ペリー が 黒船で 浦賀に来航。日本は開国へ転じます。アメリカと結んだ日米修好通商条約の批准のため1860年(まんえん元年)、遣米使節の随行艦として浦賀から咸臨丸がアメリカへ向けて出航しました。
1866年(慶応2年)に横須賀製鉄所が開設されました。この製鉄所の建設を機に、横須賀は軍港都市として発展していきました。
1884年(明治17年)に横須賀鎮守府が置かれ、1889年(明治22年)には軍需物資を運ぶため横須賀線(横須賀大船間)が開通しました。横須賀には軍需物資の運搬などのためのトンネルが数多く掘られ、多くが残っています。
1892年(明治25年)に東京湾防衛のための海上砲台の一つ、第三海堡の建設が始まりました。また追浜は、1916年(大正5年)に横須賀海軍航空隊が設立され、太平洋戦争終結まで海軍航空技術の拠点となりました。横須賀は軍事拠点としての役割を変わらず担い続けました。
終戦後、多くの旧軍用財産が旧軍港し転換法により新たに平和産業のために活用され、現在も当時の名残を見ることができます。
東京湾に建設された第三海堡
第三海堡は、明治から大正時代に首都・東京の防衛のために設けられた、砲台を設置するための人工島です。1921年(大正10年)に完成しましたが、2年後の関東大震災によって倒壊し、施設の3分の1ほどが海中に沈みました。
引き揚げられた構造物の一部は、兵舎(市指定重要文化財)を うみかぜ 公園に展示していますが、このほか、観測所、砲台砲そく庫、夜間に敵艦を探す探照灯は夏島都市緑地で保存し、ことしの秋から、各種催しや予約制で見学できるようにします。
張り巡らされた地下道 貝山地下壕
追浜には横須賀海軍航空関連の地下壕や飛行機の格納庫などが空襲や本土決戦に備えて掘られました。貝山地下壕の総延長は2000メートルともいわれ、現在でも当時の壕が残ります。普段は立ち入り禁止です。
海軍航空施設などで培われた技術は、戦後の復興と発展に貢献していきました。そして追浜は、軍需産業から自動車や造船などの工業地域として生まれ変わりました。
家族でめぐる横須賀歴史さんぽ
貝山の地下に残る史跡とアイクル
- とき
- 平成22年11月20日(土曜日)10時~15時
(雨天のときは平成22年11月21日(日曜日)) - ところ
- 貝山緑地集合
(京急追浜駅から夏島方面行きバスで5分)
大正時代以降、海軍航空の中心ちであった追浜地域を歩きます。対象は小学生とその保護者(祖父母も含
め三世代での参加も可)。
定員は抽選約40人。費用は150円。貝山緑地・貝山地下壕~夏島都市緑地・第三海堡構造物~リサイクルプラザ「アイクル」(昼食)・アイクル施設見学~榎戸~筒井トンネル~京急追浜駅。講師は横須賀開国史研究会会長・山本しょういちさん。希望者は、平成22年10月1日(金曜日)~平成22年10月31日(日曜日)に、参加者全員の氏名とふりがな、年齢(小学生は学校名と学年も)、郵便番号、住所、電話番号を、電話で横須賀市コールセンター(電話(046)822-2500)へ。
申し込みは1組6人まで。
お問い合わせ
【文化振興課】
電話(046)822-9478
ヴェルニー記念館
旧横須賀製鉄所に臨むヴェルニー公園内にあり、ヴェルニーの功績を紹介するほか、実際に横須賀製鉄所で使用されていたスチームハンマー(国指定重要文化財)も展示しています。
- 開館時間
- 9時~17時
- 休館日
- 月曜日(祝日のときは翌日)、年末年始 入館料無料。
駐車場はありません。
お問い合わせ
【ヴェルニー記念館】
電話(046)824-1800
本市発展の貢献者をしのぶヴェルニー・小栗祭式典
- とき
- 平成22年11月13日(土曜日)11時
- ところ
- ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
本市発展の礎となった横須賀製鉄所の開設に貢献した、勘定奉行・小栗こうずけのすけただまさ と フランス人技師・フランソワ・レオンス・ヴェルニーをしのびます。参加希望者は、平成22年10月13日(水曜日)までに全員の住所、氏名、電話番号を、電話で横須賀市コールセンター(電話(046)822-2500)へ
。
申し込みは1組3人まで。
お問い合わせ
【国際交流課】
電話(046)822-8138
市内に眠る会津藩士
江戸時代、江戸(東京)湾警備にあたった会津藩士とその家族の墓が、市内に残っています。市指定の史跡である かもい の墓地には、平成18年に会津若松市から市民親善交流訪問団が訪れ、記念にシダレザクラを植樹しました。
歴史的に深いつながりがある会津若松市とは、平成17年に友好都市提携を結び、交流を深めています。
会津藩江戸湾警備200周年記念講演「会津藩と三浦半島」
- とき
- 平成22年11月13日(土曜日)14時
- ところ
- ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
会津藩が江戸湾警備のため三浦半島に配備され、ことしで200周年を迎えるのを記念した講演会です。定員は抽選300人。講師は横須賀開国史研究会会長・山本しょういちさん。希望者は、平成22年10月1日(金曜日)~平成22年10月25日(月曜日)に、代表者の住所、氏名、電話番号、人数を、電話で横須賀市コールセンター(電話(046)822-2500)へ。
申し込みは1組5人まで。
お問い合わせ
【国際交流課】
電話(046)822-8138
中島三郎すけ しょうこんひ 咸臨丸出港の碑
かつて「浦賀園」と呼ばれていた市内最初の公園・愛宕山公園には、1891年(明治24年)に建立された、ペリー浦賀来航の際に交渉にあたった浦賀奉行所 与力・中島三郎すけ の しょうこんひ があります。
また、咸臨丸は出港から今年で150周年を迎えます。愛宕山には太平洋横断に成功した咸臨丸の出港の碑も建てられています。
ペリー公園
1853年(嘉永6年)のペリー上陸を記念した碑(市指定重要文化財)は、1901年(明治34年)に べいゆう協会が建立したもので、碑文は伊藤博文によるものです。
ペリー記念館
ペリー公園内にあり、ペリー来航に関する資料を展示しています。
- 開館時間
- 9時~16時30分
- 休館日
- 月曜日(祝日のときは翌日)、年末年始 入館料無料。
駐車場はありません。
お問い合わせ
【ペリー記念館】
電話(046)834-7531
明治憲法起草地記念碑
海軍航空発祥の地ひ
旧横須賀製鉄所(現米海軍横須賀基地)
勘定奉行・小栗こうずけのすけ が建設を計画し、ヴェルニーが建設を指導しました。1871年(明治4年)に横須賀造船所と改名。同年に完成した第1号ドックは、現在も米海軍横須賀基地内で現役です。
へみはとば衛門
横須賀駅
1889年(明治22年)開業。現在の駅舎は1940年(昭和15年)に改築されたものです。
記念艦三笠
さる島
幕末に台場が設置され、明治時代になると新たに洋式砲台として整備されました。とうないには珍しいフランス積みのレンガ構造物が残っています。
旧横須賀重砲兵連隊営門
第三海堡構造物(うみかぜ公園)
旧横須賀鎮守府長官官舎(現海上自衛隊横須賀地方総監部田戸台分庁舎)
まもんざん墓地(横須賀海軍墓地)
1882年(明治15年)、横須賀海軍墓地が開設され、戦死・殉難しゃ などおよそ1,600人が祭られています。
はしりみず水源地
1876年(明治9年)、ヴェルニーが横須賀造船所で使う水を引くために すいどうかん を敷設したことが、本市水道の始まりです。1908年(明治41年)、市営水道として給水を開始しました。
観音ざき灯台
ヴェルニーが建設の指揮をとり、1869年(明治2年)、日本最初の洋式灯台として点灯しました。現在の灯台は3代目になります。
県立観音崎公園
浦賀ドック(旧浦賀船渠株式会社)(住友重機械工業浦賀工場)
浦賀奉行所跡
1720年(享保5年)に設置され、江戸へ出入りする船を検査しました。江戸時代も半ばを過ぎ、浦賀沖へ外国船が姿を見せるようになると、外国船から江戸を守る役割が加わりました。
本市ゆかりの人物を冊子で紹介しています
小冊子「ペリーと横須賀」「小栗こうずけのすけと横須賀」「ヴェルニーと横須賀」、子ども向けには「横須賀ゆかりの歴史上の人物」を市役所4階文化振興課でお配りしています。どうぞご覧ください。