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更新日:2026年3月30日
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横須賀市が誇る全国トップレベルの地域医療体制
全国に誇る横須賀市の地域医療体制。その強みはコロナ禍を経て強化された行政・医療機関の連携です。横須賀市元健康部長森田佳重氏を聞き手に、地域医療を支えるリーダーたちと市長が、あゆみと展望を語り合いました。

市長とリーダーたちが語る地域医療のこれまでとこれから
出席者紹介
- 横須賀市医師会長:髙宮光氏
救急医療センターの運営など、最前線で市民の健康と命を守る。
- 横須賀市歯科医師会長:半澤栄一氏
市内歯科医師と連携し、休日急患歯科診療所の運営などに取り組む。
- 横須賀市薬剤師会長:荒木稔氏
安全で効率的な薬剤管理や適正供給などを目指し、医療機関と連携。
- 横須賀市長:上地克明
地域医療の充実、全国に誇れる医療体制を三師会と共に推進。
- 聞き手:森田佳重氏
横須賀市の元健康部長。NPO法人あかり理事長。
夜間・休日も安心横須賀市の医療体制
聞き手
まず初めに、年末年始も安心して医療が受けられる体制について、救急医療センター顧問も務める髙宮会長に伺います。
髙宮
救急医療センターは、年末年始、24時間体制で患者を受け入れています。年間の受診者数は、関東甲信越1都9県の301施設中で最多です。加えて、治療レベルの高さ、市からの補助を受けない良好な経営状況などが評価され、昨年は神奈川県から「救急医療功労者」として表彰していただきました。今後も持続的に安定した運営を目指していきます。
荒木
救急医療センター内で調剤し、24時間体制で薬を処方しています。年末年始の患者数は1日に1,000件を超える場合もあり、私も対応にあたっています。毎週日曜日には市内の薬局が当番制で開局しているので、処方箋を柔軟に受け付けられる体制も整っています。
半澤
急な歯の痛みなどに対応できるよう、休日急患歯科診療所も同様に、日曜・休日の診療にあたっています。特に年末年始は患者数が増えるため、スタッフを増員し、体制を強化しました。21時まで開院しています。
上地
本当にありがたく、心強いです。この年末もありがとうございました。市民の皆さんの命と健康を守ることは、行政として最も重要な役割です。三師会の先生方と「四位一体」の関係が築けているからこそ、あらゆる事態にも柔軟に対応していけるのだと思います。
コロナ禍での連携地域医療体制の強化へ
聞き手
四者の連携の強さを後押しした出来事として、新型コロナウイルス感染症の対応が挙げられると思います。コロナ発生の一報を受けた際、市長のお気持ちはいかがでしたか。
上地
「自分が守らなきゃ、誰が守る」と覚悟が湧きました。そして、行政が一つになって先頭に立たなければ、医療現場の皆さまのご協力は得られないと。市長としての役割を強く認識した瞬間でもあります。
髙宮
医師会では、まず県内に先駆け、PCR検査センターを設置しました。最初の2件の検査結果がいずれも陽性で「これは本当に身近な脅威だ」と感じたことを覚えています。厳重な防護服に身を包み、検体を採取していた現場には、常に大きな緊迫感が漂っていました。その後は発熱外来を設け、延べ44,000件の受診があり、ピーク時の陽性率は約70%にも達しました。さらに、横須賀独自に中和抗体療法の体制を迅速に整え、県全体の10倍近い実績の約2,200件に対応し、感染拡大防止に努めました。
半澤
感染拡大に際し、ワクチン接種には行政や医師会の多大な協力があり、大変感謝しています。市内の多くの歯科医院では、感染対策強化のための機器などを導入し、コロナ前と変わらず診療を継続しました。クラスター発生は1件もなく、歯科医師会員の感染者はわずか2人にとどまりました。
荒木
救急医療センターでは、院外にも薬剤師を配置し、多くの患者の対応にあたりました。また、患者の自宅ポストへの薬の配達に加え、電話での服薬指導にも注力しました。100段以上の階段がある住宅も多いため、配達は決して容易ではありませんでしたが、横須賀市独自の配達費用の補助に支えられました。

地域フォーミュラリ導入へ災害時も安心
聞き手
コロナ禍での対策を通じ、強い信頼関係を築けたことは、地域医療のさらなる発展につながったと感じます。共に危機を乗り越えた今、四者間でどのようなことに取り組まれているのでしょうか。
荒木
人口減少と物価上昇の課題に対応するため、全国に先駆け、地域フォーミュラリの導入を進めています。これは「全員が同じ薬を使う」ことを強制するものではなく、先発品とジェネリックの価格や効果、費用対効果を比較して優先順位をつける仕組みです。災害時などに医師が参考にしやすい指針としても活用できます。医師の個々の診療方針は尊重しつつ、悩んだ際の支援ツールとして機能するのが特徴です。現在、医師会や歯科医師会と連携して運用しており、歯科分野では薬の種類が少ないため円滑に機能しています。市民の皆さんは、どの医療機関でも同等の効果が期待できる薬を受け取れ、市としては医療費の抑制や重複投与の防止にもつながっています。
半澤
さらに周知を進め、歯科医師会での拡大を図っていきたいです。特に、複数の薬を併用しがちな高齢者にとっては、予測できない副作用や有害事象のリスクが高まりますので、それを防ぐ上でも非常に有効な仕組みであると思います。
髙宮
有事の際にも大きなメリットがあります。大規模災害時に立ち上がる、救護所(応急処置を中心とした臨時施設)では、既に地域フォーミュラリと同様の仕組みが整っていると言えますが、導入によりさらに安心できる運営体制につながると思います。
上地
新しい取り組みや制度が次々と導入される中で、実は横須賀では既にモデルや基盤が整っているケースが多くあります。「そこからいかに発展させていくか」を考えてくださる、三師会の皆さんのご尽力に感謝するとともに、市民の皆さんの安心にもつながっていると実感しています。行政としても、制度の周知と普及に努め、今後も一丸となって取り組んでいけたらと思います。
健康寿命延伸を目指した地域医療の展望
聞き手
それでは、最後のテーマです。「ただ長く生きる」だけでなく、「できるだけ住み慣れた地域で自分らしく生活したい」という願いは、多くの市民の皆さんに共通していると感じます。今後の取り組みや展望について、順にお話を伺えればと思います。
上地
私の持論なのですが「人生の終わりの時点で、どれだけ幸福を感じられたか」は、生きる上で非常に大切な視点だと思っています。人生100年時代の今、長く健康な状態で過ごすことが、その幸福を増やすことにつながります。昨年、市では、健康データを活用した健康支援の取り組みを開始しました。その人の将来を予測し、生活習慣の改善などを職員がお手伝いすることで、発症予防につなげる仕組みです。健康づくりの土台として、推進していきます。
髙宮
横須賀には、共済病院、総合医療センター、市民病院と3つの大きな病院があります。これは、地域医療支援病院として定義され、神奈川県平均を大きく上回っています。大規模で機能の充実した病院が複数存在し、病院の集約化が進んでいることが横須賀ならではの強みと言えます。これを推進していくためにも、さくらネット(病院や薬局などの関係機関で患者情報を相互共有できるネットワークシステム)を広め、いつでも安全で安心な医療を提供し続けていきたいです。
半澤
高齢者や妊婦、障害のある方からお子さんまで、幅広い口腔ケアに取り組んでいます。特に、妊婦歯科検診や、集団フッ化物洗口(保育園・幼稚園が集団で行う虫歯予防)は、横須賀市独自です。また、口の機能の衰えは、要介護の入口とも言われていて、高齢者の皆さんにとっては関心の高い事柄の一つかもしれません。オーラルフレイル(加齢に伴う口の機能の衰え)予防にも一層注力していきます。
荒木
高齢化が進む中、多くの薬が処方される一方で、飲み忘れによる残薬が増え、副作用のリスクも高まっています。その対応策の一つとして、ネイビーバッグの配布(患者の不要な薬の無償回収)を進めています。医療機関と連携しながら、次回の処方を調整するだけでなく、薬の飲み合わせなども確認することで、服薬ミスや副作用のリスク低減につながります。患者さんの負担軽減や健康維持、医療費削減を目指していきます。
上地
ありがとうございました。それぞれのお立場で「市民のために何ができるか」を考えてくださる、三師会の皆さんの存在は本当に心強いと改めて感じました。皆さんのおかげで、横須賀の充実した医療体制を推進できることに改めて感謝を申し上げたいと思います。「誰も一人にさせないまち」に向けて、今後も「四位一体」での連携を深め、共に市民の皆さんの命・健康を守れる行政でありたいです。
市民の命を守る最前線―救急医療センター
比較的軽症な患者に対し、夜間・休日に応急的な処置を行う1次救急として屈指の受診者数を誇ります。内科、外科に加え小児科には小児の専門医を配置した安心の診療体制で、効率的な人員配置や薬剤整理などを徹底し、持続可能な救急医療を実現しています。

救急医療センターの沿革
1977(昭和52)年:田戸台の旧医師会館内に開設
1980(昭和55)年:三春町に新築移転
2014(平成26)年:現在の新港町に新築移転
数字で見る、救急医療の実績

救急車の受入数は県内トップクラスです。救急車で搬送される患者の9割以上をセンターで処置し、病院への患者の転送を減らすことで、病院はより高度な医療を必要とする救急患者への対応が可能に。開設以来、地域医療に貢献し、他の初期救急医療施設の手本ともされています。
救急医療功労者として神奈川県が表彰
これまでの実績、地域貢献と先駆的運営が評価され、昨年には神奈川県から「救急医療功労者表彰」を受賞。この賞は、救急医療の発展に努め、特に功労があり、他の模範となる施設などに与えられる名誉ある賞です。補助金や委託料に依存せず、診療報酬のみで運営している全国でも数少ない施設であることも評価の対象になっています。
市民の安心を支える「地域フォーミュラリ」
地域フォーミュラリとは、地域の医療機関や薬局が共有する標準的な薬のリストのことです。導入により、適切かつ効率的な薬の提供と用法の一貫性が保たれます。不要な処方や在庫過多を防ぎ、災害時にも迅速で確実な薬剤供給を実現。救護所に専門医が揃わない場合でも、一定量の薬がストックされ、「まずは3日間この薬で対応」といった確実な対処が可能です。地域医療の質と安全性を高める重要な仕組みです。
日曜・祝日も安心「休日輪番薬局」
仕事や用事で忙しい合間に病院や診療所を受診し、「薬は後でもらおう」と思ったまま、「週末を迎えてしまった」「処方箋の期限(4日間)が切れてしまった」という経験はありませんか。そんな時でも、横須賀市では薬剤師会の協力により、日曜日も輪番制で開局しているため、安心して薬を受け取ることができます。輪番薬局の情報は、横須賀市LINE公式アカウントから確認できます。
横須賀市民は「いつまでも元気」
医療や介護の取り組みでは、2つの重要な指標があります。それは、65歳の人の平均余命(平均して何歳まで生きられるかを示す数字)と平均自立期間(その中で介護や支援を受けずに、自分らしく元気に生活できる期間)です。この2つの差は、支援が必要な期間を表します。差が小さいほど、最期まで元気に自分らしく暮らし、穏やかに人生を全うできる理想的な姿といえます。

人生100年時代を迎えて地域で支える健康寿命
現在、横須賀市に暮らす100歳以上の人は約300人。人生100年時代の今、「いつまでも生き生きと、自分らしく暮らす」ということは、身近になりつつあるのではないでしょうか。皆さんの日々の健康を守り、未来の安心につながるさまざまな取り組みは、町内会・自治会や老人会、民生委員をはじめとする、地域の皆さんに支えられています。特に、介護予防やフレイル予防の推進は、地域での担い手の皆さんを軸に広がりが進んでいます。今後も、横須賀市は、地域医療を支える三師会との連携を深めながら、地域の皆さんと共に、一丸となってさらなる健康寿命の延伸を目指していきます。
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