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更新日:2022年10月12日

ページID:7142

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小柴昌俊(平成15年2月15日顕彰)

小柴昌俊先生のご功績

小柴昌俊先生は、大正15年(1926年)9月19日にお生まれになり、少年時代を横須賀市立諏訪小学校(当時は尋常高等小学校)、神奈川県立横須賀高等学校(旧制横須賀中学校)で過ごされました。

学生時代は、ご本人曰く「あまりいい生徒ではなかった。作曲家になりたいと思ったこともあった」そうです。

中学1年生のときに病気で半年近く入院しましたが、その際に担任の数学の先生からアインシュタインらが書いた物理学の本を贈られ興味を持ったのが、物理学との最初の出会いでした。

その後、東京大学理学部物理学科、ロチェスター大学大学院で物理学を修めました。

直径約50センチの光電子倍増管を持つ小柴先生の写真

小柴先生は、星が滅ぶ際の超新星爆発(星が寿命を終える時に起こす爆発)で生まれる謎の粒子、ニュートリノ(イタリア語で「小さな中性子」の意味)を検出するため岐阜県神岡町に観測施設「カミオカンデ」を昭和56年(1981年)建設し、昭和58年(1983年)に観測を開始しました。そして、昭和62年(1987年)2月23日、地球から約16万光年離れた大マゼラン星雲で起きた超新星爆発により放出されたニュートリノ11個を13秒間にわたって観測することに成功しました。天体からのニュートリノを、その時刻、エネルギーまで明確に検出したのは世界初で、この成果は超新星爆発の仕組みを解明し、光では観測不可能な星の中心部を直接研究することを可能とする、ニュートリノ天文学という新しい学問分野を開拓したのです。

平成10年(1998年)6月、「カミオカンデ」の性能を数十倍に高めた「スーパーカミオカンデ」は、ニュートリノに質量があることを確認する成果を上げ、素粒子理論に大きな影響を与えました。平成14年(2002年)10月8日、スウェーデン王立アカデミーは、ノーベル物理学賞を小柴先生に贈ると発表し、同年12月10日にその授賞式が行われました。受賞の理由は「天体物理学、特に宇宙ニュートリノの検出へのパイオニア的貢献」でありました。

これらの功績と栄誉をたたえ、横須賀市は、平成15年(2003年)2月15日の市制施行96周年記念式典において、小柴先生を初の横須賀市名誉市民として顕彰いたしました。

スーパーカミオカンデとニュートリノ

カミオカンデ(核粒子崩壊実験 Kamioka Nucleon Decay Experiment)

カミオカンデは、岐阜県神岡鉱山の地下1,000メートルの地点に設けた観測所で、直径15.6メートル、高さ16メートルの水槽に純水3,000トンを満たした大水槽です。

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ニュートリノの中には、大量の水があれば、水分子中の電子と衝突するものがあり、その電子がチェレンコフ光という青い光を出します。水槽内壁には、この実験のために特に開発された、直径50センチの光電子増倍管約1,000個を、1平方メートルに1個の割合で配置してあり、この光電子増倍管でチェレンコフ光を捕らえます。

カミオカンデでは、こうした方法で超新星爆発の際に放出されるニュートリノや太陽からのニュートリノを観測しました。ニュートリノを観測すれば光では観測不可能な星の中心部を直接研究することが可能になります。(ニュートリノ天文学)。また、これらのニュートリノの観測によりニュートリノ自体の性質も明らかになることが期待され、現在も新装置スーパーカミオカンデ(Super-Kamioka Neutrino Detection Experiment)によって観測が続けられています。このように宇宙ニュートリノの観測は、天文学および素粒子物理学にとってきわめて重要なことであります。

ニュートリノとは

ニュートリノは、宇宙空間に充満する基本粒子です。電気を帯びていないことなどから観測が非常に困難であり、1950年代にようやく「実在」が確認されました。
超新星爆発や太陽内の核融合反応で発生し、宇宙に大量に飛び散りますが、ほかの粒子とほとんど反応せず、あらゆる物質をすり抜けて進む性質があるため、観測が難しく、「幽霊粒子」とも形容されてきました。
そのニュートリノを何とか観測しようと工夫をこらしたのが、小柴先生が作ったカミオカンデです。

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(写真提供:東京大学)

小柴昌俊先生の略歴・受賞歴

略歴

大正15年(1926年)9月 愛知県豊橋市にて生誕

昭和14年(1939年)3月 横須賀市立諏訪尋常高等小学校卒業

昭和19年(1944年)3月 神奈川県立横須賀中学校卒業

昭和23年(1948年)3月 第一高等学校卒業

昭和26年(1951年)3月 東京大学理学部物理学科卒業

昭和30年(1955年)6月 ロチェスター大学大学院修了(Doctor philosophy)

昭和30年(1955年)7月 シカゴ大学リサーチアソシエイト

昭和33年(1958年)3月 東京大学助教授(原子核研究所)

昭和38年(1963年)11月 東京大学助教授(理学部)

昭和45年(1970年)3月 東京大学教授(理学部)

昭和49年(1974年)6月 東京大学理学部附属高エネルギー物理学実験施設長

昭和52年(1977年)4月 東京大学理学部附属素粒子物理学国際協力施設長

昭和58年(1983年)7月 KAMIOKANDE発足

昭和59年(1984年)4月 東京大学理学部附属素粒子物理国際センター長

昭和62年(1987年)3月 超新星SN1987Aよりのニュートリノの観測を発表

昭和62年(1987年)5月 東京大学名誉教授

昭和62年(1987年)8月 東海大学理学部教授

平成6年(1994年)6月 東京大学素粒子物理国際研究センター参与

平成14年(2002年)12月 日本学士院会員

平成15年(2003年)10月 財団法人平成基礎科学財団設立 理事長就任 

平成17年(2005年)1月 東京大学特別栄誉教授

令和2年(2020年)11月 ご永眠

受賞

昭和60年(1985年)ドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章

昭和62年(1987年)仁科記念賞

昭和63年(1988年)朝日賞

昭和63年(1988年)文化功労者

平成元年(1989年)日本学士院賞

平成9年(1997年)藤原賞

平成9年(1997年)文化勲章

平成12年(2000年)Wolf賞

平成14年(2002年)ノーベル物理学賞

平成15年(2003年)ベンジャミンフランクリンメダル

平成15年(2003年)勲一等旭日大綬章

平成19年(2007年)Erice賞

お問い合わせ

市長室秘書課

横須賀市小川町11番地 本館1号館3階<郵便物:「〒238-8550 秘書課」で届きます>

電話番号:046-822-8118

ファクス:046-824-2610

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