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更新日:2022年4月1日

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 店舗のオンライン化セミナー 実施報告記事 その2

 ※本記事は、令和3年2月に実施した実践型ワークショップの内容をもとにしています。

スマホひとつで簡単チャレンジ!SNSをつかった集客とオンライン販売

お店の商品をオンラインで売りたい。新規のお客様に発見してもらいたい。そうしたとりくみを始めるのに、高価なパソコンや大きな広告費用といった出費は必要ではありません。

スマートフォンひとつあれば、基本的なウェブストアの開設から商品の登録、そしてSNSを利用した集客まで、一通りの活動を始められます。

今回はネットを利用して商品やサービスを販売するために必要な知識について、さらに実践的な内容について前回の記事とおなじく横須賀市で開催されたワークショップの内容に触れつつご紹介したいと思います。

だれに発見してほしい?ネットでの集客は「ターゲティング」が鍵

前回の記事でも触れたとおり、ネットで商品を売るには潜在顧客が検索したときに発見してもらえる「ホーム」が重要です。

たとえば「横須賀」「ネイビーバーガー」で検索した人の画面に、あなたのホームであるネイビーバーガーのお店のウェブページやSNSアカウントが表示されるかが勝負になります。

しかしこのとき、ネット上のすべての人に発見してもらいたいと頑張りすぎるのは、かえってメッセージが薄まり逆効果の危険性もあります。あなたのお店が地域に密着した居酒屋や美容室である場合は、本当に集客したいのは店の周辺から少しだけ拡大した、地域の潜在顧客という場合もあるでしょう。

すると、ネットでの検索キーワードはもっと詳細な地域名であったり、地元の催しやお祭りの名前といったように絞られてきます。こうしてキーワードを絞ると他県の人や海外の人は探しにくくなるかもしれませんが、狙いが地域の顧客ならそれは正しい戦略になるのです。

このように、集客したい人に狙いを定めて発信の仕方を変えてゆくことをマーケティングの用語では「ターゲティング」といいます。難しい概念に見えますが、基本は「発見してほしい言葉を自分から使うようにする」と覚えておくのがよいでしょう。

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発見してもらえるSNSの運用

顧客のターゲティングを一番簡単に意識できるのが、TwitterやInstagramといったSNSのプロフィール欄です。ここにはお店の名前、地域や位置情報、開店時間と定休日といった、お店についての基本情報だけでなく、発見してほしいキーワードを自然に散りばめる必要があります。

たとえばTwitterの検索欄でさきほどのように「お店の名前 商品名」といったキーワードで検索してみてください。もし、これであなたのアカウントが見つからないようならば、プロフィール欄にどちらかの情報が抜けていて、顧客はあなたのアカウントを検索できない状態だと推測できます。

お店の名前だけではなかなか認知してもらえない場合は、近くの観光地やランドマークといった、多くの人が知っているキーワードを含めるのもいいでしょう。

ターゲティングはふだんの投稿でも常に意識する必要があります。よくある間違いに、お店のランチメニューを写真で撮影して「今日のランチです」と投稿するだけという例があります。一見、情報は十分そろっているように見えますが、写真だけでは検索ができませんので文字情報でしっかりと説明しなければ見つけてもらえませんし、馴染みの客でなければなにがおすすめかもわかりにくいでしょう。

そこで投稿のなかにお店の名前や、おすすめの商品の名前や、旬の語句といったキーワードを必ず入れるようにします。そうした地道なターゲティングによって、あなたのお店をネット上で発見し、認知する人がしだいに増えてゆくのです。

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考慮したい投稿頻度と投稿タイミング

ふだんの仕事が忙しい場合、すぐに成果がでてくるとは限らないSNSの投稿はつい後回しにしてしまいがちです。しかしそれでも数日に一回、できれば毎日定期的に、なんらかの投稿をすることをおすすめします。

お店のアカウントが何ヶ月も更新されていないのはまるで閉店しているようにみえますし、リプライや問い合わせをしたとしても返事がもらえそうにない印象を与えます。多くの人に「いいね!」をされたりバズる必要はありません。一定頻度で投稿があるだけでもアクティブなアカウントだと思ってもらえるでしょう。

投稿をするなら、一日のなかのタイミングも重要です。たとえばTwitterは多くの人が朝や昼休みの時間帯にチェックしていますので、通勤時間帯や昼休みを狙った投稿をおこなうのが効果的です。逆にInstagramは昼下がりや、週末のリラックスしたタイミングを狙うといったように、お店の特徴や投稿の種類にあわせてなんども試しながら調整を加えていきます。

時間にあわせてSNSの更新をするには、BufferやSocialDogといったツールを使います。Bufferは「朝9時」「昼12時」といったように投稿する時間枠をあらかじめ定義し、TwitterやFacebookページに投稿したい内容を登録しておけば、あとは自動的にその時間枠に順に投稿を行ってくれるサービスです。SocialDogにも予約投稿の機能があり、時間を指定してTwitterの投稿を行うことが可能です。こうして夜のうちに準備した投稿を、昼の間に自動的に公開できるのです。

BufferもSocialDogも、スマートフォンアプリが便利ですので、パソコンがなくてもスマートフォンだけでSNS対策が可能になります。

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スマートフォンからつくれるStoresのウェブストア

ウェブストアも、スマートフォンから簡単に作れます。たとえばStoresは、ストア名、店の説明、商品の説明などをスマートフォンのメモ帳で編集しておき、それをコピー&ペーストするだけですぐにウェブストアを開設できるのです。

ウェブストアに必須な特定商取引法の表示も、具体的な例にそってあなたのお店にあわせた表現に書き換えるだけで適切な表示が可能です。また、顧客管理や販売管理といった店の業務もスマートフォン上からStoresのサイトを通して管理できますし、見逃しがないようにメールでの通知も設定できます。

ここで大切なのは、ウェブストアのデザインがスマートフォンでの表示に対応していることです。ウェブストアをすでにもっている店も、パソコンでは美しく表示されるもののスマートフォンに対応していなかったり、字が小さすぎて読めないといった問題を抱えていることがしばしばです。いま、ほとんどの人はスマートフォンで情報をみていますので、それを念頭においた見栄えや簡潔な説明を心がけるようにしましょう。

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スマートフォンだけで簡単に商品撮影を

ウェブストアに商品を登録する際に、決め手となるのは写真です。いかに言葉で説明を尽くしても、魅力的な写真の説得力の比ではありません。言葉の説明は検索のためと割り切り、キーワードがちゃんと盛り込まれているかに集中して、商品の魅力は写真で語るほうがよいでしょう。

美しい写真を撮影するのに、プロのカメラマンにお願いする必要は必ずしもありません。スマートフォンだけでも、簡単に「盛った」写真を撮影できます。

このとき重要なのが、光を意識することです。商品や、お店の部屋の様子を撮影する場合も、なるべく午前中の明るい自然光を取り込むのがいいでしょう。また、最近のスマートフォンは手前にピントをあわせて、背景に適度のボケを入れる表現も得意ですので、演出として積極的にとりいれるようにします。

きれいな背景が用意しづらい場合は、数千円で購入可能なLED照明付きの撮影ボックスを利用します。撮影ボックスで光を調整し、背景紙の色で商品を引き立たせ、スマートフォンで撮影するだけで、商品写真の魅力はぐっと上がります。

最後に SnapSeed のような写真レタッチアプリを利用すれば、多少暗い写真を明るくしたり、色温度を暖かくしたり冷たくしたりといった補正が自在に可能となります。

以前ならばプロの機材とスタジオが必要だった商品撮影も、いまでは簡単な撮影ボックスとスマートフォンと無料のアプリだけでも十分になったのです。

炎上対策は誠実に、しかし毅然として

顧客があなたのお店を発見できるウェブストアとSNSのアカウント、そして魅力的な商品説明の写真を用意すれば、ネット上で商品を売るための準備は整います。

あとは実践あるのみですが、ここで多くの人にとって気になるのが、ネットで強い批判をうけたり、炎上してしまうといったリスクです。SNSに不用意に投稿した内容がクレームにつながったり、ネット上のやりとりがケンカになってしまってお店への風評被害につながらないかといった心配です。

ネットにおける風評被害・炎上対策の専門家である株式会社Miteruのおおつねまさふみ氏は、ネットにおけるトラブルのリスクは常に存在するものの、それを恐れるあまりにネットを活用しないのは交通事故を恐れるあまりに車を使わないのと同じだと指摘しています。

また、ネット上のトラブルの多くは、発信する側と受け取る側の認識のギャップから生じているとおおつね氏は言います。

たとえば飲食店で鮮度の落ちた食材を処分するのは仕事上仕方がありません。しかしそれをうっかりネットに書き込むと、そうした店側の常識に馴染みがない人が「もったいない」と反応してしまうかもしれません。

あるいは、配送上のトラブルなどといったように、店側には落ち度がなくてもそれを不満に思った顧客がクレームをSNSで書き込むといったケースもあるかもしれません。そのとき「配送のせいで」と切り出してしまうと、客から見ると責任を転嫁しているように聞こえる可能性もあります。

こうしたとき大事なのは、認識にギャップがあることを理解して、丁寧に、しかし毅然として対応をする態度です。相手のせいや誰か他の人のせいにせずに誠実に対応をしつつも、落ち度がない部分についてはそれを丁寧に説明し、相手がこちらの対応について腑に落ちるようにもっていきます。

ネット上のうっかりとした書き込みによって多くのユーザーが集中的に批判を寄せる、いわゆる「炎上」の場合でも対応の仕方は同じです。ひとまず誠実に謝罪して反省していることを強調して批判の拡大を落ち着かせ、落ち度のない部分についてはケンカや言い合いをするのではなく、丁寧に説明を行います。

こうした誠実な対応を早めにとれば、叩きどころがなくなるために炎上は力を失いますし、それをSNS上でみている第三者の目からみても店の信頼度は高まります。

続けられることからはじめよう

店舗をオンライン化し、商品をネットで販売するには地道な努力が必要です。すぐに結果を生み出そうとするとターゲティングがぼやけてしまいますので努力が空回りするか、注目を集めようとするあまりにうかつな投稿をしてしまって炎上を引き起こしかねません。

しかしその一方で、利用しやすいウェブストアを開設し、日々の店の様子や商品を美しい写真に撮影してネットに投稿するのは、スマートフォンひとつで可能な時代になりました。一朝一夕では結果は出ませんが、オンライン販売の努力を続けるためのハードルはかつてないほど下がっているのです。

これから店舗のオンライン化とウェブでの販売をするかたにおすすめしたいのは、楽しく、やりがいをもって続けられることをSNSでの情報発信につなげて、それをゆるやかにウェブストアへの誘導へと活用するスタイルです。

例えば店主の趣味の投稿を店のブランディングに活用してみたり、地域の日々の生活をInstagramで撮影しながらお店のイメージを潜在顧客に訴えかけてみたりといったように、その人でなければできない情報発信とターゲティングの形があるはずです。

楽しく続けられることからコツコツと、それが長い目でみた店舗のオンライン化を成功に導く秘訣なのです。

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