総合案内 > 健康福祉・子育て教育 > 福祉 > 障害者福祉 > 障害のある人を理解するためのガイドブック > 共生社会実現のために~障害のある人を理解するためのガイドブック~(テキスト版)
更新日:2024年4月29日
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障害は、生まれた時からある人もいれば、病気や事故、あるいは年をとることによって発生する場合もあり、誰にでも生じる可能性のある身近なものです。そして、障害にはさまざまな種類があり、その人ごとに状況は違います。また、外見だけではわからない障害もあります。
障害のある人は、日常生活や社会生活を送る中で、不便なことや困難に感じていることがたくさんあります。そして、これらの中には社会によってつくり出されたものが多く、周囲の人の理解やサポートがあれば、不便さや困難さを感じないで済むことがあります。
横須賀市では、障害のある人もない人も分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重しあいながら共生する社会の実現を目指しています。この共生社会実現のためには、多くの市民の皆様に障害及び障害のある人をより深く理解していただくことが重要だと考えています。
この冊子により、市民の皆様に障害及び障害のある人に対する理解を深めていただき、共生社会の実現に向けた第一歩になれば幸いです。
※このガイドブックに掲載している内容は、あくまでもそれぞれの障害の基本的な情報の例示で、特性や必要な配慮などは一人一人違います。 身の回りに障害のある人がいる時は、その人の個性を理解・尊重し、本人の意思を確認しながら、その人に合わせたサポートをお願いします。 |
障害のある人もない人も分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重しあいながら共生する社会を実現しましょう。
視覚障害には、まったく見えない「全盲」、メガネなどで矯正しても視力が弱い「弱視」、見える範囲(視野)が狭い「視野狭窄」があります。
また、生まれつきの障害か、病気(糖尿病・緑内障など)や加齢、事故などによる障害(中途障害)かによっても、その障害の内容や必要な配慮には個人差があります。
聴覚障害は、人の声や物音が聞こえない、または聞こえにくいという障害です。外見から障害のあることがわかりにくいことと、話し言葉で情報を得ることやコミュニケーションを図ることができないことに困っています。
この障害は「ろう者」と「中途失聴者・難聴者」の二つに分けられます。
「ろう者」とは手話を第一言語として日常的に使っている人をいいます。手話は日本語とは異なる言語です。したがって、難しい日本語や長い文章が苦手な人がいます。また、発音が不明瞭など、話すのが苦手な人がいます。
一方、「中途失聴者・難聴者」とは、話し言葉を覚えた後に、病気や事故などにより聞こえなくなったり、聞こえにくくなった人をいいます。文字や相手の口の動き(口話)などの視覚情報がコミュニケーション手段の中心で、手話ができるとは限りません。普通に話すことはできても聞き取ることが難しいので、誤解を受けることが多いです。
視覚と聴覚の両方に障害を併せ持つ人の総称です。
重要な感覚器官の2つが失われているため、さまざまな場面で、情報を得ることやコミュニケーション、移動が困難な状態に置かれ、孤独な生活を強いられています。
先天的に両方の障害がある場合や、元々どちらかの障害があったところにもう一方の障害が重なる場合(例:聴覚障害者が後に視覚障害を患った)など、発症の経緯はさまざまです。また見え方・聞こえ方の状態や程度も人それぞれで、視覚と聴覚以外の障害を併せ持つ場合など多様なため、一人一人に合わせた支援が必要です。
コミュニケーション手段としては、相手の手話に直接触れて読み取る「触手話」や、相手の指を点字タイプライターに見立て、指に点字を打つ「指点字」、手のひらに文字を書く「手のひら書き」などがあります。少し視力や聴力が残っている場合は、「弱視手話」「筆記」「音声」などの方法があります。
肢体不自由とは、手や足のまひや欠損、あるいは体幹の機能障害で、立ったり、歩いたり、物の持ち運びなどの日常動作や、姿勢の維持に不自由のあることを言います。移動に車いす、杖、義足、補装具を使用している人もいます。
また、肢体不自由の中でも、脳性まひなどにより全身に障害が及ぶ場合もあります。この場合は、自分の意思に反して手足や顔が動く(不随意運動)という特徴があり、言語障害がある場合もあるため、意思の伝達が困難なことがあります。
障害の程度によってかなりの個人差があり、いくつかの障害を併せ持つこともあります。
交通事故や脳血管障害などの病気により、脳にダメージを受けることで生じる認知障害や行動障害などの症状のことをいいます。身体的には障害が残らないことも多く、外見ではわかりにくいため「見えない障害」とも言われています。
また、本人に障害の自覚がないこともあり、後でトラブルの原因になることもあります。
記憶障害
注意障害
遂行機能障害
社会行動機能障害
内部障害は、主に内臓機能の障害です。
外見からはわからないため、周りの人から理解されにくいことがあります。
心臓機能障害
心筋梗塞や狭心症、不整脈などによって心臓の機能が低下した状態で、ペースメーカーなどを使用している人もいます。
動悸、息切れ、疲れやすいなどの症状があります。
呼吸器機能障害
さまざまな病気により呼吸器機能が低下し、体内の酸素が不足する症状で、酸素ボンベから吸入していたり気管内チューブを使用する必要があります。
慢性的な呼吸困難、息切れ、咳などの症状があり、タバコの煙が苦しく感じます。
腎臓機能障害
病気などにより腎臓の機能が低下して、体内に有害な老廃物や水分が蓄積されます。腎不全になると、基本1日おきの人工透析が一生涯必要になります。
厳しい飲食の制限と、定期的な通院に対する配慮が必要です。
ぼうこう・直腸機能障害
さまざまな病気によりぼうこうや直腸の機能が低下し、排尿・排便のコントロールが困難です。ストマ(人工ぼうこう・人工肛門)を付けている人もいて、「オストメイト」といいます。
排せつ物の処理やパウチ(尿や便をためておく袋)を洗浄できる広いトイレが必要です。
免疫機能障害
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)に感染することによって免疫機能が低下した状態で、抗ウィルス剤を服用しています。
血液や精液などにより感染しますが、唾液、汗、尿では感染しません。
これら以外にも、肝臓機能障害や小腸機能障害もあります。 |
知的障害は、生活や学習面で現れる知的な働きや発達が同年齢の人の平均と比べてゆっくりとしていることをいいます。外見からはわかりにくい障害です。
発語がなく身の回りの全面的支援が必要な重度の人から、社会生活を送れる軽度の人まで、障害の現れ方にさまざまな違いがあります。
主な原因としては、生まれつきの障害(染色体異常など)や、出産時の脳の圧迫などのトラブル、乳幼児期の感染症や脳外傷などがありますが、多くの場合は原因が不明です。
精神障害とは、精神疾患のために日常生活や社会生活がしづらくなることをいいます。
多くの場合、適切な治療を受けることで症状が安定し回復に向かいますが、症状が残ったり、再発したりすることもあります。
外見からはわかりにくい障害で、障害の特性もさまざまです。
ストレスや生活環境などの何らかの原因によって、脳内の神経の情報を伝達する物質のバランスが崩れることによって引き起こされるといわれているほか、アルコール中毒や薬物中毒などが原因になる場合もあります。
統合失調症
うつ病、双極性障害
発達障害は、生まれつきの脳機能の障害と考えられていて、理解や行動の面で生活しづらいことがあります。多くは低年齢で特徴が現れますが、成長してから気づくことも多いです。
外見からはわかりにくい障害で、発達障害の中でもさまざまな特徴があり、それらやその他の障害が重複することも多く、一人一人特徴の現れ方は違います。その特徴や行動から誤解されることも多いですが、親の育て方や本人の努力不足によるものではありません。
一生この特性と付き合っていかなければなりませんが、適切な支援によって状態を改善することができます。
自閉症、アスペルガー症候群を含む自閉スペクトラム症(ASD)
学習障害(LD)
注意欠如・多動症(ADHD)
発病の原因が不明で、治療方法が確立しておらず、長期の療養を必要とする疾病を難病と呼んでいます。ただし、完治はしないものの、適切な治療や自己管理を続ければ、普通に生活ができる疾病が多くなっています。
「難病のある人」と一口に言っても、疾病数は多く、病状は一人一人違います。病気であることが外見から分かりやすい人もいれば、病気であることが分かりにくく、理解されにくい場合もあります。先入観や偏見を持たずに接することが大切です。
街で見かける障害のある方にかかわる主なマークは次のとおりです。
これらのマークを見かけた時は、障害のある方へのご理解とご配慮をお願いします。
障害のある方が利用できる建物や施設であることをわかりやすく示すための世界共通のシンボルマークで、すべての障害のある方を対象としています。
肢体不自由であることを理由に運転免許に条件を付されている方が車に表示するマークです。
聴覚障害であることを理由に運転免許に条件を付されている方が車に表示するマークです。
視覚障害者の安全やバリアフリーに配慮した建物、設備、機器などに付けられている、世界共通のマークです。
聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマークです。窓口等に掲示されている場合は、聴覚障害者へ配慮した対応ができることを表しています。
身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。公共施設及びお店などの民間施設は身体障害のある人が補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)を同伴するのを受け入れる義務があります。補助券はペットではありません。社会のマナーもきちんと訓練されており、衛生面でもきちんと管理されています。
オストメイトとは、人工肛門・人工膀胱を造設している排泄機能に障害のある障害者のことをいいます。このマークは、オストメイトの為の設備があること及びオストメイトであることを表しています。
見た目では分かりにくい身体内部に障害がある人を表すマークです。周りの人に気づいてもらう為に身体内部に障害がある人が身につけたりします。
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見からは分からなくても周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです。
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