ホーム > 市政情報 > 横須賀市紹介 > 市の組織 > こども家庭支援センター こども家庭支援課 > 子どもの権利を守る条例 > 子どもの権利を守る条例 逐条解説

更新日:2022年6月9日

ここから本文です。

横須賀市子どもの権利を守る条例 逐条解説

逐条解説

前文   
人は、この世に生を受けた瞬間に命の営みが始まる。それは、誰もが等しく与えられた命であり、等しく与えられた未来の始まりでもある。だからこそ、そのかけがえのない命は、尊ばれなくてはならない。
子どもも一人の人間として様々な権利を有し、一人一人の個性が尊重されることは当然である。
これら子どもの基本的人権を保障するため、国際連合において、児童の権利に関する条約が採択され、我が国においても批准されている。しかしながら、現実には、様々な差別が存在している。そして、子どもは、体も心も未熟であるとして、本来、人間として有する自由な生き方、意思の表現が抑えられてしまう場合がある。
さらに、我が国では昨今、子どもへの虐待が深刻な社会問題となっている。その中では、最も尊ばれるべき命が奪われてしまうことがあり、あってはならない問題である。
子どもたちを守り、子どもが子どもらしく生きることを保障するため、本市においてこの条例を制定することとなった。本市では、中核市に移行した後、市単独の児童相談所を設置した。それは、「横須賀の子どもは、横須賀が守る。」という当時の決意であり、今も変わらぬ市としての決意の表明である。
子どもが、保護者の愛情のもとに育まれ、地域や学校など多くの関わりの中で人間として成長していく。この条例は、それを見守り、支えるために、子どもの権利を明記し、子どもに関わる大人や組織が果たす役割を定め、全ての市民がそれを実践するための指針となるべきものである。
全ての子どもは、その子どもにとって最も望ましい生き方が尊重されなくてはならない。未来を担う子どもたちのすこやかな成長が、全ての市民に幸せをもたらし、海や緑など自然に恵まれた本市が、さらにより良いまちになることを願って、この条例を制定する。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、全ての子どもを一人の人間として尊重し、市、保護者、学校等、地域及び事業者(以下「市等」という。)の果たすべき役割並びに子どもに関する施策の基本となる事項等を定めることにより、子どもの権利を保障することを目的とする。


【趣旨】
国の批准した「児童の権利に関する条約」(以下条約という)の理念について、市として実現をめざすものである。

【解説】
子どもの権利を明確化し、子どもが生活するそれぞれの分野ごとにその役割を定め、社会全体でそれを保障することを目的としている。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)子ども 18歳未満の全ての者及びそれらの者と同等に権利を有する者をいう。
(2)保護者 親及び子どもを養育する者をいう。
(3)学校等 学校、保育所その他の子どもが学び、育つ施設の関係者及びその組織をいう。
(4)地域 子どもが生活する地域の住民及び団体をいう。
(5)事業者 市内に事務所又は事業所が所在する全ての事業者をいう。


【趣旨】
この条例でいう、子ども、保護者、学校等、地域、事業者について定義をしている。

【解説】
(1)子どもの範囲は、児童の権利に関する条約、児童福祉法、児童の虐待等の防止に関する法律で、その対象年齢を18歳未満としていることから、それに合わせている。また、18歳以上であっても、高等学校等に在学している場合や児童養護施設に入所している場合など個別の事情により同等に扱うことが適当である場合は、同等に権利を持つ者としている。
(2)保護者については、親、児童福祉法で定める里親、及び児童養護施設などで親に代わり子どもを養育する者をいう。
(3)学校等については、学校、保育所、幼稚園、児童養護施設など、子どもが学び育つ施設をいう。子どもとの関わりにおいて主には教職員などその施設の関係者であるが、「学校として」などということもあることから、それぞれの組織も含まれる。
(4)地域については、子どもが生活する地域の住民、及び町内会や子ども会、社会福祉協議会、市民活動団体など、子どもと関わりのある団体をいう。
(5)事業者については、市内に住所をおく全ての事業者をいう。

第2章 子どもの権利
(子どもが安心して生きる権利)
第3条 子どもは、安心して生きるため、次のことが保障される。
(1) 命が守られ、愛情と理解をもって育まれること。
(2) あらゆる差別を受けず、差別による不利益を受けないこと。
(3) 虐待や体罰、いじめなど、あらゆる暴力を受けないこと。
(4) 平和で安全・安心な生活ができること。


【趣旨】
子どもが、一人の人間として生きていくための基本的人権を保障する。

【解説】
(1)主に条約第6条に対応している。子どもは、生まれた瞬間から一人では生きていくことができない。そのため親などの養育者の深い愛情のもとで育てられることにより、豊かな人間性が育まれることの保障がされなければならない。
(2)条約第2条に対応している。全ての子どもは、人種、皮膚の色、性、宗教、政治的意見、社会的出身、心身の障害、出生などによって差別されてはならず、それを理由とした不利益を受けることがあってはならない。
(3)主に条約第19条に対応している。大人は、どのような理由があろうとも、子どもに対し虐待や体罰を行ってはならない。また、子どもは互いに認め合い、尊重し合うことが大切であり、子ども同士でいじめや暴力があってはならない。
(4)条約第38条は、子どもが武力紛争等に巻き込まれないことを定めている。平和・安心・安全は誰もが望むものであり、とりわけ子どもは心の負担が人格形成上で大きな影響を受けることから、その確保が望まれる。


(子どもが自ら守り、守られ、育まれる権利)
第4条 子どもは、家庭や社会の中で、自分を守り、又は自分が守られ、育まれるため、次のことが保障される。
(1) 健康が保持され、適切な医療が受けられること。
(2) 遊び、学び、休息のできる環境が確保されること。
(3) すこやかに育つために社会全体から必要な支援を受けられること。
(4) すこやかな育ちが妨げられるとき、その状況から逃れること。
(5) 困っていることを相談し、助けを求めること。


【趣旨】
子どもが自ら自分を守り、また守られるべきことを保障する。

【解説】
(1)条約第24条に対応している。子どもは、保護者によって健康的な生活が保障されなければならない。また、保護者にそれができないとき、市或いは子どもを支援する組織等がそれを支援しなければならない。
(2)条約第28条及び第31条に対応している。子どもは、遊ぶこと、学ぶこと、体を休めることが成長に大切なものであり、それができる生活環境が物理的・時間的に保障されなければならない。
(3)主に条約第4条及び第27条に対応している。子どもがすこやかに育つには、健康の保持、安心のできる生活、遊びや学びの確保などが必要である。そのためには、保護者をはじめ社会全体から支援の手が差し伸べられなければならない。
(4)主に条約第19条、及び第32条から第38条に対応している。子どもは、暴力や有害な労働、麻薬などの使用、性的搾取、誘拐など自らの健全な育ちを妨げる状況から逃れる権利が保障される。
(5)主に条約第12条に対応している。子どもが、その生活において困っているとき、相談のできる場所や助けを求める場所がなければならない。インターネット、特にSNSを介した被害や、家事や家族の介護を担っているヤングケアラーなどへの対応も必要である。

(子どもの個性が尊重される権利)
第5条 子どもは、その個性が尊重されるため、次のことが保障される。
(1) 一人一人の個性や考え方が尊重されること。
(2) 自分の意思を自由に表現し、それが尊重されること。
(3) 自分を表現するために、必要な情報を得られること。
(4) プライバシー及び名誉が守られること。


【趣旨】
一人一人のもつ個性が尊重されることを保障する。

【解説】
(1)主に条約第2条及び第16条に対応している。一人一人が異なる思考や興味、考え方をもっているのであり、それが尊重されなければならない。
(2)条約第12条及び第13条に対応している。子どもは自由な方法でいろいろな考えを伝えることができる。但し、そのときには、相手や周囲への配慮が必要である。
(3)条約第13条に対応している。自分の意思を自由に表現するため、そのための様々な種類の情報を得ることが保障される。
(4)条約第16条に対応している。子どもは、自分や家族、住んでいるところ、電話や手紙などのプライバシーが守られる。また、他人から誇りを傷つけられない権利をもっている。プライバシーの侵害は、子どもの自尊心を傷つけ、自信の喪失、自己を否定的に捉えてしまう要因にもなることから、より子どものプライバシーが守られる必要がある。

(子どもが参加する権利)
第6条 子どもは、自分の意思で文化、芸術及びスポーツや地域及び社会の活動に参加するとき、次のことが保障される。
(1) 自分の意見を表明し、その意見が尊重されること。
(2) 自由に仲間をつくり、集うこと。
(3) 参加しようとするとき、必要な情報が提供されること。


【趣旨】
子どもが、様々な活動に参加のできることを保障する。


【解説】
(1)主に条約第31条に対応している。自分自身の意思を家庭や学校等、地域でありのままに伝えることができる。また、子どもの最善の利益を考えた上で、それが尊重されることが大切である。次に、子どもが、文化・芸術・スポーツ活動、或いは町内会や子ども会など地域での活動に参加したいというとき、その意思が尊重されなければならない。
(2)条約第15条に対応している。子どもは、学校等や地域において自分の意思で仲間をつくること、遊びや娯楽、社会活動などを目的としてみんなで一緒に集まることが保障される。
(3)条約第31条に対応している。子どもが様々な活動に参加しようとするとき、保護者は適切なアドバイスをしなければならない。また、市は、適切な情報を提供し、必要な機会をつくり、参加の奨励に努めなければならない。

第3章 子どもの権利を保障するための責務
(保護者の責務)
第7条 保護者は、子どもの成長に第一義的な責任があることを自覚し、市等の支援を活用しつつ子どもの発達に応じた養育に努めなければならない。
2 保護者は、子どもが自らの権利を正しく理解し、他者の権利を尊重できるよう、必要な指導に努めなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を保障するための保護者の責務を定める。

【解説】
1.主に条約第18条に対応している。保護者は、その子どもが成長し、自立するまで、その養育に責任を持たなければならない。また、子どものもつ権利は認められなければならないが、条約第5条にあるとおり、保護者には、子どもの発達に応じて子どもを養育する責任があり、その際には、市や学校等、地域、事業者などから必要な支援を受けることができる。
2.保護者は、子どもに自らの権利が尊重されることを正しく理解できるように教えなければならないが、それと同じように、他者の権利を尊重することも大切であることを伝えなければならない。子どもにとっては、保護者が手本になることも忘れてはならない。


(市の責務)
第8条 市は、子どもの権利を保障するため、国及び神奈川県その他の地方公共団体と連携するとともに、あらゆる施策を通じて、子どもの権利の保障の実現を図るよう努めなければならない。
2 市は、保護者、学校等、地域及び事業者がそれぞれの責務を果たすことができるよう、必要な支援を行わなければならない。
3 市は、子どもの発達に応じて、遊び、学び、休息のできる居場所を確保することに努めなければならない。
4 市は、子どもが貧困等、どのような事情があっても、それによる不利益を受けることのないよう必要な配慮をしなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を保障するための市の責務を定める。

【解説】
1.条約第4条、第24条、第27条に対応している。市は、子どもの権利を保障するために、国や県と連携することは不可欠であり、市の行うあらゆる施策においてその実現に向けた努力がなされなければならない。
2.条約第4条、第18条に対応している。市は、子どもの権利を保障するため、保護者、学校等、地域、事業者と連携することも大切である。また、それぞれが定められた責務を果たすため、必要な場合には財政的な支援などを行わなければならない。
3.主に条約第31条に対応している。子どもが、日々の生活をする上で、遊び、学び、休息のできる環境がなければならない。そのため、市は、民間団体などとも連携しつつ、子どもの発達段階に応じて居場所を確保する努力が求められる。
4.条約第18条、第27条に対応している。「子どもの貧困」が大きな社会問題となっているが、それは家庭の貧困等に起因しており、子どもに責任はない。市は、このような家庭の事情や社会的要因によって、子どもが不利益を受けることのないよう必要な配慮をしなければならない。

(学校等の責務)
第9条 学校等は、子どもが自ら学び、すこやかに育つことができるよう、その環境をつくるとともに、子どもの発達に応じた必要な支援を行うよう努めなければならない。
2 学校等は、子どもが子どもの権利を理解し、他者の権利を尊重しながら生活することのできるよう、必要な指導及び支援に努めなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を保障するための学校等の責務を定める。

【解説】
1.条約第28条、第29条に対応している。学校等は、子どもが育ち、学ぶ場所だけではなく、友だちをつくる場所であり、多様な人間関係の中で社会性を身につけ、また、自分の意思を表現することのできる場所である。そのための施設の整備や職員等の配置がなされなければならない。また、学校等では子どもの発達に応じて、その子どもに必要な合理的な配慮を行うことに努めなくてはならない。
2.条約第28条、第29条に対応している。学校等は、この条例で定める子どもの権利について、その内容を子どもたちが理解し、子どもたちが自らの権利が尊重されるのと同じように、他者の権利を尊重することが大切であると認識し、それを自らの生活に活かすことのできるような指導・支援に努めなければならない。また、保護者や地域との連携も大切である。

(地域の責務)
第10条 地域は、子どもがその一員として安全・安心に過ごし、豊かな人間性を育むことができるようなまちづくりを目指し、市と協働してこれに努めなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を保障するための地域の責務を定める。

【解説】
子どもは、学校等に通っているとき以外は、その時間の多くを家庭や地域で過ごすことになる。地域においては、家族以外の人たちと接することによって友だちができ、また、保護者以外の大人との関わりの中で新たな発見や学びがあって、それによって豊かな人間性が育まれる。地域は、そのための子どもに必要な支援をすることに市と協働して努めなければならない。また、子どもは、地域の一員であり、地域活動においては、可能な範囲で子どもが一緒に参加できるように努めなければならない。

(事業者の責務)
第11条 事業者は、保護者である従業員が仕事と子育てを両立できるような職場の環境づくりや従業員の意識向上のための取組みに努めなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を保障するための事業者の責務を定める。

【解説】
現在は子どもが家に帰っても、保護者が誰も家にいないという世帯が多くなっている。つまり、保護者が働きながら子育てをすることが一般になりつつある。そのため、事業者は、子どもの権利を保障するため、その従業員が仕事と子育てを両立できるような環境をつくること、また、そのような考え方を醸成するため従業員の意識向上のための取組みに努めなければならない。

第4章 施策の推進
(子どもに関する施策の推進) 
第12条 市は、子どもの権利を保障するための施策を、子育て、教育、福祉、保健、医療等の分野との連携及び調整を図りつつ、総合的かつ計画的に推進しなければならない。
2 市は、子どもに関する施策の推進に当たっては、子ども、保護者及び関係する団体の意見を聴くよう努めなければならない。
3 市は、子どもに関する施策の推進に当たり、子ども及び当該施策に関わる職員の子どもの権利に関する研修等を行うよう努めなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を保障するための施策の推進のあり方や必要な事項について定める。

【解説】
1.子どもに関する施策は、子育て、教育、福祉、保健など様々な分野にわたる。そのため、施策の推進にあたっては、これら異なる分野が連携し、十分に調整を図りながら、分野ごとの縦割り的な展開とならないよう、総合的かつ計画的に行わなければならない。また、すでに、子どもの権利に関わる様々な計画が策定されているが、今後の改定にあたっては、本条例の趣旨を十分に踏まえて策定されなければならない。
2.子どもに関する計画の策定や施策の推進にあたっては、アンケートや直接話を聴くなど、子ども、保護者、関係する団体等の意見を聴くことに努めなければならない。
3.子どもに関わる施策を推進するとき、それを担当する職員は、子どもの権利について、理解をしていることが求められる。そのため、市は、関係する職員に対して研修等を通じてその理解を深めることに努めなければならない。

(虐待及び体罰の防止)
第13条 全ての市民等は、虐待が子どもの発達及び人格の形成に大きな影響を与えることを認識し、子どもを虐待してはならず、子どもに体罰を行ってはならない。
2 市は、学校等、地域、警察、医療機関、子どもの福祉に関わる団体等(第5項において「関係する団体等」という。)と連携し、虐待の防止及び早期発見に努めなければならない。また、そのための連絡及び相談に随時対応できる体制の整備に努めなければならない。
3 市は、子育て家庭の孤立や虐待を予防するための支援に努め、地域は、子どもを見守り、声かけ等を通して子育て世帯が地域社会から孤立することのないよう努めなければならない。
4 学校等、地域、医療機関、子どもの福祉に関わる団体等は、虐待の可能性を察知したとき、直ちに市に連絡しなければならない。
5 市は、虐待の連絡があった場合は、その調査を行い、虐待が確認されたときは、関係する団体等と連携し、その子どもを迅速に救済し、又は保護しなければならない。
6 市は、虐待を受けた子どもに対し、その安全・安心を確保しつつ、子どもが施設等に保護され、又は入所している間においても子どもの権利が保障されるよう努めなければならない。
7 市は、虐待の再発を防止するため、虐待に関わった者に対して適切な指導、助言等又は必要な支援を行わなければならない。この場合において、当該虐待に関わった者は、指導、助言等に従い、又は支援を受け、必要な改善をしなければならない。
8 市は、虐待防止、子どもの保護、虐待した者への指導などに関わる専門的な知識や技術を有する人材の養成に努め、必要な体制をつくるよう努めなければならない。
9 市は、虐待や体罰の防止及び早期発見をするために、その取組みへの理解及び協力を求める市民への啓発活動に努めなければならない。


【趣旨】
子どもに対する虐待・体罰は、児童虐待の防止等に関する法律、及び児童福祉法の改正によって禁止されており、それを防止するための具体的な施策、手続きなどを定める。

【解説】
主に条約第19条に対応し、児童虐待の防止等に関する法律、及び改正児童福祉法で定める虐待・体罰の禁止を具体化している。
1.虐待や体罰をなくすためには、それが子どもの発達や人格の形成に大きな影響を与えることを市民全体で認識することが大切である。しつけと称する家庭内の体罰は虐待であり、してはならず、また、学校等やスポーツ指導などにおいても、子どもに対して体罰をしてはならない。そのため、対象を「全ての市民等」とし、虐待・体罰をしてはならないことを定めている。
2.虐待を予防し、早期に発見、救済するためには、市と学校等、地域、警察、医療機関、子どもが関係する団体等との連携が不可欠である。そのため、連絡、相談の対応など日常的な体制づくりに努めなければならない。
3.少子化・核家族化・コミュニティの希薄化などが進み子育て中の家族が悩みを解決できず、それが虐待につながることもある。そのため、市は、妊娠期を含む子育て家庭の保護者の孤立や虐待の予防に努め、地域では、子育て世帯が地域社会で孤立することのないよう、地域全体で取り組むことが大切である。
4.学校等、地域、医療機関、その他子どもの福祉に関わる団体は、子どもが虐待されている可能性のあることを察知したとき、その子どもを守るために、直ちに市へ連絡しなければならない。
5.関係する団体等からの情報によって虐待の可能性が察知されたとき、市は直ちに調査をしなければならない。また、それによって虐待が確認された場合には、関係する団体等と連携し、迅速にその子どもを救済、或いは保護しなければならない。
6.虐待対応は子どもの生命にも関わることであり、市は必要な場合には躊躇なく一時保護することなどが求められるが、意見表明や教育を受ける権利など、子どもの権利は最大限保障されるべきである。これは、一時保護や、里親委託、児童養護施設等への入所の期間中など、いずれの場合においても同様である。
7.子どもを虐待した保護者やその関係者に対しては、それが法律に違反する行為であることを伝え、それを繰り返すことのないよう適切に指導や助言、必要な支援をしなければならず、この場合、当該虐待に関わった者は、これらに従って養育上の必要な改善をしなければならない。
8.児童虐待の対応件数が多く、虐待防止に関連する業務に携わる職員には、さらなる専門的な知識と経験が必要である。そのため様々な研修をはじめ人材を養成することに努めなければならず、また、業務を遂行する上で必要な体制を整えておかなければならない。
9.市は、子どもの虐待や体罰を予防し、早期発見をするため、その取組みを分かりやすく市民に伝え、その啓発に努めなければならない。

(いじめの防止)
第14条 子どもの権利の重大な侵害であるいじめは、誰もがしてはならない。
2 市は、いじめを防止し、なくすため、市民への啓発をはじめ必要な施策を講じなければならない。
3 市は、いじめがあったときは、保護者や地域と連携し、必要な協力を求めるなど、速やかな解決に努めなければならない。
4 学校等は、いじめが起きたとき、いじめに関する法令、条例等に規定するところにより、積極的にその解決に努めなければならない。


【趣旨】
いじめをしてはならず、それを防止するための施策、手続きなどを定める。

【解説】
1.主に条約第19条に対応している。いじめは、言葉や実態を伴う暴力であり、誰もがしてはならないことを定めている。
2.いじめの防止は、いじめ防止対策推進法、及び「横須賀市いじめ等の対策に関する条例」で定められている。子どもが安心して生きる権利を保障するため、市は、子どもはもちろんのこと全ての市民に対して、いじめの防止、そのための啓発など積極的に取組みを行わなければならない。
3.市は、いじめが確認されたとき、いじめに関係する保護者や子どもの住む地域などとも連携し、迅速な解決に努めなければならない。
4.学校等の中でいじめが確認されたとき、学校等は、迅速かつ積極的にその解決に努めなければならない。

(子どもの参加)
第15条 子どもは、言葉により、また、文化・スポーツを通して自分を表現するためにあらゆる機会への参加が保障される。
2 保護者は、子どもが意見の表明や様々な社会活動への参加を希望するとき、その意思を尊重しなければならない。
3 市は、子どもが自らの意思で参加のできる仕組みづくり及びそのための必要な支援を行わなければならない。また、子どものための施策づくりへの子どもの参加の機会の確保に努めなければならない。
4 学校等及び地域は、その組織や活動において、子どもの参加を促すよう努めなければならない。


【趣旨】
子どもの参加する権利が保障されるために、保護者や市、学校等、地域が行うことを定めている。

【解説】
1.主に条約第15条、第31条に対応している。子どもの参加する権利が保障されるべきことを定めている。
2.主に条約第18条、第31条に対応している。子どもが自らの意思で参加を希望するとき、保護者や学校等はその子どもの発達やその状況に応じて適切な指導や助言をしなくてはならないが、その子どもの意思を尊重しなければならない。
3.主に条約第4条に対応している。市は、子どもが生活する場において、自分の意思で参加を希望するとき、それが尊重されるような仕組みをつくることに努め、必要な支援をしなければならない。
4.学校等や地域は、子どもの社会性を培うため、その活動に子どもの参加を促すことに努めなければならない。

(障害のある子どもへの支援) 
第16条 市は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害等の障害のある子どもが、その尊厳を確保し、自立を促進し、社会に積極的に参加することができるよう適切な支援に努めなければならない。
2 市は、障害のある子どもが、特別の養護を受ける権利を持つことをその子ども及びその保護者に伝えなければならない。
3 市の障害のある子どもへの支援は、保護者の資力を考慮しつつ利用者負担の軽減に努める方法で行われ、かつ、障害のある子どもが可能な限り社会への参加と自らの発達を成し得る方法で行われなければならない。


【趣旨】
障害のある子どもの権利及びその支援について定める。

【解説】
1. 条約第23条に対応している。障害のある子どもも、障害のない子どもと同じように生活のできることが望まれる。また、障害のある子どもも、当然のこととして一人の人間としての尊厳が守られなければならない。そのため、市は、みんなと一緒に遊び、学び、楽しむことのできるよう、将来的にはその自立をめざして、適切な支援に努めなければならない。
2.条約第23条に対応している。身体や知的、精神、発達などの障害のある子どもは、生活する上での不自由さがあり、それを補うことによって、その不自由さを軽減することができ、それがより社会的な自立に結びつくことにもなる。そのため、障害のある子どもは、特別の養護を受ける権利を持っており、市は、それを認めるとともに、その権利を持つことをその子どもと保護者に伝えなければならない。
3.市が障害のある子どもに対して行う支援については、子どもの第一義的な責任を負う保護者の資力を考慮しつつ、利用者の負担軽減に努めなければならない。また、その支援は、障害のある子どもが可能な限り社会に参加し、その子どもの発達を成し得る方法で行われなければならない。

(多様性の尊重)
第17条 市等は、子どもの人種や性、宗教、社会的出身など、その多様性を尊重し、子どもの権利を認め、それぞれの責務を果たさなければならない。
2 市及び学校等は、あらゆる偏見や差別等のないよう、その多様性に対する理解を広めるよう努めなければならない。


【趣旨】
あらゆる差別をしないことに基づき、子どもの多様性を尊重することを定める。

【解説】
1.条約第2条に対応している。子どもには、人種や性、宗教の違いなど、多様な子どもがいる。なお、性は、体の性、心の性、好きになる性、表現する性のことをいう。また、その家族の状況もそれぞれ異なっている。この条例は、全ての子どもがもつ権利を保障するものであり、保護者、市、学校等、及び地域は、一人の人間としての個性を尊重し、その多様性を認め、それぞれの責務を果たさなければならない。
2.市や学校等は、子どもの多様性へ理解を広め、偏見や差別をなくすことに努めなければならない。

(市民への周知・啓発)
第18条 市は、子どもの権利について、学校等や地域と協働し、市民全体の関心を高め、理解を深めるため、その周知及び啓発に努めなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を市民に周知・啓発することを定める。

【解説】
条約第42条に対応している。子どもが、子どもの権利のあることを知り、自覚することが大切である。そのため、市は、子どもの年代に応じた周知、説明に努めなければならない。また、子どもの権利は、現実においては気がつかない間に、それを侵害していることが多くある。ときには、それが子どもの心を傷つけてしまうこともある。そのため、子どもの権利について、市民全体の関心を高め、より理解を深めることが求められており、市は、学校等や地域と協働しながら、様々な方法を用いてそれを周知、啓発することに努めなければならない。


第5章 施策の評価
(児童福祉審議会への報告)
第19条 市長は、子どもの権利を守り、子どもに関する施策の充実を図るため、子どもの権利に関わる施策の推進状況について横須賀市児童福祉審議会に報告しなければならない。


【趣旨】
子どもの権利を保障するために第三者機関へ報告することを定める。

【解説】
条約第43条に対応している。子どもの権利に関わる市の施策の推進状況を児童福祉審議会に報告し、それを同審議会で審査することにより、子どもの権利の保障を推進する。

(評価・検証)
第20条 横須賀市児童福祉審議会は、子どもの権利に関わる施策の推進状況について評価及び検証をし、その結果を市長に報告しなければならない。


【趣旨】
子どもの権利に関わる保障の状況を検証することについて定める。

【解説】
子どもの権利の保障を推進するため、児童福祉審議会は、子どもの権利に関わる施策の推進状況について評価・検証し、その結果を市長に報告しなければならない。

第6章 雑則
(その他の事項)
第21条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。


【趣旨】
条例の施行に関して必要な事項を定める。
【解説】
この条例の施行に関して必要な事項は、市長が定める。

附則
この条例は、令和4年7月1日から施行する。

お問い合わせ

民生局こども家庭支援センターこども家庭支援課

横須賀市小川町16番地はぐくみかん5階<郵便物:「〒238-8550 こども家庭支援課」で届きます>

電話番号:046-827-7744

ファクス:046-828-4556

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページは見つけやすかったですか?

このページは分かりやすかったですか?

このページは役に立ちましたか?