更新日:2025年1月6日
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皆さんおはようございます。 9連休はいかがだったでしょうか。 昨年の正月と比べると、 穏やかに過ごすことができたと思います。 その中でも、消防や水道など、 年末年始も市民の生活を支えるため、普段と変わらずに、 業務に従事してくれたところもあり、 安寧のまま新年を迎えることができたことに、 市民を代表し、まずは、御礼を伝えたいと思います。 本日こうして皆さんと、無事に仕事始めを迎えることができ、 まずは安堵しているところです。
さて、改めまして昨年を振り返りますと、 やはり、まず元日に発生した能登半島地震と、 その翌日の羽田空港での航空機事故が、 非常に強く、印象に残っております。 一体、どんな1年になってしまうのかと、 全く心中穏やかではない新年の始まりであり、 安全そして安心について、 本当に、深く考えさせられた1年の始まりでありました。
それまで組んでいた予算をすぐに変え、市民の安全・安心のため、 様々な施策を実行してきました。
やはり、どんな場合でも、行政の役割は、福祉の向上であり、 市民が安全に、そして安心して暮らせるように、 日々の生活を守ることであります。 それを改めて再認識させられた、1年でした。
さて、これまで、計7回、仕事始めの日に、 皆さんへ挨拶をしてまいりました。 今回が8回目であり、2期目の任期で、 最後の仕事始めです。 過去の挨拶を、改めて振り返りましたが、 これまで皆さんには、忠恕という言葉を軸に、 職員としてよりも、人としての、心の持ちよう、 在り方について、多く伝えてきました。 最近、市の主催するイベントに参加すると、 どの部局の職員であっても、 表情や、来る方へのおもてなしの様子が、良いものになってきて、 皆さんの心の変化を、実は感じるようになりました。
長かったコロナ禍でも、手探りの中、 その時その時の最善の手を考え、横須賀市は、 どこよりも迅速に対応することができたと、思っています。 コロナ後のこの2年間も、社会が様々に、加速度的に変化する中、 横須賀市はその変化を巧みに力に変え、元の日常以上に、 前進することができたと思っています。
これらはすべて、日々の皆さんの、心の持ちようの、 変化の賜物だと思います。 誰のためでもなく、目の前の市民のために、 常に誠実さと、真心をもって、業務を遂行するように、 なってきたからだと思っています。 挨拶に先立ち、まずは皆さんのこれまでの労を、 心からねぎらいたいと思います。
そこで今日は、皆さんにはひとつだけ、これまでとは違い、 今年、仕事を進めるうえで、 第1に心がけていただきたいことを、お伝えします。 それは、以前からお伝えしていることですが、 「人にしかできない仕事をする」ということです。
皆さんもご承知のとおり、一昨年より、 ChatGPTを全庁で使えるようにしました。 これまで文書作成など、様々な業務に、 活用していることと思います。 生成AIの進歩は目覚ましく、現在では文書の作成にとどまらず、 画像・動画の作成、計算式の作成、翻訳など、 出来る領域が、際限ないほど、どんどん広がっています。 もうこのままの成長のスピードでいくと、AIが人間を超える日は、 そう遠くないものと思っています。
これまでの歴史の中で人類は、科学技術を発達させることに、 多くの時間と労力をかけてきました。 科学技術とは、究極的に言ってしまえば、 0と1とで表現できるものであり、この分野ではいつか人類は、 AIに取って変わられることとなると思います。 皆さんが普段、仕事で使っているパソコンの画面に映るもの、 すべてそうです。 いつかAIが、人の話をすべて理解し、 要約、計算し、最適解を導くようになるでしょう。 このような世界は、決して夢物語ではなく、 近い未来で必ず、訪れます。 ただ、どんな未来であれ、0と1では表現できないものがあります。 それは、人の思考であり、想像力だと思います。
これまで行政は、法律や制度があって、 それに収まるように、事業を行ってきました。 なにか新たな施策を実施するときには、 それが既存の法律や制度にあっているかをまず注目し、 最優先にしてきました。 これら、既存の制度があるからできる、 既存の制度がないからできないは、AIの普及とともに、 今後、極めて前時代的となり、これに固執すればするほど、 世界から取り残されていくものだと思っています。 これからの時代に、我々、「人」に求められるものは、 既存の制度を超え、目の前の課題を克服するための想像力であり、 発想力であると思います。 0と1で、既存のものに当てはめる能力ではなく、 0から1を、そして1から10を、新たな制度とともに生み出し、 目の前の、本当に困っている市民を助けることのできる、想像力で す。
皆さん職員は、これまで、既存の制度を理解し、 それにそって業務を遂行することに、 最も価値を置いていたかもしれません。 確かに、公務員として、それは大切なことかもしれませんが、 その仕事のやり方は、 いつかAIに置き換わっていくものと思っています。 制度が人や仕事を作る時代は終わります。 今年は是非、新たな制度や仕事は、自らで創造するものだというこ と、 意識するようにしてもらいたいと思います。
そして一方で、もうひとつ、 AIに置き換わることができないものがあります。 それは、この年末年始や、コロナ禍において、 市民生活を、陰ながら支えてくれた、 エッセンシャルワーカーの存在です。 これまで、あって当たり前だと思われた社会インフラは、 コロナ禍により、 実は多くのエッセンシャルワーカーといわれる方々の、 献身的なご努力により支えられていることを、 市民、国民は、改めて知ることになりました。 医療、福祉、消防、水道、道路、ごみ処理など、 これら市民の安全で、安心な生活に不可欠な住民サービスは、 将来においても、結局は職員を含め、 それぞれに従事する方々の手に委ね、 頼らざるを得ないと思っています。 市民の命と財産、安全で安心な生活を、その市民に寄り添い、 守ることは、AIではなく、やはり人にしかできないことです。 それは、今日も市民の最前線にいる皆さんが、 一番感じていることだと思います。 今後も、一隅を照らす、かけがえのない存在として、 これらに従事できることを大いに誇りに思い、 研鑽を、是非、重ねてもらいたいと思います。
最後に、市役所の組織について伝えます。 組織の運営も、既存の制度のままの運営で足りるのであれば、 それはもうAIに、運営を任せればいいと思います。 ただ、私たち行政は、いかなる時も福祉を充実させ、 市民の安全で、安心できる生活を守る使命があります。
右肩上がりの社会ではいざ知らず、現在の、様々な社会変化の中で、 この使命を十分に果たすためには、組織の運営も、 絶え間ない変化と創造により、人にしかできないことに注力できる、 組織にしていかなければならないと、思います。
実際に昨年から、人事制度、予算制度など、 組織の根幹を成す部分について、 構造改革という新しいポストを設け、 大きく変革を進めてまいりました。 ただ、この変革も、次の年には、 また新たな変化と創造が必要になるかもしれません。 それだけ、今後も、社会の変化は、加速度をつけて進み、 それに並行し、AIの進化も進みます。 人が、人にしかできない仕事に従事する。
これが、今、私たちに突き付けられ、試されている、大きな命題で す。 この試練に気づき、立ち向かえる組織こそ、 生き残り、永続できる組織だと思っています。 是非、横須賀市から、世界に向け、新たな価値を創造し、 市民の負託に、応えていってもらいたいと思います。 今日からまた、横須賀市民、37万人のために、 自分たちにしかできない仕事に励み、 市政を前に進めてまいりましょう。 これもいつも言っていることですが、私たちならできます。
以上です
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