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更新日:2022年6月1日

ページID:10734

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パブリック・コメント手続制度素案を作成した背景・趣旨

1.分権改革で横須賀市が取り組んでいくこと

平成12年4月、地方分権改革が実現し、機関委任事務制度の廃止をはじめとして、国・県・市が「上下・主従」の関係から「対等・協力」の関係に生まれ変わった。
今後、分権改革により拡充された、『自己責任』と『自己決定』のもと、国や県に頼らず、自らの知恵と決断で地域経営を進めていかなければならない。
また、このたびの地方分権では、地方自治の本旨の一つである「団体自治」について、税財源の部分でまだ不十分であるが、その充実化が図られた。これからは、市民に一番身近な基礎的自治体と言われる『市町村』で、地方自治の本旨のもう一方を担う「住民自治」の視点に立って行政を進めていくことである。

2.分権型行政運営のキーワード

住民自治の視点による地域経営を進めるに当たっては、市役所の仕事を極力オープンにし、市民の意見を反映した行政を展開していくことが大切である。このためには、「公正・透明な行政運営」・「情報公開」・「説明責任」・「市民協働」などがキーワードとなる。
市(役所)と市民が手を携え、市は市民に信頼される行政を目指して、これらのキーワードを実現する施策を推進する必要がある。横須賀市では、これまでの取り組みに加え、新たに「情報公開」、「行政手続」、「市民協働推進」の各制度を創設している。

情報公開制度

市民の知る権利の尊重や市の説明責任を明確にし、総合的な情報公開施策を推進するため、情報公開条例を制定した。(平成13年7月1日施行)

行政手続制度

より公正・透明な行政運営を図るため、行政手続審議会を設置するなど行政手続の適正化を図るための条例改正を行った。(平成13年4月1日施行)

市民協働推進制度

市民協働の基本的事項、具体的な市民公益活動の支援などを盛り込んだ市民協働推進条例を制定した。(平成13年7月1日施行)

3.これまでの市民参画(市民意見の反映策)

 

市では、これまで各種の審議会などで公募の市民委員から会議の場で意見を述べていただいたり、出前トークやワークショップを実施するなど多様な方法により市民の皆さんの意見を行政に反映できるように努めてきた。これは、特定市民の参加といえる。

実際に、政策形成に当たって、民意の反映や専門的知識の導入、利害関係の調整を図るため、審議会等に諮ってその意見をもとに意思決定が行われることが多い。しかし、この手法は、施策の妥当性、実効性を確保する上で有効であるものの、一方で、審議会が行政の隠れ蓑になっているという批判もあるように、政策形成過程の透明・公正化という観点からは、改善を要するものと考えられる。

また、広報よこすかや市のホームページで意見募集をして、広く一般市民の意見を取りいれることも実施している。これは、広い意味でパブリック・コメントに該当するものといえる。ただし、市がより広く市民全体の意向を知り意見を反映させたいと考える施策に実施するものであり、実施するかしないかは市(担当部局)の裁量に任されていた。より透明・公正な政策決定を推進するためには、市民の誰でもが行政に意見の言える制度が必要である。あらかじめどのような案件の場合に市民の意見を求めるのかの枠組みを決めておき、その枠組みに該当する場合は必ず市民の意見を求める手続を実施することを行政に義務付けることが求められている。

パブリック・コメント制度は、欧米では古くから実施されており、市民の行政運営への参加が推進されるなどの効果が上がっている一方、迅速な行政執行という観点からは、かえって非効率になるなどの指摘もある。しかし、より一層の市民の行政への参画、さらには市と市民の協働による行政運営がこれからは不可欠と考えており、本市にふさわしいパブリック・コメント制度の導入を検討することが求められている。

 

4.行政手続条例制定の際の検討課題

行政手続条例(平成8年横須賀市条例第3号)の制定に当たって、平成7年12月12日にまとめた「行政手続制度検討委員会報告書」で、パブリック・コメント手続の導入について触れている。

その中で、行政手続条例中に「土地利用手続及び行政計画策定手続等の民主主義的合意形成手続を図るための『住民参加規定』は設けない。」としたが、「今後個別制度における住民参加が根付くとともに、地方分権の推進により都市計画などの地域住民に密接にかかわる業務を本市の権限により行えるようになるときが、参加型民主主義の大きなステップとなると考えられるので、この問題は将来への課題として引き続き検討することとする。」とし、パブリック・コメント手続の必要性を述べている。

5.国等の動向

「行政改革会議」(議長:橋本内閣総理大臣)から、各省が基本的な政策の立案等を行うに当たって、政策等の趣旨、原案等を公表し、専門家、利害関係人その他国民から意見を求め、これを考慮しながら最終的な意思決定を行う」仕組みとして、パブリック・コメント制度の導入を求めた最終報告が政府に提出された。これを受け、中央省庁等改革基本法第50条第2項に、「仕組みの活用及び整備を図るものとする」と規定された。

また、政府の「規制緩和推進3か年計画」(平成10年3月31日)では、「規制の設定、改廃に当たり、広く一般国民・事業者の意見・情報を考慮し、また、行政の説明責任を重視していくようにするため、総務庁において各省庁の協力を得て規制の制定、改廃に係る現行の諸手続についての調査を含め、パブリック・コメント手続の在り方の検討に速やかに着手し」結論を得ることとされていた。

これらを受けて、政府は、平成11年3月23日に「国民意見提出手続制度(いわゆるパブリック・コメント手続制度)」の導入を閣議決定した。その概要は、「規制の設定または改廃に伴い政令・省令等を策定する過程において、国民等の多様な意見・情報・専門的知識を行政機関が把握するとともに、その過程の公正の確保と透明性の向上を図ることが必要である。このような観点から、規制の設定または改廃に当たり、意思決定過程において広く国民等に対し事案を公表し、それに対して提出された意見・情報を考慮して意思決定を行う意見提出手続」とされ、平成11年4月1日から全省庁で同制度を導入している。

地方自治体においても、北海道、岩手県、群馬県、神奈川県、新潟県、愛知県、福井県、滋賀県、大阪府の9府県と鳥取市の1市(パブリック・コメント手続と称していても、任意の意見提出手続を必要に応じて実施している自治体を除く。)が、パブリック・コメント手続を正式に制度化している。

ただし、いずれも行政内部規範である「要綱」等により実施しており、条例により実施している自治体はない。(平成13年5月現在)

これらの背景、経過を踏まえて検討を進めた結果、このたび「パブリック・コメント手制度素案」を取りまとめたものである。

お問い合わせ

総務部総務課

横須賀市小川町11番地 本館1号館5階(市政情報コーナーは本館2号館1階)<郵便物:「〒238-8550 総務部総務課」で届きます>

電話番号:046-822-9474

ファクス:046-822-7795

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