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更新日:2017年2月27日

ページID:35490

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常福寺の鏝絵

牡丹に唐獅子

(牡丹に唐獅子(左側))

牡丹に唐獅子

(牡丹に唐獅子(右側))

抱茗荷に唐草

(抱茗荷に唐草)

龍

(龍)

竹林に虎

(竹林に虎)

西浦賀・常福寺本堂正面内陣欄間壁(五間に仕切る)

(1)「牡丹に唐獅子」

白漆喰仕上げ、一部彩色。玉眼嵌入。右下に「陰山ノ作」の銘がある。

(2)「牡丹に唐獅子」

白漆喰仕上げ、一部彩色。玉眼嵌入。右下に「左善作」の銘がある。

(3)「抱茗荷に唐草」

杏葉は彩色、唐草は白漆喰仕上げ。無銘。抱茗荷は浄土宗の象徴である。

(4)「龍」

白漆喰仕上げ、一部彩色。左下に「昭和二年三月十一日/二十才/石川梅尾」の銘がある。

(5)「竹林に虎」

彩色作品。虎は漆喰地に黄色を塗り、黒い毛を丹念に重ね、口には朱を入れる。玉眼嵌入。左下に「左善作」の銘がある。

以上、五点の作品は(4)の銘により昭和2年(1927年)に制作されたもので、薄肉彫のレリーフである。作者は左善(石川善吉)、石川梅尾、陰山の名が見える。作品は(1)と(2)及び(4)と(5)がそれぞれ物語性をもって表現されており、阿吽一対の唐獅子の緊張感のある動的な姿形と龍虎が対峙する様を巧みに表現している。殊に石川善吉の(2)(5)の作品は、彫塑性に優れた闊達な鏝さばきと造形力が看取される。石川梅尾は善吉の末子で、この時二十歳で(4)の「龍」を作り、既にかなりの力量を示している。(1)の陰山は名を太郎と言い、善吉の弟子である。(3)の作品は作者未詳であるが、善吉が手掛けた可能性が高い。なお、常福寺は大正10年(1921年)に本堂を移築建造した際、内陣欄間壁に漆喰細工を石川善吉と次男吉蔵が制作したが、大正震災で建物とともに破損、復旧に際し現作品を新規に作ったものという。

笙を奏でる飛天

(笙を奏でる飛天)

鶴

(鶴)

太鼓を奏でる飛天

(太鼓を奏でる飛天)

西浦賀・常福寺本堂正面内陣背面小壁(三間に仕切る)

(1)「飛天」

天女が笙を奏で飛舞する形姿。白漆喰仕上げで、一部彩色。

(2)「鶴」

三羽の丹頂鶴が飛翔する形姿。白漆喰仕上げで、一部彩色。

(3)「飛天」

天女が領巾を持ち飛舞する形姿。白漆喰仕上げで、一部彩色。

無銘であるが、上記(西浦賀・常福寺本堂正面内陣欄間壁)の作品と同様に昭和2年の制作と思われ、作者は石川善吉という(「エコノミックジャーナル」第382号)。二人の天女が鶴を挟んで相向い、羽衣の裾を翻して優雅に舞う姿を壁面一杯にレリーフ状に表した佳作である。

〔出典:上杉孝良「横須賀の漆喰彫刻-浦賀地区の作品を中心として-」(『市史研究横須賀』第8号2009年)]

 

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