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更新日:2017年2月27日

ページID:22392

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浦賀の鏝絵(こてえ)

左官職人が、土蔵などの壁の仕上げに鏝(こて)と漆喰(しっくい)で作り上げたレリーフを鏝絵と呼び、江戸時代の中頃から数多く作られ、浦賀にも数点が残されています。干鰯問屋(ほしか)と廻船問屋で栄えた浦賀には、土蔵造りが盛んであったことから漆喰壁を塗る左官職人も多く、中でも川間(西浦賀)に住む石川善吉は「三浦の善吉」として「伊豆の長八(入江長八)」とともに、全国的に知られる漆喰細工の名人でした。浦賀には善吉とその息子吉蔵(9代目)、梅尾(10代目)の作品が残っています。また、岩田辰之助、岩田徳太郎兄弟の作品も残っています。

東耀稲荷の鏝絵

(往時の東耀稲荷の鏝絵)

東耀稲荷の鏝絵(鏝絵は現存していない)

重厚な瓦棟正面下段に「鳳凰」、背面に「狐二匹」の漆喰作品が存在したという。

(八雲神社の鏝絵)

八雲神社の鏝絵

 

石川善吉の明治35年、48歳の時の作品です。「向拝の竜」は彫刻と見間違う出来栄えの漆喰細工です。

(法幢寺の鏝絵)

法幢寺の鏝絵

岩田辰之助、徳太郎兄弟の合作で、大正15年の作品です。写真は本堂正面の外壁に描かれた魔除けの神獣唐獅子です。

(西叶神社の鏝絵)

西叶神社の鏝絵

石川善吉の昭和5年の作品です。左側には水瓶を割る子、右側には割れた水瓶より流れる水の中から童子が顔を覗かせ、助けられた一瞬の出来事を漆喰で表現しています。ふっくらした丸い顔、いきいきとした漆喰細工は、名人「三浦の善吉」の装飾壁の傑作です。

(川間町内会館の鏝絵)

川間町内会館の鏝絵

石川梅尾の昭和34年の作品です。2階軒下に鳳凰、1階軒下に松竹梅と鶴亀が描かれ美しい色彩が施されています。梅尾51歳の傑作です。

(東福寺の鏝絵)

東福寺の鏝絵

岩田辰之助による昭和7年の傑作です。本堂の外壁に「鶴・亀・虎・飛天」など、彫刻と見まごう出来栄えの鏝絵が8点あります。

大六天榊神社正面左右壁

(大六天神社の鏝絵)

大六天神社の鏝絵

社殿に向かって右(東)に「昇り龍」、左(西)に「降り龍」をレリーフ状に表している。いずれも躍動感のある龍体を巧みな手技で塗り上げた力作である。さらに各上部小壁にも鶴一羽を作る。無銘であるが石川善吉と次男吉蔵との合作と伝えており、この場合、「昇り龍」が善吉、「降り龍」が吉蔵の作と考えられる。

竹林に虎

(常福寺の鏝絵)

常福寺の鏝絵(本堂内部で自由に拝観はできません)

石川善吉の「虎」石川梅尾の「龍」石川親子の競作、本堂内陣に描かれた一対の竜虎図は躍動感にあふれ今にも飛び出しそう。室内にあるため保存状態がよく、鮮やかな色彩の虎には迫力を感じます。

(石川宅の鏝絵)

石川宅にある鏝絵(個人宅内で見学できません)

当初は白漆喰の仕上げだったが、長年にわたり囲炉裏や台所の煙でいぶされ、壁面はタール状の黒色を呈し、細部の判断が難しい。

(往時の安房口神社氏子会館の鏝絵)

安房口神社氏子会館の鏝絵(現存していない)

 

 

往時の写真をお持ちの方は、浦賀行政センターまでご連絡ください。

 

 

 

浦賀には「鏝絵」のある神社仏閣が多数ありますが、外からは自由に見れず、横須賀市観光ボランティアガイド(浦賀地区担当)の案内の下で期間限定で見れる場合もあります。観光ボランティアガイドの依頼は、横須賀市観光協会へTel046-822-8301

浦賀の鏝絵関連のホームページで使用している写真の多くは、ボランティアガイドの林義明氏が写したものです。

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