鳥インフルエンザについて
1.鳥インフルエンザとは
- 鳥類に対して、感染性を示すA型インフルエンザウイルスによる感染症が、鳥インフルエンザです。
鳥インフルエンザの原因となるA型インフルエンザウイルスの自然宿主は野生の水きん(カモ)類です。この野生のカモ由来のウイルスが家きんの間で感染を繰り返すうちに、鶏に対して高い病原性を示すウイルスに変異した場合に高病原性という表現をします。
- 鳥インフルエンザウイルスは、通常はヒトに感染しませんが、感染したトリに触れる等、濃厚接触をした場合などにきわめて稀にヒトに感染することがあります。このように、鳥インフルエンザウイルスが、トリ以外に、ヒトやその他の動物に感染した場合も、鳥インフルエンザという病名を使用しています。
- ヒトの鳥インフルエンザのうち、A(H5N1)及びA(H7N9)の鳥インフルエンザは、感染症法上は二類感染症に、それ以外の亜型の鳥インフルエンザは、四類感染症に位置づけられています。
2.A(H5N1)及びA(H7N9)の鳥インフルエンザ以外の亜型の鳥インフルエンザ(四類感染症)
- 定義:トリに対して感染性を示すA型インフルエンザウイルス(H5N1及びH7N9亜型を除く。)のヒトへの感染症である。
- 臨床的特徴:鳥インフルエンザウイルスに感染した家禽などからヒトへウイルスが感染することがごくまれに起こる。H5、H7、H9亜型ウイルスのヒトへの感染が報告されておりますが、1997年の香港でのA/H5N1、2003年オランダでのA/H7N7による事例では、ヒトからヒトへの感染伝播も起こったと報告されている。
- 鳥インフルエンザウイルスのH5、H7亜型の感染例では、潜伏期間は通常のインフルエンザと同じく1~3日と考えられており、症状は突然の高熱、咳などの呼吸器症状の他、下痢、重篤な肺炎、多臓器不全などの全身症状を引き起こす重症例もある。
- A/H7N7亜型ウイルスの感染では結膜炎を起こした例が多い。香港などで数例報告されているA/H9N2亜型ウイルスによる感染では、発熱、咳等の通常のインフルエンザ様症状を呈したと報告されている。
3.鳥インフルエンザ(H5N1)(二類感染症)(外部サイト)
4.鳥インフルエンザ(H7N9)(二類感染症)(外部サイト)
5.鳥インフルエンザの感染予防について
- 鳥に近づかない、触らない!鳥インフルエンザのウイルスは、感染した鳥に直接触れるなど濃厚に接触する場合を除いて、通常、人には感染しないと考えられています。また、これまで野鳥から人が鳥インフルエンザに感染した事例は報告されていません。
- 日常生活においては過度に心配する必要はありませんが、野鳥からの感染防止のため、念のため以下のことに注意してください。
- 死亡または衰弱した野鳥並びにその排泄物には、直接触れないようにすること
- もしも、死亡または衰弱した野鳥並びにその排泄物に触れた場合には、うがいや手洗いを励行すること
- また、発熱等の健康状態に異状が認められた場合には、速やかに医療機関を受診し、死亡野鳥等との接触の機会があったことを医師に伝えること
- 特に、子どもは興味から野鳥に近づくおそれがありますので、ご注意ください。