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更新日:2017年2月20日
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碑文
宵あさき長井往還行きにつつ
村湯の明りなつかしみけり
大正12年(1923)2月に前田夕暮は、東海道線の車中で偶然北原白秋と出会い、そのまま連れ立って三崎へ行き、城ケ島で遊びました。帰途長井に立ち寄り、「藤屋」に宿泊しました。その間二人は即詠競作して、この時の歌を「詩と音楽」3月号に発表するとともに、夕暮は昭和3年(1928)刊行の第六歌集『虹』に収録しました。碑の歌は、この歌集の「長井村に泊る」から一首を選んだものです。
前田夕暮は、明治16年(1883)7月に神奈川県大住郡大根村(現・秦野市)で生まれ、本名は洋造。筆名の「夕暮」は、青年時代を過ごした大磯町の鴫立沢にちなむ西行の有名な和歌「こころなき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮」からとったといわれます。
前田夕暮は、その作歌生涯において数度にわたる作風の転換をしました。それは「明星」浪漫主義から出発し若山牧水と並び称された自然主義歌風、画壇における後期印象派の影響ともいわれる外光派的世界への転進、更に自由律運動への突入、そして定型への復帰です。近代短歌の開拓者としての彼は、鮮かな詩性を短歌に盛り上げるとともに、優れた詩的散文の創始者としても、革新と実験の文学行路を歩みました。
歌集に『収穫』『生くる日に』『原生林』『夕暮遺歌集』、文集に『緑草心理』『烟れる田園』『雪と野菜』等があります。昭和26年(1951)4月に逝去(享年68歳)。
交通:JR横須賀駅~長井間バス、長井下車・徒歩5分、または京急三崎口駅~荒崎間バス、富浦下車・徒歩2分
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