建物の建て方に関するルール
建物の建て方に関するルールには、地区計画・建築協定・地区土地利用協定の制度があります。
「地区計画」とは
都市計画法により横須賀市が決められる都市計画で、建物の建て方や開発行為の規制・誘導のルールとして最も有効ですが、内容は法による権利制限となることから、既存の住宅団地等への導入は困難です。
「建築協定」とは
建築基準法に基づき住民間で定めた建物の建て方に関するルールを市長が認可するもので、住民相互間の自主ルールとして機能しますが、協定締結に同意した住民の土地にしかルールが適用されません。また、住民間ルールであることから、協定違反に対して市が公権力を行使することはできません。
「地区土地利用協定」とは
地区土地利用協定は、地区ごとの土地利用や建物の建て方などに関する諸問題を住民みずからの意思により解決または防止するためのルールづくりを、横須賀市の「適正な土地利用の調整に関する条例(平成17年7月1日施行)」で制度化したものです。
地区土地利用協定の特徴
- 住民の発意・住民相互の合意による「わがまちの土地利用のルール」です。
- 地区住民で構成される「地区土地利用協定協議会」と市長が締結します。
- 協定の区域は、面積2,000平方メートル以上で、かつ、一体の区域とします。
- 協定には、「締結する目的」、「実現しようとする地区環境等」、「許容するまたは許容しない土地利用及び建築物の用途」を必ず定めるものとします。
- 市は、協議会の設立や協定づくりを支援します。
- 協定区域内での土地利用行為は、市が指導・監督します。
- この協定は、法的拘束力のある都市計画法による「地区計画」と、住民間の私的なルールである建築基準法による「建築協定」の中間的な位置にある本市独自の制度です。
地区土地利用協定の手続きなど
1.協定協議会の設立要件
地区土地利用協定は、協定協議会の代表者の方が市に協定書を提出し、それを市が記名押印することにより成立するものですので、土地所有者等は、あらかじめ地区土地利用協定協議会を設立する必要があります。
この協定協議会は、次に掲げるすべての要件を満たすものとします。
- 協定を締結しようとする区域内の土地所有者等(土地の所有権または借地権を有している者のことをいいます。)の過半数が構成員となっていること。(土地そのものについても地積の合計の過半数を占めていることを求めます。)
- 規約を有しており、公正な手続きにより代表者を選出していること。
- 良好な居住環境、商業環境、工業環境または農林漁業環境を維持保全し、及び形成するための活動を行っていること。
2.協定協議会の設立等の手続き
地区土地利用協定協議会の代表者は、協議会を設立したときは、次に掲げる書類を市長に届け出るものとします。
- 地区土地利用協定協議会設立届
- 構成員名簿(1筆ごとに権利の種類、権利者の住所、氏名及び連絡先を明記し、押印したもの)
- 協定協議会の規約
- 協定協議会の代表者を証する書面
- 協定協議会の活動状況を記載した書面
- 土地所有者等の氏名、住所、権利及び土地面積を記載した書面
- その他必要な書類
3.協定の要件
締結しようとする地区土地利用協定は、次に掲げるすべての要件を満たす必要があります。
- 協定締結しようとする区域の面積が2,000平方メートル以上で、かつ一体の区域を形成していること。
- 横須賀市土地利用基本条例(平成17年横須賀市条例第47号)及び適正な土地利用の調整に関する条例(平成17年横須賀市条例第50号)の規定その他本市の土地利用の方針に適合していること。
- 協定締結しようとする区域の周辺環境等への影響に配慮されていること
- 次に掲げる区分に従い、協定締結しようとする区域内の土地所有者等の同意を得ていること。
- ア 土地所有者等が10人以下のとき
すべての土地所有者等
- イ 協定を締結しようとする区域の面積が5,000平方メートル未満のとき
土地所有者等の4分の3以上で、かつ同意した者が所有する当該区域内の土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっている当該区域内の土地の地積の合計が、当該区域内の土地の総地積と借地権の目的となっている土地の総地積との合計の4分の3以上
- ウ その他のとき
土地所有者等の3分の2以上で、かつ同意した者が所有する当該区域内の土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっている当該区域内の土地の地積の合計が、当該区域内の土地の総地積と借地権の目的となっている土地の総地積との合計の3分の2以上
- 協定を締結しようとする区域内の土地所有者等及び建物の全部または一部を占有する者へ十分に説明が行われていること。
- 地区土地利用協定協議会が設置されていること。
4.協定の締結手続き
地区土地利用協定協議会の代表者は、協定を締結しようとするときは、次に掲げる書類を市長に提出するものとします。
- 協定協議会の代表者の記名押印のある協定書
- 協定を締結しようとする区域内の土地所有者等の同意書(1筆ごとに権利の種類、権利者の住所、氏名及び連絡先を明記し、当該権利者が署名押印したもの)
- 位置図
- 区域図(縮尺2,500分の1以上の地形図に締結しようとする協定の区域の範囲その他必要に応じ協定における制限の区域を明示したもの)
- 公図の写し(締結しようとする協定の区域、土地の所有権及び借地権を有する者その他必要に応じ協定における制限の区域を明示したもの)
- その他必要な書類
5.協定の締結
市長は、地区土地利用協定書の提出を受けたときは、速やかにその内容を審査し、土地利用調整審議会(横須賀市土地利用基本条例に基づき設置された市の附属機関)の意見を聴いたうえで、締結しようとする協定の内容が良好な居住環境、商業環境、工業環境または農林漁業環境を維持保全し、及び形成すると認めるときは、協定書に記名押印するものとします。
なお、市長は協定を締結したときは、遅滞なく、その旨を公告し、当該協定書を閲覧に供するものとします。
6.市の支援
市は、地区土地利用協定の締結または協定協議会の設立をしようとする者の求めに応じ、情報提供や専門家の派遣などにより積極的に協力します。
7.協定締結後の区域内のルール
- 地区土地利用協定の区域内での土地利用行為は、協定内容に適合して行うことになります。なお、市は、土地利用行為に対し、協定内容に適合した土地利用を指導します。
- 地区土地利用協定の区域内で土地利用行為を行う者は、あらかじめ市長に行為の届出を行うことになります。
- 市長は、前号による届出の内容が協定に適合しないと認めたときは、届出者に対し是正指導するとともに協定へ適合させるための助言をします。
- 市長は、地区土地利用協定区域内において協定に適合しない行為が行われている場合は、行為者に対し、是正指導するとともに協定へ適合させるための助言をします。
- 市長は、届出や現に行われている行為の是正指導などに従わない者には、協定の遵守を勧告するとともに、地区土地利用協定協議会に勧告した旨を通知します。
- 市長は、勧告に対し、正当な理由がなく従わない者には、その旨を公表します。
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