更新日:2021年3月23日
ページID:74790
ここから本文です。
令和元年の火災件数は154件で、2.4日に1件の割合で発生し、昨年と比べて、45件増加しました。
火災件数154件の内訳は、「建物火災」87件、「車両火災」14件、「その他の火災」53件で、「建物火災」は全火災の56%を占めていて、さらに、「建物火災」87件のうち、住宅(専用住宅、共同住宅、店舗併用住宅)火災は、56件で全火災の36%となっています。
建物(住宅) | 車両 | その他 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
横須賀市 |
77(48) |
12 |
48 |
137 |
三浦市 |
10(8) |
2 |
5 |
17 |
合計 |
87(56) |
14 |
53 |
154 |
令和元年中の154件の火災原因上位3位は、以下のとおりです。
1位 | 放火(疑いを含む) | 37件 |
2位 | 電気関係 | 34件 |
3位 | たばこ | 26件 |
上位3位の火災原因で全火災原因の60%以上を占めています。
横須賀市 | 三浦市 | |
---|---|---|
1位 | 放火(疑いを含む)36件 | 電気関係4件 |
2位 | 電気関係30件 | ストーブ3件 |
3位 | たばこ25件 | こんろ2件 |
1放火(疑いを含む)横須賀市36件(1位)三浦市1件
放火行為が原因で発生した火災は37件で、うち3件が自損目的によるものです。
発火源は、不明の3件を除き、ライターを使用したものでした。ライターは、着火性や防風性を高めたものやLEDライト付などの多機能を図ったものが安価で販売されています
火災種別で分類すると、建物火災が10件、車両火災が1件、その他の火災が26件で、共通して「死角になる場所」「人の視線がない場所」など、物理的に見えにくい場所で発生しています。また、ごみ集積場で6件発生しています。発生時間は下表のとおりです。
【放火予防対策】
2電気関係横須賀市30件(2位)三浦市4件(1位)
電気は、私たちの日常生活において必要不可欠なものであり、その電気を利用する電気製品は様々なものが開発されています。そんな身近な電気製品ですが、使用方法を誤ったり、使用環境によっては思いがけない火災を引き起こします。
平成30年中は、電気火災が原因で発生した火災が30件で火災原因の1位でした。昨年中は、34件で2位でした。火災件数が年々減少傾向にある中、電気関係が原因で発生した火災件数は、ほぼ横ばいの状態で出火原因の上位です。
電気関係が原因で起こる火災で、最も多い現象は「トラッキング現象」です。「トラッキング現象」とは、コンセントやプラグの隙間に水分やほこりなどがあったり、劣化したプラグやコンセントを使っていると、その表面で小規模な火花放電が発生し、新たな電気の通路(トラック)ができます。その部分では樹脂部が徐々に炭化して電気が流れ出し発火することがあります。これがトラッキング現象です。
(火災事例1トラッキング) 壁のコンセントに電気器具の電源コードプラグを差し込んでいました。長時間差し込んだままにしていたので、コンセントとプラグの間にほこりなどがたまってしまい、トラッキングを起こして火花が散り、電源コードに火がついて出火しました。 類似火災では、電気コードが家具の下敷きになっていたり、コードを釘やステープル等で強く固定してしまうと被覆や芯線を傷つけて短絡(ショート)などの原因となり、火災が発生することがあります。また、コードを束ねることで熱がたまり、被覆が溶けて火災の原因となることがあります。 |
【トラッキング火災予防対策】
(火災事例2リチウムイオン電池) カバンの中に入れた使用中ではないモバイルバッテリーから突然出火して、家の床や壁に燃え広がってしまった。このモバイルバッテリーは、電気用品安全法の技術基準に適合した(PSEマークの付いた)製品ではありませんでした。 モバイルバッテリーに使用されているリチウムイオン電池は、近年、スマートフォン、ノートパソコン、ドローン、電動アシスト自転車、掃除機、電動工具等様々な電気製品に使用されています。過充電や外部からの強い圧力、製品の欠陥などの理由により、リチウムイオン電池の内部で異常が発生している可能性があります。 |
【こんなときは要注意】
【モバイルバッテリー火災予防対策】
3たばこ横須賀市25件(3位)三浦市1件
火災件数が年々減少傾向にある中、また、喫煙率が低下しているにもかかわらず、たばこが原因で発生した火災件数は、横ばい若しくは増加の傾向にあります。
昨年中のたばこが原因で発生した火災では、5名の死者が発生し、大変悲惨な状況です。
火災に至った主な理由は、次のとおりです。
【豆知識】 たばこが原因で発生した火災の大きな特徴として、「無炎燃焼」があります。 「無炎燃焼」とは、言葉どおり炎を伴わず燃えている状態のことで、長い時間にわたっていぶすように燃え続けますので、燃えているのに気付きにくい傾向にあります。また、密閉された空間では、人体に有毒な一酸化炭素を発生させることがあります。 たばこの火種が綿布団に落下したことにより無炎燃焼が発生すると、徐々に燃え広がって、より燃えやすいものに触れた時に一気に有炎となり、燃え上がることがあります。 |
【たばこ火災予防対策】
4ストーブ横須賀市2件三浦市3件(2位)
電気ストーブ、石油ストーブ、ガスストーブ、石油ファンヒーター、オイルヒーターなど、ストーブには様々な種類がありますが、どの種類でも、いったん出火すると被害が大きくなりやすいのがストーブ火災の怖さです。
電気ストーブは、灯油等の燃料がいらず換気の手間もかからないことから、手軽で安全だと思われがちですが、電気ストーブに可燃物が接触し出火している事例が多いことがあげられます。
石油ストーブでは、ストーブをつけたままで給油をおこなったり、タンクの蓋がきちんと閉まっていないため、燃料が漏れだして出火してしまう事例があります。
ストーブ火災はそのほとんどが使用者の注意不足が原因であり、危険性を理解し、正しい使い方をすれば防ぐ事ができます。
安全な取扱い方法をしっかりと身につけて、寒い時期を安全で快適に過ごしましょう。
【ストーブ火災予防対策】
5こんろ横須賀市2件三浦市2件3位
住宅で発生したこんろ火災の原因の多くは、食用油の入った鍋を加熱しようとガスこんろに点火した後、来客応対やテレビ観戦のため、その場を離れたところ、時間の経過とともに食用油が過熱して出火したことによるものです。(食用油は油の温度が360℃以上で発火します。)
その場にいれば、もしくは火を消していれば火災には至らない事例が多くあります。何より重要なことは、調理中は絶対にその場を離れないこと、そしてその場を離れる時は、必ず火を消すことです。
平成20年10月以降に販売されている全てのこんろが、安全装置付きこんろ(Siセンサーコンロ)となっています。
《Siセンサーコンロの主な機能》
|
以上の機能が標準装備されているため、万が一火を消し忘れるようなことがあっても、火災の発生を防ぐことができます。
住宅でのこんろが原因の火災は、Siセンサーコンロや住宅用火災警報器の普及により減少しているものと考えられます。一方、飲食店や店舗などのこんろは、安全装置がない大口こんろが多いため、火災に至ることが多いと推測されます。
【こんろ火災予防対策】
【豆知識】 背中などで手が届かず、水による消火ができない場合は、倒れて左右に転がり消してください。 |
56件の住宅火災のうち、10件で死者12名が発生しています。
死者が発生した10件の火災の出火時間は、深夜時間帯が6件、それ以外が4件で、出火時間帯に偏りはみられません。
犠牲となってしまった方の年齢は、若い方で20代、高齢の方で90代、平均すると69才で、高齢の方が犠牲になる傾向にあります。
住宅用火災警報器の設置状況は、10件中2件であり、設置されていない8件で10名の方が亡くなられています。仮に住宅用火災警報器が設置されていたら、横須賀市消防局管内の統計上では、5名の命が救われていたことになります。
横須賀市消防局管内で発生した住宅火災を住宅用火災警報器(以下「住警器」という。)の設置、未設置で区分し、焼損程度を調査した結果、住警器を設置している住宅火災では、設置していない住宅と比較して、全焼、半焼火災が約7割減少し、ぼや火災が約3割増加しています。この分析結果は、火災が拡大する前に発見、通報及び初期消火等が実施されたことによるものと推測されます。
また、住宅火災による死者、負傷者について、同様に調査した結果、負傷者数に大きな差異は無いものの、死者数にあっては、約6割減少しています。
このように住警器の設置は、火災拡大防止や死者数の低減に著しく効果が高いことが立証されました。
住警器が作動した際の通報状況を分析してみると、出火した住宅の家人(家族、同居人)からの通報、不在宅の住警器の鳴動に気付いた家人以外の近隣住民(通行人含む)からの通報を比較すると、ほぼ同数あるなど、住警器の設置は、本来の目的である「住宅防火」に加えて「地域全体の防火」にも効果があることが分かります。
【住警器設置は・維持管理のポイント】
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください